ヴァニラ・アイスはプラチナの夢をみるか?

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『天気の子(2019)』~青臭い主人公が眩しくなる~

2019-07-28 17:04:58 | アニメ・特撮系
『天気の子(2019)』

2019年7月19日公開の新海誠監督による日本のアニメーション映画。前作『君の名は。』から3年ぶりとなる新海監督7作目の劇場用作品です。上映時間は112分。

あらすじ

「あの光の中に、行ってみたかった」
高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。
しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、
怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。
彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。
そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。
ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。
彼女には、不思議な能力があった(公式HPより引用)。

感想

『君の名は。』と同じく青春とか初恋とかが眩しくなる映画なんですよ。

とにかく主人公が青臭い!そりゃ高校一年だし仕方はないんですがね。

その青臭い少年と不思議な少女との出会いから始まる物語が新海監督ならではの美麗で緻密な背景とともにすごくドラマチックに描かれていました。

四十路を超えたオッサンとしては当初、主人公の青臭さにイラつくワケですよ。東京に一人で暮らしてやるとか息巻いといて案の定なんもできんヤツだし。

でも物語が進んでいくうちにだんだん「あ~こんな青臭かった時代に戻りてぇ~」ってその”青臭さ”が眩しくなっていくんですよ。

こういう観客の心情変化が押しつけられる感じもなく物語の進展とともに自然に起こるから不思議でした。それはやっぱり本作がエンタメとして素晴らしいからなんだと思います。

こういうところに新海監督の力を感じてしまいます。

まぁ正直言って映画の設定には粗もあるし、物語の展開には力技、投げっぱなしな部分もあってツッコミどころもあるなぁとは思いましたが、少年の”一途な青臭さ”を映画の魅力と感じることができれば気にならなくなりますし、そういう作りもできていると思いました。

映画『天気の子』スペシャル予報


相変わらず緻密で美麗な背景と質の高い作画はさすがといったところです。雨が降り続く東京が舞台なので”晴れ”の時の描写が美しい!映像を観るだけも価値のある映画でした。

アニメファン懸案の豪華俳優さんを使ったキャスティングですが、声優さんの演技とは手法が異なるように感じるものの見事に皆さんハマっていますので、心配はご無用です。

ワタクシが特に注目したいのは小栗旬さんですね。あえて情報をほとんど入れないで鑑賞したので、はじめのうちは小栗さんと気づかなったくらい素晴らしい演技でした。

まぁ平泉成さんはそのま~んまでしたケド(笑)。

それから意外な大物声優さんたちが意外な役でも登場するのでそれも見どころです。

またそんなキャスト陣が演じる登場人物もキャラが立っててわかりやすくて魅力的でした。特に好きなキャラは本田翼さんが演じる夏美ですね。

わかりやすいお色気要員というだけでなく主人公にもヒロインにも深く関わる人物で、主人公を助けて大活躍するシーンはアツくて楽しかったです。

この夏美も本田翼さんが好演しており、他では替えがきかないキャスティングだと思いました。

君の名は。
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東宝


それから劇中では前作『君の名は。』ファンには嬉しいファンサービスも用意されています。ネタバレになるので詳細は控えますが、この記事にあえて『君の名は。』の広告を貼ってあることで察していただければと思います。

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音楽は『君の名は。』に引き続きRADWIMPSが担当していますが、新海作品との相性は抜群ですね。各場面でいい仕事をしてくれています。主題歌もイイ感じだし、またヒットの予感ですね。

さてここから下はワタクシの妄想が多分に含まれるので読みたくない人はブラウザバックしてくださいませ。






























本作を観たとき2005年のロボットアニメ『エウレカセブン』に似ていると感じました。

ヒロインに一途すぎる頼りない主人公、主な登場人物の配置、終盤の落下シーンなどなどの共通点が挙げられると思います。

いや、それだけではありません。

場面によっては『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 』も入っていると感じました。

単なる偶然の可能性も大きいためここからはワタクシの妄想ということで話を進めていきますね。

さて、本作を観たときも前作の『君の名は。』を観た時、どこかで見たことがあるようなという既視感を強く感じました。だから新海監督は過去の作品からの”いいとこ取り”をやってるのではないかと邪推しています。

勘違いしてもらいたくないのはワタクシはそのことを責めたり批判したいワケではありません。過去の作品が今のクリエーターに影響を与えることなんて当たり前のことでパロディやオマージュなんてどこにでもあります。

むしろワタクシは新海監督はすごく上手に”いいとこ取り”をしてると感心しています。

いろんな作品から”いいとこ取り”しようとしても結局まとまらず破綻してしまうこともあると思います。

邦画に『さよならジュピター』という作品があるのですが、この作品が”まとまらず破綻”した典型例でしょう(このブログでも感想を書いています。ココから記事にとべます)。

『さよならジュピター』は『ロミオとジュリエット』、『ジョーズ』、『スターウォーズ』などの要素を中途半端にごちゃまぜにして結局よくわからない映画に仕上がってしまいました。

『さよならジュピター』の場合、名作から面白い要素を切り貼りすれば”勝手に名作が完成する”と勘違いしていたと思います。それゆえに観客を楽しませることが二の次の作品になってしまいました。

一方、新海監督の場合はおそらくどう観客を楽しませるかの試行錯誤から”いいとこ取り”を行っているため出来上がった作品は破綻もなく、さらに完成度も高く仕上がっています。それは前作『君の名は。』や本作を観れば明らかだと思います。

いろんな作品から”いいとこ取り”しながらも破綻させず、そればかりか作品としての完成度を高めるなんて、これって何気にすごい能力なんじゃないかって思っています。

ワタクシとしてはこの能力を使って新海監督が今後どんな作品作りをしていくのか注目していきたいですね。


ということで今回は以上です。次回、乞うご期待!!

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2 コメント

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コメントありがとうございます (ヴァニラエース)
2021-04-02 14:01:26
映画マンさん、こんにちは~。
いつもお返事が遅くなってすみません。
新海監督の作品は映像だけでも観る価値がありますよね~。
それが作品の世界観にうまくマッチして映画に没入できます。
小栗さんは須賀圭介という主人公の帆高をアシスタントにするオジサンを演じてますね。
返信する
Unknown (映画マン)
2021-03-28 08:01:11
映像美は相変わらずでしたね。さすが新海誠監督!
雨と晴れの対比がすごく印象的で、おっしゃる通り晴れの映像がすごく鮮やかでキレイ!
やっぱり、お日様は良いな~、と感じました。

小栗旬さんの声気付かなかったです。
どのキャラの声でしたかね?
返信する

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