『メカゴジラの逆襲(1975)』
1975年(昭和50年)3月15日に公開された日本映画で「ゴジラシリーズ」第15作。『シン・ゴジラ』までのシリーズ全29作品のうち、タイトルにゴジラ以外のキャラクターだけがフィーチャーされた唯一の作品。ゴジラシリーズ観客動員数のワースト記録である97万人を記録したために東宝はゴジラシリーズを一時休止させることを決定、本作を最後に1954年公開の第1作から足かけ21年間続いた「昭和ゴジラシリーズ」は終了しました。監督は初代『ゴジラ』の本多猪四郎さん、特技監督は中野昭慶さん。上映時間は83分。登場怪獣はゴジラ、メカゴジラII、チタノサウルス。
あらすじ
ゴジラに敗れ、海に沈んだメカゴジラを調査していた潜水艦が「恐龍」という言葉を残して消息を絶った。「恐龍」とは15年前に学会を追放された真船博士が操る怪獣チタノザウルスだった。海洋学者の一之瀬は異端の説を唱えたため学会から追われ、人間社会からも迫害された真船博士の娘・桂(かつら)と接触を持つが、桂は「父は死んだ」と答えるのみだった。しかし一之瀬はその後も桂と出会いを重ね、一之瀬と桂の間には恋愛感情が芽生えていく。一方、実は生きていた真船博士は人間社会を憎み、復讐を目論んでいた。ブラックホール第3惑星人は博士と手を組み、破壊されたメカゴジラをメカゴジラIIとして改修。かつて事故死した桂をサイボーグとして再生することで恩を売っていたブラックホール第3惑星人は桂にメカゴジラIIのコントロールシステムを組み込み、より完璧な兵器へと完成させた。さらに真船博士が発明した怪獣コントロール装置でチタノザウルスを操り、二体の怪獣で打倒ゴジラを狙うのだった。そしてついに計画は開始されチタノザウルスとメカゴジラIIが横須賀に上陸した。そこへ現れたゴジラは奮戦するも空しく窮地に陥り生き埋めにされてしまう!その頃、秘密基地を発見していた国際警察もブラックホール第3惑星人を追い詰めていた!果たしてゴジラは2体の怪獣に勝てたのか?そして地球の命運はいかに!?
感想
悪い映画とは思わないのですが、ドラマ部分の比重が大きすぎるので怪獣バトルの印象が薄かったです。
サイボーグに改造された女性の悲劇や悲恋を描いた物語も嫌いではありませんが、ワタクシはもっと怪獣バトルに期待していたのでちょっとがっかりしてしまいました。
バトルそのものはかなり派手なんですよ。ただゴジラのキャラクター性が薄くてドラマを終息させる”道具”のようになっているから、2体の敵怪獣に対するゴジラって構図はすごく興味深いのに印象に残りにくかったのでしょう。
”怪獣映画にも関わらず主役怪獣の印象が薄い”という本作を怪獣映画と呼んでいいのか悩んでしまいますね。
一方、ドラマについては『ロミオとジュリエット』みたいな悲劇と悲恋が描かれていて子供向けにしては少し難しいんじゃないか?とも思いました。
ただ今までゴジラ映画に持ち込まれたことのないテーマを持ち込んだ作品としては一定の評価ができると思います。
マッドサイエンティストと宇宙人の侵略物語の内側で進む”サイボーグと人間の恋”、”敵と味方の恋”は実らないという暗い未来を予測させる物語は観客を切なくさせるものだったと思います。
まぁドラマ部分を評価するか、怪獣バトルの部分を評価するかで賛否わかれそうな作品でありました。
【公式】「メカゴジラの逆襲」予告 メカゴジラを不動の人気にしたゴジラシリーズの第15作目。
特撮についてはかなり力が入っていて、時間が短いもののバトルも派手でした。でも異星人にコスチュームとサイボーグの内部構造はダメダメでしたが・・・・。
怪獣バトルでの見所はなんといってもゴジラが一方的にやられるシーンですね。
飛び道具は持たないものの持ち前の怪力と尻尾のヒレを使って起こす強風でゴジラを苦しめるチタノザウルス、前作同様にフルオープンアタックを仕掛けてくるメカゴジラIIになす術もなく生き埋めにされるゴジラというシーンの珍しさだけなく、迫力も十分で「ここからどうやって勝つのかな?」と大逆転に期待を持たせてくれました。
まぁ本作では人間が頑張り過ぎた結果、相手が弱体化するので終盤ゴジラが無双するものの、自力じゃないから少しだけガッカリしましたが・・・。
キャスティングは前作に比べるとややスケールダウンした印象ですね。
画面に映る時間は主人公・一之瀬を演じた佐々木勝彦さん、ヒロイン・桂役の藍とも子さんが長いのですが、印象に残るのはマッドサイエンティスト真船博士役の平田昭彦さんと冷酷な侵略宇宙人・ムガール隊長役の睦五郎さんでしたね~。
どちらもハマリ役なので、本作を観た際はぜひとも二人の演技に注目していただきたいですね。
本来は大人しい怪獣のチタノサウルスは真船博士の発明したコントロール装置で凶暴化してしまいます。なんともかわいそうな怪獣です。
見た目は細長い怪獣ですが、意外と怪力でゴジラを蹴り一発で吹っ飛ばしたりしてました。
本作が「昭和ゴジラシリーズ」の最終作ということで今年1月から始めたゴジラ映画の感想記事のルーティンは区切りをつけたいと思います。ただ、慢性的なネタ不足の本ブログなので不定期的に「平成ゴジラシリーズ」の感想を書いていくとは思います。
さて、本日からついに『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開されましたね!ワタクシは予定が合わず、すぐには鑑賞できませんが、必ず鑑賞して感想を書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』【予告3(日本語吹替ver.)】
やべ~歴代のゴジラ映画を鑑賞した後だからなのか、ワクワクがとまりません!
