今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

ウンターリンデン美術館

2007-12-11 23:25:05 | 日記・エッセイ・コラム
この前フランスに行った時、最後の日に訪れた街、コルマール。
あまり時間がなかったんですけど、ウンターリンデン美術館に行きました。
「イーゼンハイムの祭壇画」というのが有名で、見てみよう、ということになって。
描いたのはマティアス・グリューネバルト。

  ↓
こちら

絵の説明もあります。
赤ピンのところをクリック!

祭壇画なので、観音開きの扉のところに描かれた絵なんですね。
それが3重になっていて、展示ではそれぞれ別々にしてありました。
凄く大きいんですよ。

最初の磔刑図が凄い。リアルな描写で。キリスト=神、というイメージですが、これはどこから見ても一人の人間の最後の姿。
生々しく‘死’を描いています。
聖母マリアも‘聖母’ではなく、ただの普通の一人の母です。
そんなところが見る人に共感を持たれるんでしょうか。
私はちょっとこの絵は怖かった。
しかし、なんだか、見入ってしまう。
きっと、‘一人の人間の死’というものをこれほどリアルに描く、ということが日本では無いのかな、という気もしました。


そして、第二面は磔刑にかけられたキリストが復活してる絵。
磔刑図とはえらく違う。
磔刑図とバランスをとってるんでしょうか。
厳しい現実と希望と。


一番奥の祭壇の横の絵は面白かった。なんていうと不謹慎でしょうか。
いろいろな怪獣というか、化け物が、グロテスクに描かれていて、解説にもあるけど、ボッスの絵と共通点がありますよね。

この磔刑図はもともと修道院で施療院でもあったところにあった、ということなのですが、どうしてこういう絵が施療院とかに置いてあるのか、私にはちょっと理解できない。
磔刑図が病気の苦しみを和らげる、というよりはキリストの苦しみと同化して、少しでも痛みに耐えることができるように、ということなのでしょうか。
そして、キリストが復活するように、希望もあるんだ、ということでしょうか。
宗教が人々の救いであり、教えであり、生活の基盤になっている…そんなことを感じました。
日本では仏像を作ったり、どっちかっていうと、平和な来世のみを強調してるけど、ヨーロッパ的には違うんだなあと。


この祭壇画のあるところは、とにかく寒かったです。。
息が白く見えてましたから。
天井が高いし、石でできてるから、冷蔵庫に中にいるみたいでした。
今、思い出しても…ぶるぶる