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SMの成功体験

2019-02-01 19:36:23 | 日記
小売業の世界では、業態間の争いが続いています。
とりわけ、食品マーケットをめぐる争いが激しいようです。
過去、市場を独占していたSM(食品スーパー)に、コンビニとドラッグストアが挑む構図です。
特にDrgsが、見方によっては各社で常軌を逸するほどの出店競争を続けており、SMの商圏を侵食し続けています。
そんな現状認識の中で・・
中途入社社員はこう考えています。

◆SMは過去の成功体験から抜け出せていないのでは?
 中京地域一番のSM企業の社長さんは、こんな発言を・・・
 
 Drgs(ドラッグストア)は、たしかに今一番成長している。
 しかしそれは、SMが隙をみせていたからであって、DrgsがSMにとってかわるということはあり得ない。
 Drgsの食品売場はまもなくお客さんから見放される時が来る。
 お客さんがSMに回帰するということだ。
 我々SMは、急ピッチで改装(リニューアル)を行い、各カテゴリーを強化した強力な売場つくりを進めている。
 Drgsの食品品揃えや、知見ではお客さんの満足を得ることは難しいだろうな。
 Drgsの出店には、急ブレーキがかかるだろう。

 この発言が、負け惜しみや株価対策でなく、本気の発言であったならば、過去の成功体験に囚われてような気がします。
 主婦の夕食調理時間は、30年前は60分、それが10年前には30分、現在では15分と言われています。
 この時間は、減ることはあっても増えることはないでしょう。
 なぜか、それは働く女性が増えたからでしょう。
 主婦は忙しいのです。調理時間を短縮したいのです。そして、買物にかける時間も短縮したいのです。
 この社長さんをはじめ、SMのボードメンバーの方々は、こんな成功体験をお持ちでは?
 
 競合に打ち勝つためには、幅広く魅力的な品揃え、適正価格、クリンリネスの徹底、親切なサービス等が必須条件だ。 
 
 ワークの私見はこうです。
 SM必須の4条件は、現在でも成立します、ただしそれらは劣後です。
 現在の最優先事項は時間短縮です。
 自宅から近い、もしくは勤務からの帰り道で近い、店内が適度に狭い、レジが込まない。
 こういった考えで、Drgsが利用されていると考えるべきです。
 今時、30分も60分もかけて食事を作るのは、年に数回息子夫婦と孫が来るときだけです。
 夫婦だけの食卓は、Drgsの総菜とグロサリーを皿に乗せれば終わりです。

 では、SMはどうする?
 役割を分けるべきでしょうね。基幹店とそれ以外を。
 基幹店は、社長さんのおっしゃる方向で。
 それ以外の店舗は、Drgsに近い形態にすべきでしょう。
 SMには、アドバンテージがあります。それは積み重ねた商品への知見と、はりめぐらせた物流網です。
 自社のPCも強みと言えるでしょう。
 Drgsよりも早く、Drgsに近い新型SMも出店していきたいものです。
 それが基幹店を通じて、日本の食文化が守られることに繋がると信じます。