風とともに走れよ自転車

旅日記。今の自分のモノローグ。

お茶ノ水またね

2021年02月10日 | 日記
お茶ノ水の楽器店。
通りには何軒も楽器店がひしめいている。
エレキギターを扱っている店が多い。
その中で弦楽器店が2軒ある。
僕らは先ずK3バイオリン店に入っていった。
ズラリとならぶチェロ。
イタリアンチェロの数々。
店のひとは彼を奥の椅子に座らせて、
チェロを次々持ってくる。
ここでも彼のバッハ1 小節を聞くことに。
イタリアンは試奏しない。
いやさせてもらえないというのが事実だ。
まあスニーカーでよれよれのGパンの
出立ちに足もと見られたかもしれない。
相変わらずバッハのアリオーソ3小節と
白鳥3小節を行ったり来たりの試奏に終始している彼の顔は、ここでも決める気持ちがないことが分かる。
彼の背後には800万円値札のついたチェロが鎮座している。
何が違うの。
35万円のmade in Chinaと。

彼はろくすっぽ弾けないのに、
音の通ぶるところがタマニキズだ。
ここでも何台かのチェロを弾いた、
いや音を出して一番気に入ったのを彼が選んだのは
なんと価格一番安いものだった。
彼のmade in Chinaとほぼ同じ価格。
マスターは敢えて値札を見せないで彼に弾かせたのだ。
うまいやり方だな。
値段からくる先入観を遮断させて選ばせる。
誠意がある対応ではないかとひとり思う。
まあ、それにしても音の好みは人さまざまで、
よくわからない。
あの800万円のチェロだって、
どんなもんだろうね。
イタリアの職人が亡くなって価値倍増らしい。
これ絵の世界と同じだ。
この世界は素人が近づくなと言うことか。

熱心に応対してくれたマスターにはすまないが、僕らはこの店を後にした。

結局、
楽器店冷やかしのお供でした。
だけど、何台ものチェロの音出しを楽しむことができた。
お茶ノ水さようなら(^^)/~~~


僕らのチェロ探しはまだ続くのだろうか。

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そして楽器の聖地、お茶ノ水へ

2021年02月09日 | 日記
そして楽器の聖地、お茶ノ水へ

池袋から地下鉄丸ノ内線で御茶ノ水へ行く。
彼が学生時代にお世話になった地下鉄。
乗るたびに1995年のサリン事件が脳裏をかすめるが。

茗荷谷駅を出ると車窓がパット明るくなり後楽園の
冬景色が広がる。
まばゆいばかりの冬晴れだ。
TOPPANのビルが見える。
毎年音楽コンクールが行われるところだ。
去年は無観客で実施されたようだ。残念。
こんな明るい世界なのに
見えないコロナウイルスが
飛び交っているのだ。ウ~ン。

車内は意外にも混んでいた。
無言。マスク。スマホ。

御茶ノ水駅の階段を上って外に出る。
そこは東京医科歯科大学の出入り口だ。
ふり仰ぎみるデカイ病院。
今日も感染者が搬送されているのだろうか。

お茶ノ水橋を渡りながら彼はマスクのなかから話しかけてきた。
この橋から眺めるお茶ノ水の光景が好きと言う。
なるほど下には神田川が流れて、地下鉄の列車も見える。JR御茶ノ水駅のポラットホームの人も見える。立体的な構造が面白いと言う。

そう

僕らはこの地で闘ったのだ。
もうずっと昔に。
見えない権力と。
行き場のない憤怒に燃えて。
泣いて笑ってへし折れて。
フラフラになって。
向こうに見える聖橋から身を投げた奴もいた。
朝まで激論場の喫茶店はもうないか。

僕らはK3弦楽器店に入っていった。

2階のチェロ専門フロアーには、両方の壁にチェロがずらりと展示されていたのだ。



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アマビエとシヴァ神

2021年02月09日 | 日記
アマビエとシヴァ神

古来、疫病との戦いだったと言う人の歴史。
キリスト教圏では神への祈りが救いの道だったのだろう。疫病がどこから来るのかわからない時代、犠牲になったら無数の人命があったという。イケニエ。

