月のカケラと君の声

大好きな役者さん吉岡秀隆さんのこと、
日々の出来事などを綴っています。

左門殿でがんす

2007年07月12日 | 山田監督作品



新聞の三面記事やら社会面やら掲載恋愛小説やらに
サ~っと一通り目を通している時に、
ふっと縁側に目を移すと、
猫が陽だまりで招き猫のポーズをとっていた。
さすがじゃ、ニャンコ先生。

隠し剣に登場する左門殿は、
なんかそんな感じのお侍さんでがんす。

いや~、この作品でありますが、
まず、なんてたってキャストで号泣!

倍賞&吉岡・柴又コンビの再登場。

あぁ、生きてて良かった・・・・。(←どえらい感動)

永久保証書付き24金コンビのこのお二人、
母を訪ねて三千里のマルコだって
2856千里くらいでお手上げだよ、
ってなくらいの、おっかさんと息子の絆でありますだぁ、
満男く~ん、会いたいよ~、柴又カンバ~ック!

あ、ちが~う、今は左門殿のことを
書いているのでありました。

そうそう、お次はこれでありましたっ、
永瀬&吉岡・同画面点と点コンビ。

この作品の製作発表を最初に耳にした時は、
ぬぅわんだってぃ~~~~っ、
永瀬の親友役なのでありますかいなっ吉岡くんっ、
やっと同画面点と線コンビになるのね~っ、ィヒャッホ~ッウ、
やったぜパパっ場外ホームランでオロナミンC!

なんてなほどの浮かれっ子でありましただ。

ツボをついてくるキャスティングでありますだ~。
さすがツボ売り大将山田監督・・・。

さて、待ちに待った映画館での鑑賞時、
重々しいオープニングロールの後に映し出された
お侍さん三人衆でありますが、その姿を観た時は、
そりゃ~もう、

「永瀬はどこ?」

でありましただ。

この初場面・・・・・・
なんていうか・・・・・
自然と・・・・・・・・

吉岡くんに目がいく配置なんでねぃですかい、監督?

いやいやいやいやいやいやいやいやいや、
これはファンの欲目からではなく、あくまでも純粋に、
視覚効果の観点から書いているのでありますだっ。

一応小澤さんが真ん中に飛び出て立ってるけど、
なぜか遠近法で中心がボヤケて見えるのは
何故なのでしょうか? 気のせいなのでせうか?
なにはともあれ普通こういう場面は、
主役が左側に立つのでねぇでしょうか?
オープニングでありますですよね、これ?
思いっきり左門殿が左に位置しておりますですよ。

永瀬ってばぁ、あげな奥まった右端に・・・めじょけねぇ。
これが隠し剣ってことなのですかぃ、旦那はん?

ハッ、こ、こりは、この配置はもしや・・・・もしかして・・・・・・
秘蔵っ子愛情配置なのですか、監督?

なのだとしたら・・・だとしたらぁ・・・・
松竹には一生ついていくでありますっ。


この作品での秘蔵っ子吉岡くんは、
とても地味~であります。しかし
ひじょ~~~~に地味なのだけれども
ひじょ~~~~にメリハリのある演技をしている
「ジミーちゃんちのメリーとハリー」
なのだと思われ。

笠地蔵みたいな宗蔵はんに、やわっと起承転結の笠を
かけてあげているのがジミー左門殿なのであって、
その笠を被ることによって、笠地蔵宗蔵はんは、
雨の中、吹雪の中へも一人果敢に出向いていけるのではないのかと。

これがツボツボ大将、ヨージヤマダの狙いなのでねぃでしょうか。
そしてツボツボハンター吉岡くんは、やはり狙いを外さない。
ツボターくん、とでも命名したらよかとですか、吉岡くん?

彼は主役である永瀬の後ろに、いつも
半歩下がる形で寄り添い、支えて、引き立てているけれども、
でも決してその影に隠れすぎてもいない。
さりげな~い引きと出の強弱をつけながら、そこに
「いるよん」
という存在を貫き通している、まるで
スターウォーズのチューバッカみたいですな、
もしくは座敷わらしでも可。

