部下の一人が辞めるといいだした。ソフトウエア業界のなかではそんなに珍しくない話だが、こちらとしては優秀なSEには一人でも残って良い仕事をして欲しいと考えているし、その為にいろんな「トライ」をしてもらっているつもりなので、大変残念。
なんどか「説得」をしてみたが、まあ、いろいろと考えることもあったようで、決心は変わらない。
この辞めるといいだした彼女は、中途入社で、あまり豊富なSE経験を持っていたわけではなかったが、コンピュータソフトウエア業界でいろいろとやってみたいことがあったようで、入社当時から大変な頑張りを見せてくれたし、技術的に初めて出会うことに対しても正面からぶつかってくれる大変期待の持てる人材だった。いろんな事を経験させて分ったが、彼女はポイントを掴むのが上手いし、感もいい。「こりゃ結構いい素材だなぁ」と、真剣に彼女の成長をねがって、彼女にとってはちょっと荷が重そうな仕事をしてもらったりもした。
その彼女が辞めるといいだしたのだから大変つらいのが正直な気持ち。
会社に魅力がなかったり、職場の環境の問題もあったのかもしれない。結局3年ほどで辞めることになった。これからもっともっと多くの経験を積んで優秀なSEになって欲しいというのが正直な願いだったが、まあこれも彼女の人生だから仕方がない。
コンピュータソフトウエア開発の世界では優秀な女性SEは珍しくない。かくいう私の家内も元SE。いろんな仕事をやって最後にはSEにたどり着いたが、私との結婚後しばらくして辞めた。自分の口から言うのも憚られるが、彼女なかなか優秀なSEで、SE職を辞してからもう20年近くなるが、論理的思考は全く衰えていない。みかけは40歳代のごくごく普通の主婦なのだが、実はむちゃくちゃ頭の回転が速くて、なんでも飲み込みが早くて、要領もいいのでどんな職場でもそれなりにこなしてしまう。ちょっと褒めすぎか。(^_^;)
部下の退職のことがきっかけではあるが、自分の奥さんが優秀なSEであることを考えると、これまたもったいない選択をさせたかなぁと考える。
女性は職業選択の幅を広く持ち、男性諸氏から見るとこだわり無くいろんな職業にチャレンジをしている。ただその分、「極める」という部分からどうしても遠ざかってしまうのは、先の例の通り何とももったいない。いわゆるキャリアウーマンだけが優秀なのではなく、きっと女性諸氏は大概の場合仕事を続けることが出来れば、優秀になるのではないかと考える。
男性諸氏には、多くの女性がこのことに気が付く前にしっかりと経験とキャリアを積んでおくことをオススメする。いや、もしかしたら多くの女性はすでにそれには気が付いていて、男性ががんばることをしたたかにも期待しているのかもしれない。もしそうであれば、完全に男性は女性の手のひらの上で遊ばれているといえる。