つぶやき、遊び・仕事・日常

一日の出来事のあれこれを雑多に記録していきます

そうは問屋が卸す

2019-02-17 18:28:16 | 日記
小売業というのは、安く仕入れた商品(原価)に粗利をのせて(売価)販売しますよね。
この売買差益(粗利)を得て、そこから各種の経費を差し引いて、営業利益を得ます。
この仕入れる商品は、メーカーが作ったものを、問屋さんを経由して仕入れます。
ここで疑問です。
たぶん問屋さんも利益を抜いているので、小売りはメーカーから直接仕入れれば安く仕入れらるんじゃないかな。
その通りなんですが、小売りが相当に強大でいわゆるバイイングパワーが大きくないとそれは無理みたいです。
あと、仕入れのロット(販売商品量)の問題もあります。
最低単位が10tトラック1車ですから、中小ではなかなかむつかしいです。
そこに、さほど強大ではないスーパーがここに挑戦しました。

◆問屋を通さねばならぬなら問屋を作ってしまえ!!
 問屋さんというのは、日本の長い商慣習の中で定着しています。
 その機能は、在庫管理・小分け機能・取引先の与信管理・集金業務・金融機能・販促支援・リベート配分等々多岐にわたります。
 したがって、メーカーは小売り直取引には極めて硬い姿勢で拒否します。
 そこで・・・
 あるスーパーが、「だったらウチは、明日から問屋も始めることにする。だからもっと安く商品を流してくれ。」
 いやいやそれはダメです。小売りと問屋は違います。仕切値も当然に違います。それをやるとわが社の商流が混乱します。
 「だったら、問屋(商社・総代理店)をつくるから、そこに商品を問屋価格で流してくれ。」
 それでしたら、可能性はあります。でも、いきなり帳合は無理です。実績を積んで、誰から見ても問屋になればOKです。
 そこで、このスーパーは子会社を作り問屋(商社・総代理店)機能を持たせ、自社の仕入れの什器備品をここを通し実績を積んだ。

 すると直ぐに、驚くべき効果が表れた。
 普通、親会社の取引に子会社が介在すると、本来得られる親会社の利益を子会社が中抜きし、親会社からの天下り社員の人件費
 としたり、親会社ボードメンバーの経費処理を担当したりといったケースが多いのだが。
 問屋価格と小売価格の差が大きいため、子会社が利益を抜いて親会社に商品を納めても、親会社は価格が下がるのです。
 まるで、手品のようです。2重に儲かるのです。

 この理由は、冒頭の本来問屋が果たすべき機能(在庫管理・小分け機能・与信管理・集金・金融・販促等)がまったく不要だからです。
 さらに子会社自身も、親会社の格付けで資金調達(TIBOR+0.25%)が可能です。
 これらが軌道に乗り、実績が十分に積まれ、現在では商品仕入れだけでなく、●ナソニックや●フピコまでも直取引です。
 さらには、グループ外の企業にも販売するほどの勢いになっているのだそうです。

 ここでの教訓は、問屋機能のことは誰でも知っていたことです。
 その前例に囚われることなく、そうは問屋が卸さないならば、なんとか卸すようにしてやる!!
 との、固い決意が日本の岩盤商慣習にドリルで穴を穿ったのです。
 できるかできないかを事前に斟酌するのでなく、先にやると決める、この意思決定が重要なのですね。
 なお、この仕組みづくりは社長さん(元メーカー出身らしい)が、陣頭指揮したそうです。
 たとえ無茶振りされても、こういう社長さんにはついていきたいものですね。