どうせ長くて十年、下手すれば、来年、今年中のことも知れない寿命だ。
せいぜい、のんびりと暮らすことだ。この世の貸しも借りも、さっぱり忘れた心持ちで毎日おくることだ。
「昼は歩け。夜は読め。」とKは、近来頻りに、そんな号令を自分にかけている。
川崎長太郎「抹香町」
どうせ長くて十年、下手すれば、来年、今年中のことも知れない寿命だ。
せいぜい、のんびりと暮らすことだ。この世の貸しも借りも、さっぱり忘れた心持ちで毎日おくることだ。
「昼は歩け。夜は読め。」とKは、近来頻りに、そんな号令を自分にかけている。
川崎長太郎「抹香町」