市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

歴史と憲法から学ぶ

2017-05-13 | イベント
今日は、講演会に2カ所参加してきました。

サンプラザのⅰスペースにて、房総古代道研究会セミナー「上総国と飯香岡八幡宮


講師は、飯香岡八幡宮禰宜の平澤牧人さんです。
神社に残されている6つの歴史書に表された様々な伝承について解説していただきました。

実は、平澤さんは古事記の勉強会を月に1回八幡公民館で開いているのですが、縁あって私も出席させていただいています。非常に博識でお話がとても面白いので、知人の房総古代道研究会メンバーにご紹介したことから、今日のセミナー開催につながりました。
会場は立ち見が出るほどで、皆熱心にメモを取りながら聞き入っていました。


もう一カ所は、千葉で開かれた市民ネットワーク千葉県主催の学習会「共謀罪はなぜ凶暴なのか?」。



講師は弁護士の伊藤真さん。
法律家の育成や憲法の伝道師として活躍され、マスコミにも多数出演されています。

日本国憲法制定の経緯や目的、ドイツとの比較、帝国憲法との違いなど、憲法の本質から始まって、共謀罪の問題点、5月3日の安倍首相の改憲メッセージについてと盛りだくさんでしたが、明快でわかりやすい解説で、2時間があっという間でした。

奇しくも安倍首相自らがメッセージで「憲法は、国の未来、理想の姿を語るものです」と発信していましたが、そうであれば「今の憲法は現実にマッチしていない」という理由で改憲が必要としていることと、完全に矛盾しています。
憲法は、権力者が暴走しないよう国民が縛りをかけるために制定されたもの。
私たち一人一人が改めてその原則に立ち返り、自分たちの生活に引き寄せて考えてほしいと思います。

ここで、今日の講演資料の中で、背筋が寒くなった言葉を二つ。

わが闘争(ヒトラー)」より
「大衆の理解力は小さいが、忘却力は大きい」

ヘルマン・ゲーリング元帥
「もちろん、人々は戦争を望みません。
・・・人々を従わせるのは簡単なことです。
国民に向かって、我々は攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けているし国を危険にさらしていると非難すればよいのです。
この方法はどんな国でもうまくいきます」

もひとつ、これは先日森友学園の籠池理事長がTVインタビューで語った言葉。妙にゾッとして、印象に残りました。
「強いリーダーは必要です。でも、他に太刀打ちできる人がいないという状況は、怖いことです」

あなたの街の医療と介護のランクは?

2017-05-12 | 高齢者
都内での研修、今回のテーマは「地域包括ケアの新しい取り組み 共生型福祉施設」。



ごく簡単に言うと、
「高齢者」「障害者」「児童」「生活困窮者」と分野別にサポートするのではなく、地域で丸ごと個々のニーズに合わせたサポートをするための仕組みと具体的な実践方法について。
今後国が進めようとしている最先端の取り組みです。

こうした地方議員向けの研修は色々なところで頻繁に催されているのですが、相場は2時間で1万5千円。交通費も含めて、政務活動費からの支給が認められています。
血税を使って学ばせてもらうので、もう毎回必死です。
議会でさんざん「この事業の費用対効果は?・・・」などと質問しているクチですから、ごくまれに講師が今一つだったり講義内容が市原市の実情に合っていなかったりした日には、「貴重な時間とお金を返して!」と叫びたくなります。

でも今日は、参加して本当によかった!!
例えて言えば、合コンで好みの男性が自分の隣に座った時のあのワクワク感、期待感・・・(ちょっと違うか(笑))
「これから何かいい方向に発展しそう!さぁ、どうアプローチしよう!?」という感じ。こういう感覚になれる研修もまた滅多にないものです。

浮ついた話はこれくらいにして、現実の話を。
講師から参考資料として教えていただいたデータがショッキングだったんです。

「消滅可能性都市」を公表し話題を呼んだ日本創成会議が示した全国各地の医療と介護のレベルを、国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授が独自指標を用いて7段階でランクづけ。日本経済新聞がマップを作成して公表したものです。