日本の神頼みは近代ではアマビエらしい。
古来いろいろな祭事がなされてきたと思うが。

先日、所属している市民オーケストラから演奏会の中止の連絡がはいった。予想はしていたけど甘んじるしかない。自分は、極少数派で演奏会開催に票を入れた。自分の事の認識の浅さを知ることになった。

今は神頼みするしかない。
手の内はヒンドゥー教の主神シヴァだ。
インドを旅したとき出会った置物。
オトコマエだな。
破壊と創造の神という。
強そうだ、今は祈るしかない。
科学の叡智でコロナ禍を克服することを期待しつつ。




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チェロさがしのお供

2021年02月08日 | 日記
友人の付き合いで、
都心まで楽器店へ行く。
彼はチェロを趣味としている。
定年後は再任用をことわりただ自分の命じるままに暮らしてきたという。
要するに好きなことだけしかしていないということだ。
彼のふところはどうなっているのか、
常々不思議に思っていた。
宮仕えも長かったので、それなりの退職金も得たはずだが、その大部分が消えたと言っていた。
何で消えていったのか、
彼は多くは語らないが多分現役時代の借金のようだ。
スッカラカンまでは至らなかったが、
その後も彼の浪費癖は治らなかったようで今では
厳しいふところ状態だろう。
まあ年金暮らしができているのだから、
このご時世ありがたいものだけど。

贅沢はできないはずの彼は、
なんとチェロをもう一台所望しているのだ。
呆れてものも言えないとはこのことか。
一体何様?
ろくすっぽ弾けないくせに。
それにしても、
彼の煩悩は未だ衰えずと言ったところか。

まあ
それでも長い付き合いの身として、
お供をするはめになってしまったのだ。

東京は池袋。
武蔵国埼玉からは直通40分。
近い。
故にコロナ感染も同舟ということだ。
少しは感染者が減ってきたと言うけど。
ボクラは完全装備で電車に乗る。
昼前の電車は乗客もまばらだけど、
用心に越したことはない。
全員マスクで無言の車内はシュールに近い。
冬というのに窓のすきまからシューと風も入ってくる。
彼のマスクから小さな声が聞こえる。
実はカミさんには言ってないとつぶやく。
まあ世間の家庭はそんなもんだろう。
やりくり生活の年金生活者にとって
さしあたって生活にいるものでもない、
謂わば贅沢品の楽器など手放しで認めてもらえる
はずがない。
と言うことは、
お供している自分は共犯者か。
彼の奥さんの性格を知っているものとして、
これはピンチだ。
彼女は、生真面目なところと鷹揚なところと、
2つ併せ持つ不思議な人だ。
音楽に理解はあると聞いている。
彼のバカさ加減を楽しんでるようなところも
見受けられるので、
まあほっときましょう。
二人にとって自分は部外者ですから。

かくして、
二人のおっさんは花の東京池袋に到着。

先ず、K楽器店へ。
すいませんチェロは上の階ですか。
いやチェロ置いてないです。
渋谷店に行きました。

続いて、
K2楽器店へ。
ここは予め電話を入れておいたようで、
次々試奏させてくれた。
彼は自前の弓を持参してきたので
開放弦を鳴らしたあとぎこちなく
例のバッハ無伴奏の1小節だけ弾く。
何回も、彼はその次がないのだ。
1小節だけ。おまけに、かすれた音で
聞いているこっちが恥ずかしくなってきた。

店主が、同じチェロを優美に奏でるではないですか。
年代物のチェロと言う。
3台のチェロが用意されていたけど、
3台のチェロを次々試奏しては困惑の顔を見せる彼を見ていると、
こちらもなんと言っていいかわからない。
なんのためにお供してきたのだろう。
新しい楽器より長年弾き込んできた方が、
好みの音に聞こえたが、
彼はためらっている。
値段の問題か、それとも埼玉の弦楽器工房で
オーダーの考えがちらついてにやけているのか。
そのどっちもだろうな。

店主は丁寧に対応してくださったが、
ボクラはその店を後にした。

次はどこに行くのか。
彼について行くしかない。
そう
ボクラ共通の好きなところ、
楽器の聖地御茶ノ水へ。








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