市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

医療と介護をつなぐ・尾道方式とは

2014-07-16 | 健康・医療
本日、視察先の尾道市から帰ってきました。一泊二日の慌ただしい視察でした。
市原市には、医療の専門職や行政、そして住民代表として6名の議員が所属する地域保健医療協議会という組織があるのですが、今回はそのメンバーの議員プラス担当の市職員2名の計8名での視察です。
調査目的は、地域医療と介護の連携について。全国でも先進的な取り組みで有名な2か所の公立病院にお邪魔してきました。


1日目は、尾道市立市民病院。医療と介護の連携のいわゆる「尾道方式」の中核を担う病院です。


入口を入ってすぐにある地域医療連携室や入院支援センター。




2日目は、公立みつぎ総合病院


こちらの病院は、昭和40年代当初、山口昇名誉院長・特別顧問が、
「一生懸命手術して治しても、半年から1年もたたないうちに、褥瘡を作ったり寝たきりになったりして再入院するお年寄りがあまりにも多いのは、いったいどうしたことだろう?」
と疑問を抱いたことが全てのきっかけでした。
病院で待っていては解決しないと、訪問診療や訪問看護といった「出前医療」を始めたのです。
団塊の世代が後期高齢を迎える2025年を見据え、現在国が押し進めている「地域包括ケアシステム」。この言葉を最初に唱えたのも、山口医師です。

写真前列中央が山口医師。後列向かって右から2番目が、説明して下さった副院長の沖田医師です。



では、「尾道方式」や「地域包括ケアシステム」っていったい何でしょう?
分かりやすく言うと、例えば、入院していた患者が退院した後、在宅でも日常生活に困らないように・或いは治療やリハビリを切れ目なく続けられるように、本人や家族を中心に病院の医師や看護師・かかりつけの開業医や訪問看護師・薬剤師・ケアマネ・ヘルパーなど、関係する様々な職種の人たちが話し合い、計画を立てて、連携しながら継続して支援を行っていく取り組みのことです。

これは沖田医師のスライドから。
専門職における「天動説と地動説」。


多職種が患者を中心にして話し合いの場を持つ。考えてみれば、何でもない当たり前のことだと思いませんか?。
でも、たったこれだけのことが、未だに日本ではできていないのです。
例えば、病院の医者は患者の病気を治して退院させれば役目は終わり。反対に、介護ヘルパーはは受け持ちの患者が入院すれば役目は終わり。
医療も介護も非常に専門性の高い分野で、様々な職種が介在しているということが、逆に各々の視野を狭め、連携を阻んでいるように思います。

これも沖田医師のスライドより。

私は以前病院に勤務していたのでわかるのですが、このような光景はまず普通はあり得ません。


なんと、福祉用具の事業者も参加しているんですね。本当に感心させられました。

この他にも、病院や施設の内部の様子などご紹介したいことは山ほどあるのですが、膨大な量になるので、今日はここまででご勘弁を・・・。
5月に山本友子県議もちょうど同施設を視察しているので、よろしければその時のブログも合わせてご覧ください。
尾道・広島の地域包括支援システム&みつぎ総合病院


あと10年もすれば、本格的な超高齢化社会が訪れます。
このままでは病院は入院患者で溢れ、十分な介護も医療も受けられずに在宅で寝たきりになる高齢者が、急増するでしょう。
市原市には、尾道市のような風土も山口医師のようなリーダーもいません。
ではどうすればよいのか??
幸い、この視察によって取り組みのヒントをいくつか得ることができました。
また別の機会に、折に触れてその話をしたいと思います。

皆さんの応援が励みになっています


千葉県市原市ランキング