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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1975年(昭和50年)3月15日に公開された日本映画で「ゴジラシリーズ」第15作。『シン・ゴジラ』までのシリーズ全29作品のうち、タイトルにゴジラ以外のキャラクターだけがフィーチャーされた唯一の作品。ゴジラシリーズ観客動員数のワースト記録である97万人を記録したために東宝はゴジラシリーズを一時休止させることを決定、本作を最後に1954年公開の第1作から足かけ21年間続いた「昭和ゴジラシリーズ」は終了しました。監督は初代『ゴジラ』の本多猪四郎さん、特技監督は中野昭慶さん。上映時間は83分。登場怪獣はゴジラ、メカゴジラII、チタノサウルス。
あらすじ
ゴジラに敗れ、海に沈んだメカゴジラを調査していた潜水艦が「恐龍」という言葉を残して消息を絶った。「恐龍」とは15年前に学会を追放された真船博士が操る怪獣チタノザウルスだった。海洋学者の一之瀬は異端の説を唱えたため学会から追われ、人間社会からも迫害された真船博士の娘・桂(かつら)と接触を持つが、桂は「父は死んだ」と答えるのみだった。しかし一之瀬はその後も桂と出会いを重ね、一之瀬と桂の間には恋愛感情が芽生えていく。一方、実は生きていた真船博士は人間社会を憎み、復讐を目論んでいた。ブラックホール第3惑星人は博士と手を組み、破壊されたメカゴジラをメカゴジラIIとして改修。かつて事故死した桂をサイボーグとして再生することで恩を売っていたブラックホール第3惑星人は桂にメカゴジラIIのコントロールシステムを組み込み、より完璧な兵器へと完成させた。さらに真船博士が発明した怪獣コントロール装置でチタノザウルスを操り、二体の怪獣で打倒ゴジラを狙うのだった。そしてついに計画は開始されチタノザウルスとメカゴジラIIが横須賀に上陸した。そこへ現れたゴジラは奮戦するも空しく窮地に陥り生き埋めにされてしまう!その頃、秘密基地を発見していた国際警察もブラックホール第3惑星人を追い詰めていた!果たしてゴジラは2体の怪獣に勝てたのか?そして地球の命運はいかに!?
