ミュージカル ナイン を観てきました。
11月19日 マチネ
赤坂ACTシアター
とっても映画的な舞台だなと思いました。
スランプに陥った映画監督と彼を取り巻く女達の物語。
仕事に行き詰まり、個人生活も破綻している女好きイタリア男。
そのグイド を演じるのは城田優さんです。
最初、このキャスティングを知った時、正直ちょっと違和感を感じました。
若すぎるような気がして。
グイドは仕事に疲れた中年男、初老に近い感じと思っていたので、、、
あくまで私のイメージですが、、、
若いグイドをを囲む女性たちもそれに伴って若いなあと。
おっと、美波里さん除く、です。
そんなこんなで、どんな舞台になるのだろうかと。
それというのも、2005年に観た デヴィッド・ルヴォー演出の舞台が
とても強く印象に残っているからです。
繊細かつ大胆な演出、スタイリッシュでセンスの良い舞台空間。
今まで私が観た全ての舞台の中でベストとも言える舞台でした。
今回の藤田さんの演出はかなりフェリーニの映画を感じさせるものでした。
過剰なほどの混沌というか、、、
何となく一体感がなく感じてしまったのは、一つには歌が英語だったり日本語だったりしたことです。
城田グイドも、すみれクラウディアも、英語の歌は素晴らしかったです。
しかし、舞台全体としてみると、やっぱり浮いてしまうのではないかという印象でした。
英語があったり、日本語だったり、イタリア語が混じったり、、、
ちょっと落ち着きませんでした。
城田さんは凄く頑張っていて、スタイルもいいし、甘い歌声だし、素敵なイタリア男でした。
ただ、いろいろな女達の間で揺れ動くのが、ドタバタ感が出てしまう気がしてしまいました。
若いキャストの中で、ラ・フルール役の前田美波里さんだけはちょっと例外。
確かな存在感、華やかな迫力はさすがです。素晴らしい!
御み足も素晴らしい!
ただ、城田さんとの並びとなると、どうかなあ。
年の差ありすぎ感を感じてしまったのは、私だけでしょうか。
クラウディア役のすみれさん
歌(英語)、素晴らしかったです。
ただ、台詞(日本語)が伝わってこない感じで、ちょっと残念。
全体的にどうしても居心地の悪さを感じてしまうというか、
入り込み難かった気がしました。
あと、エリアンナさんが美波里さんの秘書の役でしたけど、
ちょっともったいなかったなあ。
もう少し見せ場があってもよかったのに、と思いました。
独特の存在感がある人だと思うので、美波里さんの役でも
面白かったかも、と思いました。
勝手なことばかり言ってすみません。
現在と過去、中年のグイドと少年のグイド、
かつての成功とそれを取り戻そうと焦る現在
それらが入り混じりながら、破滅に向かうグイド
そんな混沌とした人生が垣間見える舞台だったと思います。