まずは市原市の医療ランクから。

イエローはランク5で「全国平均レベル」。まずまずですね。

ところが。。

市原市の介護ランク

レッドは最低のランク1
2040年の段階で、需要に対する「介護ベッド準備率」がマイナス115%!?という推計です。
2040年は、ちょうど市内の高齢者の人数がピークを迎えるころです。

医療資源よりも介護資源の方が大幅に不足するという予測については、私も以前議会で発言したことがあるのですが、こうしてビジュアルで見ると、一層対策を急がねばという気持ちになります。

このデータはこちらから見ることが出来ますので、気になる方は、お住まいの地域についてぜひ確認してみてはいかがでしょうか。
「あなたの街の「介護力」は?

伝わってない・・・

2017-05-10 | お知らせ
市民ネットワーク通信 No.107」が出来上りました(^^)/



1面は、3月議会で浮上した市役所の改築・建て替え計画について取り上げました。

先日、この件について国分寺台周辺に住む方々へアンケート調査を行ったのですが、
そもそも、現在市役所の敷地内に建設中の「防災庁舎」がどういうものなのかという事すら、市役所の近くに住んでいながら、ほとんどの方が理解していない
「建て替え計画って・・・今もう建ててるんじゃないの?」
とポカンとされるので、まずそこから説明しなければならないのです。

通信でも、限られた紙面の中でその経緯を簡潔にわかりやすく表現するのに、とても苦労しました。

それにしても、
庁舎は重要な市民の財産であるはずなのに、今何を建てようとしているのかを、ほとんどの市民が知らないなんて・・・。
これからの時代、市民との協働なくして市の行政は成り立たないというのに、こんなことでいいはずがありません。

まだまだ私たちの力不足も痛感するところですが、
ともあれ、一人でも多くの方に市政に関心を持ってもらいたいとの想いで、地道に通信を配り続けていきたいと思います。

平和を祈る

2017-05-09 | イベント
「旧川在分校・学童殉難碑を囲む慰霊と平和を祈る会」に参列しました。



昭和20年5月8日、旧川在分校で、米軍戦闘機の奇襲攻撃によって罪もない児童・教師十数名が死傷するという痛ましい出来事がありました。
上の写真は、養老小学校に建てられた慰霊碑です。
養老小学校の6年生の児童も参列して、献花・黙祷を行いました。
18年前から毎年この会を主催されている方が「どんな理由があろうとも、戦争は人殺しです」と振り絞るように子どもたちに語られました。

どうかこの言葉が子どもたちの心にいつまでも残りますように・・・。

こちらが、旧川在分校跡。

唯一残った校門の門柱が、当時の悲劇を伝えているようでした。

「在宅医療対応薬局」リスト配布でお知らせ

2017-05-08 | くすり
今日は、市原市薬剤師会で2年前に作成した「在宅医療対応薬局リスト」の改訂版が出来上がったので、ほやほやのリストを抱えて市内各施設を回りました。

これがそのリストです。


皆さんは、足が不自由だったり認知症などで薬局まで通うことが出来ない方を対象に、医師の指示があれば、薬局の薬剤師が薬を自宅まで届け、服薬の相談を受けたり残薬を管理するなど、薬物治療について全面的にサポートする制度があることを知っていますか?
市原市内には、市薬剤師会に登録している薬局が約100件あるのですが、うち現在約40件がこうしたサービスに対応できるんです。
リストにはその薬局名の一覧と、「麻薬を扱っているか」「無菌調剤に対応できるか」といった情報も載せてあります。

