遥かなる山の呼び声。
名作だよ、おっかさん。
この作品、私の中では名作ベスト3の中の一つでして、
たぶんすでに100回くらいは見ているのではないかと。
そして382回くらいは泣いていると思う。
そう思うと、
「あぁ~、思えばヒデタカくんにはこんなにちっさいころから泣かされているのねぇ~」
と温泉につかったニホンザルみたいに遠い目になってしまう。
彼はこれ以前にスクリーンで初泣きを披露していたけれども、
本格的な映画デビューはこれであるといってもいいのではないかと。
私がこの作品を始めて見たのは、まだうら若き少女時分で、テレビ放送でのことだった。
み、満男くんが出ているぞいっ!とミーハー気分で、鼻息荒く見始めたのだけれども、
すぐに話自体の中にぐいっと引き込まれた。
あの時に感じたその興奮は、今でもすごく新鮮に覚えているですね。
この作品が、私に映画の素晴らしさを教えてくれた最初の作品だったのかもしれない。
そして、「満男、おぬしやはり只者ではない。」
と強烈に思わされた最初の映画でもあったのでありまする。
良い映画というのは、全てがそこにすごく良く調和されている
そのバランスのよさなのではないかと思うのだけれども、
この作品も、脚本、演出、役者全ての歯車がカチっと気持ちよいほど良く噛み合わさっていて、
それはそれはワンダホー。
見ないと損ですたい。
それになんてたってですね、
健さんがかっちょええ~~~~っ!!!!
いや、健さんはいつもカッコええのだけれど、
ゴルゴなさーてぃーんの時でさえやはりかっこよかったけど、
しかしこの映画の中の健さんは飛びぬけてかっこええ。
こんなカッコいい人がこの世にいたのかっ、と思わず
「おお、神よ!」と天を仰ぎたくなるくらいかっちょいい。
乗馬のシーンなんて「あぁ、もうかっこよすぎでどうしよう!」
ってキューッとセーターの裾を齧っちゃうほどえっらいかっこいい。(←しつこいってかい)
そしてそこにもってきての、可愛い可愛い武志坊やですよ~。
「牧歌的」って言葉がそのまま小さな男の子になっちゃった感じ。
アイアイを歌っているシーンなんてぇ、も~う、君がアイアイじゃ!
彼が取り巻く色調は、それはそれはパストラ~ル!って感じであり、
まさに、癒しのちびっ子大将であります。
余談だけれど、この映画のDVDに含まれている特報で、
本編ではカットされているシーンが見れてごちそうさまであります。
健さんがヒデタカくんを「高いたか~い」している映像を見たときは、
卒倒するかと思ったくらい感激したでがんす。
健さん アーンド ヒデタカくん。
一粒で二度おいしいグリコの法則ですな。
願わくば、もう一度このお二方の共演映画が観てみてたい。
あぁ、観てみたいぞ~っ!!!!!
さて、この武志くんだけれど、文句なしに素晴らしい。
普通子役が出てくる映画というのは、その子役が素晴らしければ素晴らしいほど
そこにかかってくる比重が大きくなっているものだけれど、
この作品にはそういった簡易さはないし、
武志くんはきちんと登場人物の中の一人として存在している。
「子役」というより、「役者」としてそこに存在しているんですな~。
吉岡くんの演技には、おそらく彼に内在するであろうと思われる、
非常に鋭角的で直情的な感性によって、受け手の心の底を容赦なく抉り、
ありのままの、「人間」としての、いわば原始感情みたいなものを
見手に呼び覚さませる原動力があるけど、この作品の中でも、
そういったことを観客に感知させる力が、このちっさい可愛い彼の中には、
確かにかいま見られるわけで。
そういった類まれな才能を見せられると、やはり彼は、
役者になるという使命をもってこの世に生まれてきたのではないのかと、
私なんてそう思いがちになってしまうのでありまするよ。
いわずもがなの、あの武志くんラストシーン。
あの場面での、あのカウンターパンチ演技には、
「満男くん、君には一生ついて行くっ!」
と、まるっきり余計なお世話情熱を私に抱かせたのでありました。
この作品、あくのつよ~い個性的な役者さんだよ全員集合!
って感じのキャストだけれど、しかし決して誰も前に出すぎず、
自分の役の人物に息を吹きかけている。
おぉ、なんてすんばらしいのだっ!
ブラボ~ブラボ~とれびあ~んのワンダホーですよ、マダム。
とりわけその中でも特筆すべきは、ハナ肇さん。
あの人のラストシーンには、何度見ても泣かされてしまう。
この映画を一番最初に見たときに、まさか毎年かくし芸大会で
銅像になって缶で頭たたかれている人に泣かされるとは思わなかったから
更に感動倍増だった。
いやぁ~、映画って本当にいいものですね~。
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