紅の花からちょっと巻き戻ってみまして、
「男はつらいよ」第42作。
どうも私のブログは、
話題があっちゃ~いったりこっちゃ~いったり
落ち着きがないので、ここらで一旦、
満男くんシリーズは原点に戻って、
42作目から書いていきたいと思いますです。
「男はつらいよ」第42作、ぼくの伯父さん。
吉岡くんサナギ時代の作品であります。
そして実質的な彼の初主演作なのだと思われ。
んがしかし、公開当時は
「ゴクミマドンナ、寅さん一緒に大集合!」
ドバ~ンッ!
と大宣伝していたこの作品。
なんでやねんなっ!
「ぼく」の伯父さんって、
わざわざその副題に付いているでねぃですかぁ。
満男くんを忘れているのではねぃですかっ、え?!
なんでゴクミばっかりぃ~っ、きぃ~~~~~~~~っ!
とアングリーモードで地団駄ふんでシコまで踏んじゃっていたものの、
しかし論破できない自分が悲しい・・・・。
と、ひそかに悲しみのブルースを歌っていた満男くんファンは、
私を含み日本全国津々浦々散らばっていたに違いない・・・
はずだぁ。
しかし現在、
今の吉岡くんを見よっ、どんなもんじゃっ、
ムフハハッハッハッハッハ~でヨ~~~ロレイヒ~~~~!
と仁王立ちスキップしながら
喜びのヨーデルを歌っている満男くんファンも、
日本全国、海峡を越えた大陸までにも沢山いるに違いない。
(↑そこまで突き抜けている人は珍しいらしい・・・)
やったのぉ、満男っ、何度も書くが、
おいちゃんは嬉しぃぞっ!
さてこの「満男シリーズ第一弾」でありますが、
しかしやはり・・・正直言って・・・・・、
何でわざわざ相手が国民的美少女なのでしか、山田監督?
すでに叶わぬ恋なのかぁ・・・満男くんよ~、うぅ・・・・。
と当時は涙目にならずにはいられなかった、
ずばりバリバリ寅遺伝子キャスティング・・・。
んがしかし蓋を開けてみれば、
なんだか全く説得力がないような二人なのに、
なんだかものすごい納得力のある青春ど真ん中カップルっ!
とジャイアンツの王さんもお手上げの大逆転ホームランで森のうた、
ついでにナボナもよろしく。
という感じでありましただ、さすがじゃ、山田監督。
国民的美少女泉ちゃんとサナギな満男くん。
応援せずにはいられない、ほのぼの純愛カップルの
登場でありました~。
吉岡くんは、
決してあくの強い顔の持ち主ではないし、
あくの強い雰囲気を持ってもいないけれど、
しかし、
あくの強~い女優さんたちのあくを和らげて、
かつ相手の魅力を引き出しながら、
自分はそこから一歩も引けをとることなく、
あくを全く出さずに自分のもち味を十分に滲み出している、って
まるで半紙のような人ですねぃ、チミ。
神業じゃ、ヒデタカくんっ!
あくを出さない、
こりは難しいですぞい。
煮込めば煮込む程、出てきてしまうあくであります。
このふつふつ湧き上がる役者あくみたいなものを、
片時も微塵もその演技に見せない吉岡くん。
達人じゃ~、吉岡くんよ。
君はあく掬いチャンピオンで全国行脚できるに違いない。
できれば一緒にお供したいわ、きび団子がなくったって
ついていくわよ、どこまでも。
吉岡くんには、
「あく」というものが全くないし、
お相手の女優さんのあくを吸い取って蒸発させてしまえる
確かな演技力と、そこにしっかりと根付いた
空気のような確かな存在感があるから、
だからこそ彼は、どんな女優さんと一緒に演じても、
何の違和感も厭味も感じさせることなしに、
等身大の人物のまま、すっ、と
相手に自然に寄り添うことができるのではねぃでしょうか、と
推測するのだ明智君。
こりが、名優というものじゃの~。
しかも吉岡くんは当時20歳前じゃよ、わんだほ~。
泣けるぜよ、君の才能と努力に・・・。
この作品の中で、なにが一番ググ~っと
心に響いたか、というと、
冒頭での満男ナレーションであります。
「伯父さんは、生まれつき人に親切だ。」
から始まる満男ナレーション。
純じゃないぜよ、おやっさん。
このナレーションは、
もちろん純くんでもないし、吉岡くん自身でもない、
あくまでも「満男くん」。
そんなもんどれも同じに喋ってるだけじゃね~か、
と思われるそこのジェントルメ~ンッ!
チッチッチッチ、
ふっ、甘いな、お主。
満男くんと純君のナレーションはね、
きちんと聴かなくたって、きちんと明白な違いが出ているんじゃ、うりゃ~!
ナレーションとは、
声音で勝負でありますだ。
そしてそれをのせてくるキャラクターで、
難易度分け。
なのだと思われ。
青年吉岡くんは、
純くん語りで、
タイヤから空気が微かにスワ~っと漏れているような、
低音アンニュイ語尾フェードアウト型で底がない響き。
満男くん語りで、
気の抜けたファンタグレープみたいな気合のなさで、
低音だらりん語句はっきり句読点付き型で底がある響き。
純くんと満男くんの語り口を、
根っこから違えているわけでありまっせ、ジェントルメンよぉ。
しかも吉岡くんは、その語り口の違いを
決して大げさには変えていないわけであり。
↑
ここですっ、ここなのですだば、神業ナレーションの醍醐味!
満男くんと純くんは、
そのキャラ基盤がおおげさに描かれていない人物たちであり、
この二人はあくまでも、
「普通ですから、どうぞよろしく。」
という日本全国青年団その98643、及びに98662番目、
といっても過言ではないほどの、
どうにもこうにもリンダまいっちゃうほどの普通キャラ。
この普通キャラのナレーションというのが
どすこい難易度なのだと思うのですぜ、おやっさん。
どこまでもいっても普通の兄ちゃん二人の声を、
どこまでいっても普通に表現し分けている、
尋常じゃないナレーション技なのじゃ~、どりゃ~っ!
吉岡くんは、普通の男の子二人の心情を、
まるで普段着感覚で語ってくるわけで。
そしてその普段着は、純君と満男くんで
「さりげな~く」着替えているわけで。
さりげないから、その違いが気にならない。
気にならないから、すっとそのまま心に入ってくる。
すっと心に入ってくるから、人物そのものとしての語り口を
しっかり伝えてくる。
しかし決して大げさではない。
ブラボ~~~~~~、さりげ大王ヒデタカく~~~~んっ。
惚れちゃうんだよ、まったくもーーーーーーっ!
と、我思う夏の空。
想いも文章も、つづく・・・
であります。
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