今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

MITSUKO~愛は国境を越えて~

2011-06-19 09:03:17 | 安蘭けい
Mitsukoa

脚本・作詞・演出  小池修一郎
作曲 フランク・ワイルドホーン
出演 安蘭けい、マテ・カマラス、ジュリアン、AKANE Liv、増沢望 他
場所 青山劇場


昨日、6月18日(土)12:30の回を観てきました。
昨年のコンサートでは、豪華なメンバーが揃い、ルカス・ぺルマンくんや井上芳雄くんのドイツ語の「パン・ヨーロッパ」、マテと瞳子さんの「愛は国境を越えて」がとっても素敵でした。

そのミュージカル「MITSUKO」の全貌が観られる舞台。ということで、とっても楽しみでした。
席がかなり前方で、初見の私にとってはちょっと良すぎるくらいな席で…いや、贅沢は言えませんが。
もう少し全体的に観たかったなあ。迫力に圧倒されて、見上げることが多くて。

と、贅沢な悩みはこれくらいにして…と。




























































前半は瞳子さん扮するミツコとマテさん扮するハインリッヒの出会い、周囲の猛反対を押し切っての国際結婚、ハインリッヒの国許へ帰っての生活、子育て、親戚との軋轢、ハインリッヒの死、ウィーンに子供を連れて出るまでのことが盛りだくさんに語られる。

後半はどちらかというと、子供たちが中心。ハインリヒとミツコの子供たちだけあって、独立心旺盛でミツコの元を離れていく子供たちと、孤独感を深め、孤立していくミツコの姿が描かれます。

ミツコは歴史上に名を残しているような偉人的な人ではありません。
日本で初の国際結婚といっても、ハインリッヒに愛され、その愛にまっすぐ突き進んだ一人の女性、だと思うんです。
結果的にハインリッヒが貴族だったため、ミツコも貴族として扱われたけれど、日本女性の海外進出のパイオニアというわけでもなく、その存在すらこのミュージカルを見るまで、詳しくは知らなかった。

文明開化の時代とはいえ、古い慣習の残っている日本、そして日本から来たミツコを好奇の眼でしか見ないハインリッヒの親戚たちとの確執のなかでまだ若いミツコがどんな苦労したか、想像を絶するものがあったと思う。
そのあたりの苦労が晩年の心を閉ざす部分に変わっていくのかな、とも思いました。
いくらハインリッヒに愛されていたとはいえ、ミツコの心のうちは本人にしか判らないし、ハインリッヒには言えない苦労もあったと思うし。

ミツコを演じる瞳子さん、ハインリッヒとの出会いから晩年まで、幅広い役を見事に演じきっていたと思います。
特に晩年、病気の後、次男リヒャルトが亡命する時に別れを言いに来る場面は迫真の演技で、感動しました。
宝塚時代から役の入れ込み度がはんぱない、と思ってましたけど、今回もそれは如何なく発揮されて、1幕後半とか、2幕リヒャルトとの別れあたりは涙が止まりませんでした。
自分自身のみを信じ、日本へは一度も帰らず、孤高の女性としての生き方が胸を打ちました。

マテさん演じるハインリッヒ・グーテンホーフ=カレルギー伯爵、素敵でした
登場がリフトで…高く見上げる位置だったんですけど、もう、乙女心鷲づかみされました(爆)
いや、乙女心っていうのもちょっと気恥ずかしいですが(笑)、もう、そんなこと気にしてられないくらい…カッコよかった
それと、独特の抱擁感というか、優しさがにじみ出ているようで、ミツコならずともあのハインリッヒの純粋さには参ってしまうのではないかなあ…と、かなり言い訳するわけでございます(爆)
ハートマーク連発(爆)
1幕で亡くなってしまうのが残念。2幕でも、もっと回想シーンとか作って出してくれたらいいのに。この時期この日本に来てくれているのだから…
小池先生、いけずやん!ってちょっと関西弁にしてみた(爆)


次男リヒャルトはジュリアンくん。お初にお目にかかりました。
歌はりっぱですが、全体的にみると、全てに硬い。場数を踏んで、台詞を勉強して、つまりいま少し修行を積めばいいミュージカル俳優目指せるのではないでしょうか。って偉そうにごめんなさい。ファンの方。

もう一人の成人したリヒャルトは増沢望さん。
前のコンサートからの続投です。適役で凄くよかったです。最後付近で歌もあっって、ビックリ。確かコンサートの時は一人だけ歌がないから、ってカテコで歌わされそうになったんじゃなかったっけ?記憶違いだったらすみません。
一節歌う場面があって、よかったですね。って誰に?(爆)
いや、多分ご本人もほっとしているんじゃ…これで歌がない、って言われないし(爆)

他の出演者の皆さんも声が良くて、観ていて安心でした。
宝塚OGでは、進行役リヒャルト(増沢さん)の聞き役として、大月さゆさん、ミツコの母役に未来優希さん、リヒャルトの結構相手イダ役にAKANE Livさん、が出てました。

他の皆さん、みんな声がいいし、歌も上手いし、ダンスもこなして、様々な役代わりで頑張っておられて、チームワークも良さそうでした。

脚本、作詞、演出が小池修一郎氏。
瞳子さんファン目線でいうと、後半のミツコの苦悩の書き込みをもう少し深くしてくれるとよかったなあ、と思います。
3月の震災の影響もあるのか、リヒャルトの「パン・ヨーロッパ」に視点に重心があって、人種、立場を越えたハインリッヒとミツコの愛の話が、どっちつかずの印象になってしまってるのではないかと思いました。
あと、舞台装置が縦長のパネルが6枚あって、場面によって配置が換わり、そこにいろいろ映像が映るしかけなんですけど、暗転が多く、ちょっと単調になってしまうのが残念でした。

ただ、フランク・ワイルドホーンさんの曲はやはり素晴らしく、親しみやすいメロディは感動をさらに深めてくれます。
今回の公演用に書き下ろされた「後ろを振り向かずに」もとっても感動的な曲で、涙、涙、涙。。。

あとは、子役達、和みました~
トラップ一家みたい。みんな可愛い!

あと、コンサートの時は、ミツコがハインリッヒにドイツ語を習う場面があったと思うのですが、ミツコがドイツ語の冠詞に悪戦苦闘する場面で、ちょっとコミカルですごく好きだったんですけど、無くなってて、かなり残念。
ちょっと端折られたんですかね。マテと瞳子さんのやりとり楽しみにしてたのに~小池先生のいけず~っ(爆)

あと、「パン・ヨーロッパ」、コンサートの時はドイツ語で歌われて、ルカスくんも芳雄くんもカッコよかったんだけど、今回、当然日本語で歌われ、思ったほどカッコよくなかった(残念!)
やはり言葉の違いは大きいのかな。
でも、後で見たらまた印象が変わるかもしれませんね。


ということで、初見の感想でした。