オーケストラの選曲あれやこれや
所属している市民オーケストラは、
定期演奏会のメイン曲はすべての団員の投票で決まる。
民主的でとてもよい。
昨年暮れの演奏会では、自分はヴェートーベン「運命」を
ノミネートした。4曲候補があったが決選投票の結果、
「運命」が選ばれた。
自分の選んだ曲が選ばれると嬉しいものだ。
この曲が選ばれるのにはたぶん伏線があったように思う。
それは、春の演奏会では、ラフマニノフ交響曲2番という、
長大にして難曲だったので、疲れたのだ。
それでこのすっきり明確な「運命」を
選ぶというベクトルが作用したのでは、と。
ラフマニノフは1時間、「運命」は30分。
チェロの仲間は、自分がノミネートした曲が選ばれたので、
ボクをトップ横の椅子(1pull)をすすめた。
これはれっきとしたイジメ(笑)なのだ。
初心者のボクが一番前の席などありえない。
実際、この曲もなかなかむつかしい。
有名な曲ゆえに弾けると甘く見ていた自分が哀れだ。
昨年12月の演奏会はたくさんのお客さんが来られた。
ほぼ満席になった。
本当に、ありがたい。
そして、この春の演奏会の選曲が始まった。
結果は、チャイコフスキー交響曲5番だ。
ボクは、ブラームスを投票したが。
選曲のプレゼンテーションでは自分の意見をのべた。
ウクライナを侵略しているロシア作曲家の曲を選ぶ理由を問うた。
もちろん、芸術に国境はないと付け加えたが。
今にしておもえば、意見ではなく質問だった。
プレゼンテーターはやや興奮気味で返答した。
少しの気まずさが残った。仕方のないことだ。
チャイコフスキーの曲が選ばれた。
圧倒的多数ではない票の結果だったが、
この交響曲を演奏できることは嬉しいことだ。
決まったことは精一杯取り組もう。
ロシアによる不条理かつ悲惨な戦争が止むことを祈りつつ。