NHK 「知るを楽しむ」 ~私のこだわり人物伝~ を見ました。
話し手は三輪明宏さん、寺山修司について語っていました
全部で4回あったのですが、私が見たのは先週と昨日の2回。
昨日が最終回でした。
タイトルが「百年たったら意味ワカル」
その前の週が「ハハ地獄」
寺山修司というと、私の中ではなんだか暗~い、重~い、ちょっと不気味…
よく判らない存在だった。
でも、ずいぶん前、衛星放送が始まったころ、気がついたらオペラに填ってて…
特に初めて映像となった、バイロイト音楽祭のパトリス・シェロー演出「ニーベルングの指輪」には夢中になりました。
その頃知った本が、新書館から出ている、ワーグナーオペラシリーズ「ラインの黄金」でした。
リヒャルト・ワーグナー作、寺山修司訳、アーサー・ラッカム絵
最初はアーサー・ラッカムの雰囲気のある、素敵な絵に惹かれた…
そして、訳者が寺山修司だったことが凄く意外でした。
で、読んでみると…
もう、ワーグナーの世界に寺山修司の言葉が見事にはまってました!
というか、彼の言葉で表現されてた。
すごい!と思いました。
厳密にいえばかなり意訳になるのだと思う。
でも、雰囲気がとにかくぴったりで、読んでて場面が、川底の世界の様子が、目の前にあるようでした。
その時から、「寺山修司」という人が私の中では身近になりました。
と言っても、舞台を見に行く、とかはしなかったし、本とかも読んでないし、映像とかもちょっと怖かったり、で深く知ろうということはなかったんですけど…
私にはこの「ラインの黄金」で充分だった。
奥付を見ると、この本の初版発行が、1983年4月10日、寺山修司の命日の約一ヶ月前。
あとがきには、
これはまだほんのはじまりに過ぎない。この先を楽しみにして待っていてほしい、という彼の言葉があります…
そうだよね…
この後、「ワルキューレ」、「ジークフリート」、「神々の黄昏」…
と、考えただけでも、わくわくするような本ができたのかもしれない、いや、絶対できたはず、と思うと、残念でなりません。
彼も楽しみにしてたんじゃないかな…と思います。
あとがき読むと、それがよくわかる。
検索してみたら、すでにこのシリーズは品切れ状態。
というか、もう、作らないのかな…
新しい版に替わってるみたいだし。
でも、絵がないのね…
あの「絵」がよかったのに!
残念!