お茶ノ水の楽器店。
通りには何軒も楽器店がひしめいている。
エレキギターを扱っている店が多い。
その中で弦楽器店が2軒ある。
僕らは先ずK3バイオリン店に入っていった。
ズラリとならぶチェロ。
イタリアンチェロの数々。
店のひとは彼を奥の椅子に座らせて、
チェロを次々持ってくる。
ここでも彼のバッハ1 小節を聞くことに。
イタリアンは試奏しない。
いやさせてもらえないというのが事実だ。
まあスニーカーでよれよれのGパンの
出立ちに足もと見られたかもしれない。
相変わらずバッハのアリオーソ3小節と
白鳥3小節を行ったり来たりの試奏に終始している彼の顔は、ここでも決める気持ちがないことが分かる。
彼の背後には800万円値札のついたチェロが鎮座している。
何が違うの。
35万円のmade in Chinaと。
彼はろくすっぽ弾けないのに、
音の通ぶるところがタマニキズだ。
ここでも何台かのチェロを弾いた、
いや音を出して一番気に入ったのを彼が選んだのは
なんと価格一番安いものだった。
彼のmade in Chinaとほぼ同じ価格。
マスターは敢えて値札を見せないで彼に弾かせたのだ。
うまいやり方だな。
値段からくる先入観を遮断させて選ばせる。
誠意がある対応ではないかとひとり思う。
まあ、それにしても音の好みは人さまざまで、
よくわからない。
あの800万円のチェロだって、
どんなもんだろうね。
イタリアの職人が亡くなって価値倍増らしい。
これ絵の世界と同じだ。
この世界は素人が近づくなと言うことか。
熱心に応対してくれたマスターにはすまないが、僕らはこの店を後にした。
結局、
楽器店冷やかしのお供でした。
だけど、何台ものチェロの音出しを楽しむことができた。
お茶ノ水さようなら(^^)/~~~
僕らのチェロ探しはまだ続くのだろうか。