今日持参した施設のひとつ、千葉労災病院

県内に10カ所指定されている「認知症疾患治療センター」の一つが、ここ労災病院になります。

センター長の小沢先生。リハビリテーション科で物忘れ外来も担当されています。
僭越ながら、「W小沢」のツーショット(^^ゞ。


先生は、認知症を含めた在宅医療の充実を図るため、薬剤師による訪問支援の普及については以前からとても関心を寄せて下さっています。
医師の間でもまだあまり知られていないこの制度。まず院内の医師に向けて周知を徹底させたいと仰って下さいました。
小沢先生とはこの他にも、道路交通法改正による認知症の受検者数の変化、医療情報のネットワーク化、認知症疾患治療センターの現状、認知症初期集中支援チームの進捗状況など、短い時間ながら中身の濃い情報交換ができました。

今日はこのほか、発達支援センター、辰巳病院、地域包括支援センターたつみなどを回りました。
訪問支援に対応できる市内の薬局の件数は、ここ数年で確実に増えています。利用者数が増えれば、それに応ずる薬局側の体制もさらに充実するでしょう。
市民が安心して在宅で医療や介護を受けるためにも、まずはこの制度を知ってもらうこと。
これから薬剤師会の在宅研究会のメンバーで手分けして、他の施設へも順次配布していきます(^^)/

「地域おこし協力隊」を訪ねて

2017-05-04 | 日々のあれこれ
「広報いちはら」の5月1日号。
最後のページに、「地域おこし協力隊」の高橋洋介さんの記事が掲載されています。

地域おこし協力隊とは、人口減少・高齢化に直面する地方の自治体が、都会の若者を受け入れ、地域に根ざした活動に取り組んでもらうことで、地域活性化につなげるというプロジェクトです。
例えば、地域の行事やイベントの応援、地域ブランドや地場産品の開発・販売・プロモーション、商店街活性化、 耕作放棄地再生、 環境保全活動、高齢者の生活支援などなど・・・。
総務省が音頭を取って平成21年から全国で推進していて、昨年度は約4000人の若者が約900の地方自治体で活動しました。千葉県ではいすみ市が13名もの隊員を受け入れています。
実は市原市は3大都市圏域に含まれているので、「市原市って都会?地方?」と問われれば一応「都会」なのですが、過疎化が深刻な南部地域を対象に、地方創生戦略の一環として市が隊員を募集したところ、数名の応募者の中から選ばれたのが高橋さんという訳です。

広報紙には、高橋さんの紹介とともに、こんな告知が載っていました。
古民家を改装した自宅で活動を報告。 これからの南市原について、高橋さんと考えてみませんか?』

ならばとさっそく訪ねてみました。
高橋さんの活動拠点兼ご自宅のある南市原は朝生原まで・・・。

養老渓谷駅から車で数分の集落の中にある古民家。懐かしい田舎の風景です。




広い縁側を見ると、やっぱりこうして座ってボーっとしたくなりますね(笑)



縁側に接した広間の机には、高橋さんがこれからこの地で活動したいこと、アイディアを綴った資料が、たくさん並べられてありました。


高橋さんは都内でグラフィックデザイナーとして働いてらしたのですが、元々は市原市のご出身です。場所を選ばない仕事なので、委嘱期間は3年間ですが、その後もずっとここに根を下ろして自分の職能を生かしつつ地域のために活動したいと、夢を語って下さいました。

今年度の予算では、地域おこし協力隊事業として1400万。うち協力隊への報奨金は460万。この予算で今年もう一名増員する予定です。市の事業である以上、行政が適切なサポートをして、その成果をしっかり地域に波及させていかなければなりません。
私も陰ながら自分のできることで応援していきたいと思います。

高橋さんを囲んで。


実際にお会いすると、広報の写真よりも実物の方が断然イケメン!!
まだ20代で花嫁募集中ということですが、募集なんかせずとも、若い女性が高橋さん目当てにワンサカ訪れるのでは?
・・・なんて、ついからかってしまいました(;^ω^)。

皆さんもぜひ高橋さんを訪ねて、これからの南市原について語ってみては?

