18年にもなりますか

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人と組織と

2004-09-14 00:29:44 | 
プロ野球団の合併問題がいろいろと賑わしているが、そこで有名になった堀江貴文氏による本を立ち読みした。(買えよ!(^_^;)
内容は至ってまじめ。私が言うのもおかしいが、きちんとした経営者だと見た。経営の原則をきっちりと守り、創業期から成長期、いまもその過程であることは明白だが、そこに至る種々の悩みなどが分かりやすく書かれている。私もIT業界のはしくれで仕事をしているものだから、彼の著書に書かれている内容が実は手に取るように理解でき、ついつい長い時間立ち読みをしてしまった。(でも買わなかった。(^^ゞ

 そこに書かれていて印象的だったのは、会社が成長してゆくに従ってそこで働く重要な役割を担わなければならない人たちには器があり、その器以上に会社が成長したならば、残念だが、その役割を降りてもらわなければならないというところだった。
特に彼が有限会社を設立した当初の、いわゆる創業メンバーについては、一緒に会社をやろうとしたという"同志"意識がどうしても働くのだが、企業経営は営利を求めるものでサークル活動でもなんでもないと考えたあたり、彼がなぜここまで会社を成長させることができたのか、経営者としての彼の意思の一つを見た。

 もちろん世の経営者は多かれ少なかれそのような決断をしている。ただ堀江氏の経営するライブドアでは、急成長しているということも背景にはあるが、その辺りに対する仕組みを作って対応しており、仮に役員であっても特別扱いしない、表面的には大変ドライに見える人事異動(昇格降格)が、可能な限りの配慮がなされて行われている点がそうだ。創業10年にも満たない会社が急成長した場合の、人事マネジメントの一つの形だと言えるのではないだろうか。

 一方で、殆どの企業は堀江氏のライブドア社のような人事はできずにいる。創業10年、20年になるとどうしても同じ釜の飯を喰った仲だとか、過去に大変貢献してくれた社員がいるだとかで、ドライな人事異動はそれらのコツコツとやって来た社員の感情に軋轢をもたらすことも考えなければならなかったりする。かくいう当社でも創立25年を越えるのだが、20年近くのベテラン社員に対しては、その経験・知識に対しての報酬は支払えるのだが、仕事っぷりという面での成長が、現在の自社の規模に合っておらずどうしても昇進や昇格、昇給面で低くならざるを得ないでいる、大変残念だ。

 この辺りは一つ間違うと、本人のやる気の喪失や、社内モラルの低下をもたらすのできちんとした説明をもって対応しなくてはならないが、まだきちんとできない不完全な状態である。一方若手社員については、これまた、これほどまでに先輩社員の仕事に対する姿勢が反映してしまうのか!と驚くぐらい影響される。これまたデリケートな話だが、若手社員は、"近ごろの若者"の割りには先輩社員の何がどのように評価されるのかに対して大変敏感なので、彼ら自身の評価も大切だが、彼らの先輩社員に対する評価もそれなりに分かりやすくしておかなければならない。いずれにしてもわかりやすく毅然とした人事が必須である。

 また、社員一人一人が集まって、組織ができ上がるが、その組織が持つ緊張感というものも会社の成長を左右する。組織の善し悪しが成長の勢いをさらに加速させることもあるしまた、足を引っ張ることもある。ただいずれせよ、会社は仕事をする場所である。ビジネスをするために、社員一人一人が最大限のパフォーマンスを発揮してもらわなければ困るのである。そういうプロ意識が常に求められるのだが、これは一人一人が持っていなければならないのはもちろんだが、組織そのものにも必要な意識である。組織の善し悪しというのは、まさにこの部分で、プロ集団としてのプライドが勢いを上げ、社員一人一人が自分の実力をより大きく伸ばすことになるのだが、組織が悪いと一人一人の持つ能力以下の仕事さえできないし、一人一人の社員の意識が高くないとやはりうまくいかない。鶏と卵の関係に似てはいるが、基本はやはり人である。

堀江氏の著書を立ち読み(ひつこいなぁ(^^ゞして、このようなことを考えたのだが、どうせ同じ働くのであれば、いろんな意味で自分を成長させてくれる仕事や職場を選ぶべきで、一つそれを選んだならばやはり少なくとも3年は頑張ってもらいたいものだと思う。いいことも悪いこともおおよそ3年で一式体験できると考えているからだ。