感想
悪い映画とは思わないのですが、ドラマ部分の比重が大きすぎるので怪獣バトルの印象が薄かったです。
サイボーグに改造された女性の悲劇や悲恋を描いた物語も嫌いではありませんが、ワタクシはもっと怪獣バトルに期待していたのでちょっとがっかりしてしまいました。
バトルそのものはかなり派手なんですよ。ただゴジラのキャラクター性が薄くてドラマを終息させる”道具”のようになっているから、2体の敵怪獣に対するゴジラって構図はすごく興味深いのに印象に残りにくかったのでしょう。
”怪獣映画にも関わらず主役怪獣の印象が薄い”という本作を怪獣映画と呼んでいいのか悩んでしまいますね。
一方、ドラマについては『ロミオとジュリエット』みたいな悲劇と悲恋が描かれていて子供向けにしては少し難しいんじゃないか?とも思いました。
ただ今までゴジラ映画に持ち込まれたことのないテーマを持ち込んだ作品としては一定の評価ができると思います。
マッドサイエンティストと宇宙人の侵略物語の内側で進む”サイボーグと人間の恋”、”敵と味方の恋”は実らないという暗い未来を予測させる物語は観客を切なくさせるものだったと思います。
まぁドラマ部分を評価するか、怪獣バトルの部分を評価するかで賛否わかれそうな作品でありました。
【公式】「メカゴジラの逆襲」予告 メカゴジラを不動の人気にしたゴジラシリーズの第15作目。
特撮についてはかなり力が入っていて、時間が短いもののバトルも派手でした。でも異星人にコスチュームとサイボーグの内部構造はダメダメでしたが・・・・。
怪獣バトルでの見所はなんといってもゴジラが一方的にやられるシーンですね。
飛び道具は持たないものの持ち前の怪力と尻尾のヒレを使って起こす強風でゴジラを苦しめるチタノザウルス、前作同様にフルオープンアタックを仕掛けてくるメカゴジラIIになす術もなく生き埋めにされるゴジラというシーンの珍しさだけなく、迫力も十分で「ここからどうやって勝つのかな?」と大逆転に期待を持たせてくれました。
まぁ本作では人間が頑張り過ぎた結果、相手が弱体化するので終盤ゴジラが無双するものの、自力じゃないから少しだけガッカリしましたが・・・。
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キャスティングは前作に比べるとややスケールダウンした印象ですね。
画面に映る時間は主人公・一之瀬を演じた佐々木勝彦さん、ヒロイン・桂役の藍とも子さんが長いのですが、印象に残るのはマッドサイエンティスト真船博士役の平田昭彦さんと冷酷な侵略宇宙人・ムガール隊長役の睦五郎さんでしたね~。
どちらもハマリ役なので、本作を観た際はぜひとも二人の演技に注目していただきたいですね。
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本来は大人しい怪獣のチタノサウルスは真船博士の発明したコントロール装置で凶暴化してしまいます。なんともかわいそうな怪獣です。
見た目は細長い怪獣ですが、意外と怪力でゴジラを蹴り一発で吹っ飛ばしたりしてました。
本作が「昭和ゴジラシリーズ」の最終作ということで今年1月から始めたゴジラ映画の感想記事のルーティンは区切りをつけたいと思います。ただ、慢性的なネタ不足の本ブログなので不定期的に「平成ゴジラシリーズ」の感想を書いていくとは思います。
さて、本日からついに『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開されましたね!ワタクシは予定が合わず、すぐには鑑賞できませんが、必ず鑑賞して感想を書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』【予告3(日本語吹替ver.)】
やべ~歴代のゴジラ映画を鑑賞した後だからなのか、ワクワクがとまりません!
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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「メカゴジラの逆襲」で強烈なインパクトを観る人に与えている真船博士ですが、世間(の負の部分)を知り過ぎている芹沢博士と違って、浮世離れしているというか、独り善がりというか、一般的な世間の常識を知らなさ過ぎますね。どちらも平田昭彦さんが演じておられるというのに、ここまで正反対なキャラクターは珍しいです。
例え自分は悪用しないつもりでも、発見した恐龍を自在にコントロールするなんて事を言えば誰だって危ない人だと思って警戒するのは当たり前。それを逆恨みして復讐を考えるなんて、どれだけ自分を偉いと思っているのか。
娘・桂さんは見たところ、父親ほど世間に恨みは抱いてませんね。研究を成功させて世に役立てれば世の中の人達は分かってくれると信じている感じ。これはお母様の影響かもしれません。でも、こんな研究をしている事自体、真船一家は浮世離れしてますよ。
もし生物コントロール装置を悪用しようとする輩が現れて妻と娘を人質に取られでもしたら真船博士も言いなりにならざるを得ないでしょう。前作の宮島博士が良い例です(この方も平田さんが演じてましたね)。芹沢博士も悪い輩に恵美子さんを人質に取られて言いなりにさせられた時の事を考えていたのかもしれません。
真船博士が独善的な性格になってしまった責任の多くは周囲にあるのかもしれませんが、芹沢博士も色々な人達との触れ合いが無ければ真船博士のようになっていたかもしれません。それを思うと2人は「光」と「影」。対なのでしょうね。
最後に罪の無いチタノザウルスの事ですが、ゴジラはただ彼のコントロール装置を破壊しただけで、きっとどこかで生きている。そう思いたいです。
A-chanさんの考察はいつも興味深く拝読しております。
真船博士についてはワタクシも似たような印象を持っています。彼はそもそもマッドサイエンティストだったんですよね。そこがブラックホール第3惑星人を近づける要因になったということなんですよね・・・。