船橋市「船っ子教室」視察

2017-05-03 | 子ども
船橋市、千葉市、佐倉市、柏市の市民ネットの市議や市民と一緒に、船橋市の「船っ子教室(放課後子ども教室)」を視察しました。

まだまだ誤解されている方も多いと思いますが、放課後子ども教室文科省の管轄で、すべての子どもが対象。厚労省管轄の、児童福祉法に則った共働き家庭の児童対象の「放課後児童クラブ(学童保育)」とは違うものです。
平成28年度のデータでは、全国で「放課後子ども教室」を実施している市町村は61.8%。因みに放課後児童クラブ(学童保育)は91.1%です。
文科省と厚労省は、「小1の壁」を打破するためにも、全ての児童が安全・安心に充実した放課後を過ごすことが出来るように、両事業の一体的な取組を柱にした「放課後子ども総合プラン」を、H26年度から推進しています。

ところが市原市は、「一体的な取り組み」以前に、放課後子ども教室そのものを実施していません。
全校で実施している船橋市の状況を知ることで、市原市にとっての放課後子ども教室の必要性や課題などが少しでも浮かび上がるのでは・・・と期待しての視察でした。

こちらは市立南本町小学校。


「船っ子教室」には空き教室が充てられています。




1年生から6年生まで、登録すればだれでも無料で利用できます。
開室時間は月~金の放課後から17時と、夏休みなどの学校休業日の9時から17時。土日祝日と年末年始は休みです。
非常勤の「コーディネーター」が1名と「教育活動推進員」2名で、子どもたちの自主的な活動を見守ります。







「コーディネーター」は朝から勤務して、学校との情報交換や連絡調整、教室の準備などを行います。例えば、「今日は体育館が空いているから体育館を使おう」「今日はサッカークラブが校庭を使うから、その時間は外遊びは控えよう」などと、学校の予定に合わせて活動の場所も毎日臨機応変に変えています。
また、「放課後児童クラブ」の児童が「放課後子ども教室」にやって来て、17時まで一緒に過ごしてもOKです。
ただ、やはり放課後児童クラブの方が手厚い体制で長時間預かってもらえるので、放課後児童クラブへのニーズはさほど減っていないとのこと。一応住み分けというか共存はできているようでした。

こちらは市立西海神小学校。改築したばかりで、なかなか立派な校舎です。


昇降口からではなく、こちらの外階段から入っていくと・・・


いきなり図書室!


こちらの小学校は、「船っ子教室」専用の教室というものが無くて、図書室を利用していました。
それにしても、吹き抜けの立派な図書室。解放感は抜群です。
毎回およそ50名は集まるのだそうです。



教室はないのですが、コーディネーターさん用の小さな事務室はありました。

必要な教材も普段はすべてここに置いてあって、放課後になると図書室へ運ぶのだそうです。

船っ子教室は、特にプログラムが組まれているわけではなく、基本的に活動は子どもたちの自主性に任せていました。
活動場所など、学校それぞれの状況に合わせて対応されていて、全体的にとてもフレキシブルな印象を受けました。
今後の課題は、プログラムの充実と地域ボランティアの確保とのことでした。

肝心の予算は年間約4億で、その殆どが人件費です。
これで市内54校すべて設置されているということは、市原市に置き換えると3億くらいになるでしょうか・・・。
船橋市は「放課後児童クラブ」がすべて直営であることも、「放課後子ども教室」を導入しやすかった背景にあるのかもしれません(市原市はすべて委託)。
人材の確保、場所の確保、設備の整備、保育と教育の縦割り、予算の確保と、課題は色々ありますが・・・、
いずれにしても、当面は放課後児童クラブをもっと充実させていくことが先決なのか、それとも放課後子ども教室を少しでも早く整備した方が良いのか、船橋市の実態を踏まえて、当事者市民の意見を伺いながら検討していきたいと思います。

皆さんの応援が励みになっています


千葉県市原市ランキング