ええぞぉ~っ、ヒデタカく~ん。

笑いを取るシーンにしたって、メリハリ演技で
作品に軽妙なリズムをつけているジミーくんなのだと思われ。

例えばどんがらずるのシーンでの彼は、
「はぁ~うんめぇのぉ~」で、メリ~出現。
「志乃はんがつくられたのか?」で、ハリ~幕下登場。
志乃はんが兄はんにからかわれているのに
なんだかわけわからずに同調して微笑んでいる演技で、メリメリ。
でぇこんを指差して大笑いしてしまう天然ボケ演技で、ハリハリッ。
いきなり泣き出した志乃はんに「あ、やべ」となって、メリ~ジェ~ン。
「わたしの嫁ださけ、わたしが決めることでがんす」でやんわり決めるぜ、
ミスターハリー。

更に法事のシーンもこれまた最高でがんした。
石頭おんちゃま二人攻撃から宗蔵はんを心配そうに見つめるメリー左門。
そこからさり気なく彼の横にすわって援護射撃をするハリー左門。
あっちゃけ!といわれてメローに憤慨メリリン左門。
その後すぐに、やっべ、また地雷を踏んじまっただ、となって
ギョエっとハリーに俯きメリーでキョロちゃんハリーでメリーもいるよ、
早送りメリハリ。

最高すぎるっス、吉岡どの、フッ、こりだから君ってばよ。(←って何がっ?!)


この作品の、というか、山田監督作品の中での
吉岡くんは、とても温かい感じがするでありやす。
なんか、子供の午睡を見ているのような感じというか、
ほんわりと温泉に入った後みたいな感じというか、
そういった和らぎみたいなものが内に続いていく、
そんな温かさが根底に流れているように感じられるのであります。

重くのしかかるシーンであっても、ただその錘を
ドボ~ンと投げ沈めてあばよ、というのではなくて、
錘を落とした後に出来る波状の余韻を、
ゆっくりと、やわらかく、けれどもしっかりと、
彼の持つ温度で観客に伝えることの出来る人なのだと思われ。

それは、きえを連れ戻した後、夜の帳がおりた宗蔵の家の前で
手提げ提灯を持ちながら志乃はんを待って一緒に帰る場面や、
「きえをなんとかしぇ」と城門口で宗蔵はんに切り込んでいく演技にも
よく現れているのではないだろうか、と私は思うのでがんすでやんす。

さすが松竹山田道場出身だぁ~、基礎工事がしっかりしてるぜよぉ。

いい役者さんですだぁ、ほんとに・・・。

これからが楽しみな役者さんだでぇ~・・・・って、
思い起こせば、彼のファンになってからずっと、
「これからが楽しみな役者さんだわ~」って
同じことを言い続けているような気がするですばい。

それって、彼が決して「ここまで」っていう
限界線みたいなものを、その演技に見せた事が
ないからなのかもしれない。

いつだって最高の演技で魅せてくれる彼だけれども、
しかしそこで止まったりしない人でありますだ。

いつでも、いつだって、「そこ」から「この先」へと
遥か遠くの水平線を仰ぎ見ることの楽しみをも
与えてくれるお人なのだと思うであります。

いつもいつも、ありがと~、吉岡く~ん。
大好きやで。

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2 コメント

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同じく、柴又カンバ~ック! (さくら)
2007-07-12 11:33:23
会いたいね。満男君!

wind-mountainさん、こんにちは!
また来ちゃいました~!

>吉岡くんに目がいく配置なんでねぃですかい、監督?

これは絶対に贔屓目なしでも、そうであると思われ!
山田監督と長沼キャメラマンの心が見えたシーンかも。
う~ん!頷けます!

隠し剣、クライマックスの城内の廊下で
「動かすな!医者を呼べ!」
って言ってるの、左門ですよね?

彼はまさしく名優だなぁ~。と感じる瞬間だと…
どう思われます?
返信する
やっぱりそう思われますよね! (wind-mountain)
2007-07-13 07:10:11
さくらさ~ん、いらっしゃいましぃ~♪
こんにちは~。

やっぱりあの配置は愛情配置ですよねっ!
よかったぁ~、同じこと思っているお方がいて。

「動かすな、医者を呼べ!」って言ってるのは
左門どのだと思われます。

「ご家老?」
「ご家老?」
って繰り返す台詞が、さすがの声違いトーンですよね。
それで「動かすな、医者を呼べ!」
で「ビシッ!」と場面を引き締めてくる。

表情も暗くて遠めで読めないのに、
たった三つの台詞と、硬直した姿勢や、そこから動かす仕種で、
左門殿の狼狽感やシーンの緊張感を伝えてくる吉岡殿。

間違いなく名優くんだと思いますだ。


そしてもう一度、その名優くんの満男くんにも会いたいよね~。
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