9月はシアタークリエでジャージーボーイズでしたが、その前の東京宝塚劇場では宝塚花組が公演中でした。
お芝居は「MESSIAH 異聞・天草四郎」、ショーは「 ビューティフルガーデン-百花繚乱」の二本立て。
前回は「ポーの一族」一本立てだったので、ショーは久しぶりかな。
「MESSIAH 異聞・天草四郎」
作・演出 原田 諒
作曲・編曲 玉麻 尚一
振付・所作 尾上 菊之丞
装置 松井 るみ
天草四郎が実際にどういう人物であったのかははっきりしていないため、いろいろな設定が可能ということで、今回宝塚版四郎様はカイラギ、海賊という設定でした。
嵐で難破し、天草に流れ着き、そこで益田甚平に助けられ、彼の四番目の子供、四郎となり、苦しむ民を率いて立ち上がる、という流れでした。
苦しむ民衆を率いて蜂起する四郎がいつキリシタンになったのか、とか唐突感もありましたが、1時間半という限られた尺の中で、蜂起から幕府軍による鎮圧まで、コンパクトによく纏められていたと思います。
特に江戸幕府での石高の審議場面やキリシタンによる一揆ではなく、あくまでも百姓一揆として処理するのだと話合われる場面など、キリシタンによる氾濫などあってはならないという幕府の意向を挟み込むことによって、民衆の気持ちが踏みにじられていく流れは凄く良かったと思います。
幕府軍との原城での戦場面は、大階段を原城に見立てての設定になっていました。
大階段での立ち回りは迫力がありましたが、大階段に布が敷いてあって、みんな滑ったりしないか、見ていてちょっとハラハラしたりもしました。
宙組の「神々の土地ーロマノフの黄昏ー」の時もお芝居中に大階段が印象的に使われていたけれど、今回の花組でもインパクトありました。
四郎役の明日海りおさん
美貌の四郎様でした。海賊ということでワイルドな感じもあり、悲劇的ヒーローがぴったりでした。
山田右衛門作役は柚香光さん
あの有名な陣中旗を描いた南蛮絵師として、また、幕府側との交渉役として、一揆鎮圧後はただ1人の生き証人として、キリシタン一揆を後世に伝える役を担う重要な役どころ。
押さえた演技で今までにない役どころだったと思いますが、成長振りが感じられて良かったです。
他には憎まれ役となる松倉勝家役の鳳月杏さん
冷酷な目つきが堪らなく美しい。まさに宝塚の悪役として一つの形ができていて目を奪われました。
この役がしっかりと存在するからこそのこの悲劇。
素晴らしかったと思います。
花組は次回本公演は 祝祭喜歌劇「CASANOBA 」
また一本ものですね。
明日海さんと演出の生田大和先生とは三島由紀夫原作の「春の雪」で組んでいるし、生田先生のカサノバがどういう風に表現されるのか、とっても楽しみです。
画像も宝塚公式HPにアップされましたが、う、う、美しい!
期待しちゃいます。