今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

余韻は続く…CHESS IN CONCERT そして「別れを告げに来た男」

2012-02-03 14:39:44 | akinori nakagawa
青山劇場での CHESS IN CONCERT から1週間あまり
あれは夢だったか…いや、夢なんかじゃない!
あっという間すぎて何だか夢心地だった気がします。


コンサートとはいえ、ストーリーに沿った進行で、セットとかもかなり大掛かりだったし
作品上演に先立つ「試演」のような位置づけだったのかも。
アンケートにも「上演を希望するか」っていう項目がわざわざあったし。
これはもう、かなり大掛かりな前フリとしか…

ただ、「MITSUKO」の時もそうだったけれど、一つのミュージカル作品として
の上演となると、今回のコンサートとは別物になる、という気がする。
これはこれで封印して欲しい、という気もしないことはないけれど、
それでも、ぜひ、上演して欲しいなあ。
だって、登場人物のことがもっと知りたいし、どうしてこうなったか、ということが
いくつかあって、そこら辺がきっとよく判るんじゃないかな、と思うのです。

私は全然予習とかしてなかったので、判ってる人から後で聞いて、ああそうなのか、
ということがいっぱいあったので。
しかし、予習してない分、衝撃は強かった。
聞こえてくる言葉たち
1幕最後の「アンセム」を聞きながら
「祖国」とか「哀しみ」とか「国を捨てる」とか「同じ空を見ている」とか聴いてて
背景が東西冷戦、ということもあり、昔読んだ小説を思い出しました。

「別れを告げに来た男」

ブライアン・フリーマントル作
中村能三訳


アマゾンで検索したら、中古品しかなかった。絶版になってしまったとか…むむむ
こんないい作品を…もったいない!って、私もチェスコン来なかったら、「アンセム」聴かなかったら
忘却の彼方だったのに(苦笑)
本棚探したら、古くなった文庫本がありました。さすが、処分しなかった自分、GJ!
すっごくいい作品なんですよ。深い余韻があります。
翻訳も素晴らしくて、余韻の深さは翻訳の力にもよると思います。
原題が「Goodbye to an Old Friend」

チェスでは「同じ空を見ている」という歌詞があって、この小説では「夜空」が重要なポイントであるわけで。
きっと、チェスに出てくるような、訳あり亡命がいっぱいあったんだろうな…
と思います。
今、久しぶりに読み返しはじめました。
そういえば、「エロイカより愛をこめて」の少佐とか、今頃どうしているのかしらん。

冷戦が終わって久しい。
このミュージカルに出てくるような、そして、フリーマントルの小説に出てくるような
亡命とそれに絡んだ悲劇というものが遠く感じられる世の中になった、ということは、
世界はちょっと進歩しているのかもしれないですね。というか、そう思いたい。