月のカケラと君の声

大好きな役者さん吉岡秀隆さんのこと、
日々の出来事などを綴っています。

満男くん、悩める青春

2007年11月10日 | 山田監督作品



「さらば」
と言い続けて宇宙戦艦ヤマトは何度も帰ってきた。
「ジョゥワッ!」
と叫びながらウルトラ兄弟も三分間限定で地球に舞い戻り続けていた。
以外に子沢山なのね、ウルトラの母ってば。
やはり歴史は繰り返すのだ、ヘーゲルさん。

ということで、これでもかぁっ!なくらい枯葉舞散りまくる晩秋の夜、
心のホッカイロといえば、それは書くまでもなく、
満男くんリターンズ。(←書いている。)

男はつらいよ・第45作「寅次郎の青春」であります。

満男君シリーズだけに絞っていえば、
これはかなりの好き好きランク上位に位置する作品でありまする。

なんてたって、磨き出された輝く原石のような吉岡満男くん。
ってだけでも「キャイ~~~~~ン」っておはようスパンクみたいに
叫んじゃうのに、更にこりゃまた、永瀬出演ときたもんだで、おっかさん!

グリコ二粒600メートル。

おいしすぎる。
なんとツボまくりなキャスティング。さすがのツボラ~キング山田監督。
おいどんはやりもうした。いやおいどんがなにをしたわけでもなかですが、
とにかくやりもうしたのだ。感涙でごわす、うぅ。
と、作品公開当時は暮れ行く夕日にこぶしを固めて涙ぐんでいた
伴宙太な私でありやした、星君、大リーグ魔球じゃ。ストラ~イクッ。

この作品、もうのっけから、「ごっつぁんですっ!」でありまして、
シリーズ恒例、寅さん夢のシーンから幕を開けるでありますが、
この冒頭場面はもう、「参りやしたっ、山田監督っ、ははぁ~~~~っ!」
と思わずその足元にひれ伏したくなるほどの、吉岡黄金映像その748番目。

なんてっ、フフ~、たってぇ~、フフフ~、書生さん、ンフフ、姿のぉ~、
フッフフッフ~ってまともにしゃべれなくなっちゃうでねぇですか、
ノックアウトでごぜいますわよ、吉岡君ったら、フフフフフ~♪ んふ♪
ってなっちゃうほどの、ザ・おいしすぎるでしょう!

吉岡君は、着物が大層似合いなさる。
袴姿まで凛々しく着こなしてしまう。
おまけにそんな麗しいお姿で、はいからさんが通るのような泉嬢の乗る
人力車に並んで走っているっ!!!!!!!!!
おぉおおおおおお~~~~~~~~~~~走っているのだっ、満男君っ!
この走りっぷりがたまらんのだっ。切なくって、頼もしくって、凛としてて、
後姿全体から流れるような感情を飛ばしてくる走りっぷりじゃよ~。
健さんもメロスもびっくりじゃ。なぁ~んてかっちょええのだぁ、
そうじゃそうじゃそうじゃった、チミはツボラ~王子くんでもあったのだぁ。
かなわんじぇ~。

と、夢のシーンは夢のように終わり、本編始まって、きゃい~~~ん
満男君ったらまた走ってるわぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だめじゃん、満男。
全身で、でびゃれ~~~~~ん、とへたれきってるでぇ。
やはりあれは夢の走りだったのかぁ、みっちゃんよぉ~~~~。
基礎体力がないんだ、とオヤジさんに小言を言われても仕方ない走りっぷりだで。
しかしそれを演じる吉岡君は基礎土台力完全装備。
満男君を支える縁の下の力持ち。素晴らしい。そんなチミにフォ~リンラブ。

そんなこんなの相変わらずへたれキング満男君でありますが、
朝から食卓を囲んでなんだかそわそわうっきうき~。
何故かといえばそれはもう書くまでもなく、
泉ちゃんロケットモード。(←やはり書いている。)
泉ちゃん諏訪家ご招待チケットを無事に手に入れた満男君は、
きちんと目玉焼きの白身も食べてるわぁ~。
泉ちゃんはチミにとっての食生活改善理事長なのでしか?
さすがだ、満男君。人生とはとてもシンプルなものなのかもしれない、
と、君の姿を見ているとそう思うぞなもし。

さてさてその後登場した泉ちゃん、
えらく大人っぽく色っぽくなっていたのでびっくらこいたでごわす。
満男君もそんな泉ちゃんの姿に、急にドッキリドキドキしちゃったりして、
でもそんな気持ちを泉ちゃんに持ったこと対してすぐに自省しちゃったりして、
んも~満男君ったらなんて優しくて純粋でどこまでもまっすぐなのだぁ、
大好き~~ん!
しかし泉ちゃんのあんなお美しい顔でもって、
いたずらっぽい上目遣いで見つめられたら、
どんな殿方でもドキドキちゃうってもんだわな~。
満男君なんてご丁寧に階段落ちまでしちゃったわよ、まただわ、
出たでコケツボプレミア~ム! 
満男七不思議現象の一つであります。
満男君はどうやら泉ちゃんにも弱いけど、地球引力にも弱いらしい。
そんなチミの引力に魅かれっぱなしじゃよ~あたしゃ~。

とにかくこの作品でも、ヘタレパワー、天然吸引力、純情パワー、切なさパワー、
八面六臂の満男パワーで吉岡だし風味。さすがのミスター昆布つゆ。
だしが基本です。

この作品の中で、一番印象深かった場面が、
宮崎から寅伯父さんと柴又に帰ってきたあとで、
一人江戸川の堤防で黄昏の君になっている満男君の姿。
あともう少しで夕闇に変わっていく直前の茜空がとても美しく、
吉岡君は、その風景にとても綺麗に溶け込んでいるであります。
でもほ~んの僅かにだけ、前面に自分を出して、満男君の気持ちを
スクリーンにのせてきている、っていう雰囲気というか、
風景に重くのしかかっていない存在感がそこにはあって、
風景と彼の存在感がとても良いバランスで響きあっていて、
必要とされる場所に、必要なバランスで存在している、
そんな感じがするとです。

さてですね、この物語の終盤、泉ちゃんが急に名古屋へ
帰ることになってしまったことを知って、
急いで泉ちゃんのいる駅へと走る満男君。
また走っているぅ。
だみだぁ・・・も~~~う、チミは切なくなっちゃうだけでも、
まるで月時雨に憂う君、なのにその上さらに、
ナイーブランナーしているとは、ツボ多発。
七曲署の新米デカでさえ思わず太陽に「かなわねぇぞっ!」と
吠えてしまうに違いないずら、吉岡走りナイーブ版、無敵の必殺。
たまらんねーっ! 
っとなっているうちに、画面の中では、泉ちゃんと無事に会えた満男君。 

この場面、切なかです・・・・・。
泉ちゃんも、満男くんも、どっぷり切なか~。
切なすぎちゃって、呼吸困難になっちゃうのよ~んって、
ちょっとまったぁーーーーーっ、
どっどっどっどっどっどっどれみっみっみみみみみみみみみそらしどわぁ~っ!
ってそうでなくて、こうでした、
どっしゃぁ~~~~~~~っ、みつおくんがぁ~~~~~~~~~~~、
接吻なさりもうした。


はしゃぁっ
どぅわぁっ
おひぇええぃっ
フッ

ついでにクラ~。

と、思わず擬音起承転結を劇時で展開して、
ついでにエピローグまでつけてしまったくらい、
当時は衝撃的だったですば~い。今もだけど。

満男くんよ、おいどんはまた泣きもうした、よく泣くでごわす。
何にって、今度は感慨深さに泣けたであります。
いや、その涙にはティースプーン三さじくらいのジェラシ~が混入されて
おりましたが、とにかくツツ~と涙が自然と鼻から流れてしまったですばい。

あんなにちっさかった、いや最初はやたらとでかいちびっ子だったけど、
途中でいきなり縮小漂白されて画面の端に出たり入ったりしていた
まるでパンの耳みたいな存在だったちびっ子惚れさせ大将がぁ、
気付けばくちづけのお年頃。時は金なり。
青い春だわ、満男君。
人はこれを略しても略さなくても青春と呼ぶらしい。

しかし切ない。
新幹線を見送る満男君の後姿が切なすぎて泣いちゃったよ~、ぐっすん。
みんなみんなやりきれないほど切ないね~。
やりきれない切なさだから大人になっていくのかな?
それとも大人になるからやりきれなく切なくなるのかな?
どちらにしても、また大きく成長したんだねぇ、満男くん。

世の中には、理不尽なことがたっくさんあるけど、
でも理不尽なことに対して理不尽なことでやり返したりせず、
そしてそんな場所へ決して成り下がっていかないチミは
やはりとっても魅力的で芯は逞しい人なのだ。
頑張れ、負けるな、満男くん。沢山の人が応援してるよ。
自分の歩幅で自分の道をまっすぐに進んでいく君が大好きだよ~。

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