10月6日(土) 現代美術家 内藤礼さんの個展に行ってきました。
水戸芸術館現代美術ギャラリー
「 明るい地上にはあなたの姿が見える 」
彼女の過去最大規模となる個展ということで、ぜひ行きたいと思い、水戸まで出かけました。
一昨年、瀬戸内海の豊島にある豊島美術館に行った時、その空間に凄く感動したのですが、その空間を作ったのが内藤礼さんということで、ぜひ行きたかったんです。
水戸芸術館は水戸駅からバスで10分ほど。
自然光だけの会場
4室が縦に並んでいて、そこを貫くように進んで行きます。
まず、最初入ったところに母型という作品が
小さな点みたいな透明なスフレビーズが宙にたくさん浮いている
細いテグスで吊るされてるんですね。
周りの壁が白いこともあり、見る位置によってビーズが見えたり見えなかったり。
この浮遊感がなんというか
無重力感ともいうべきか
ここはどこ?
私はだれ?
自分の着地点、居場所がふっと飛んでいってしまうような、、、そんな感覚
部屋を進んで行くと窓のない部屋とある部屋を交互に通り抜けることになるんですが、自然光だけなので、日光の加減で微妙な影ができたり、何度も巡りたくなるそんな空間でした。
特に第3室
上部にガラスの三角屋根があり、そこから光が柔らかく差し込んでいて、どのあたりからかは分からないけれど、とにかく上の方から白い細い糸が垂れ下がっているんですね。
これが全然見えない
プログラムにはそこに作品があることが示されているのに、どんなに目を凝らしても見えなかった。
昼前に3巡したんですけど目にすることができず、自分の目が悪いせいだ、ということにして先にすすみました。
で、一旦会場を出て、お昼を食べて再入場してまたそこに行ったら…見えた!
天空から垂れる1本の蜘蛛の糸
あやふやで不確かで頼りなげな…
でも確かにありました。
光の具合だったかもしれない
でも一番違っていたのは自分かもしれない
空間を感じたから見えたのかなと思いました。
多分誰にも分からない自分だけの感覚のような気がします。
午前中に見た時は、最初はこれは何だろう、とか、こうなってる意味は何?とか、探りながら分かろうとしながら見ていて、かなり疲れました。
一回外に出てボーっと考えていたら、ふと、あの空間全体を感じればいいんだ、と思ったんです。
空間に身を任せるというか。
そしたら凄く心地よくなって、ずっといたくなりました。
不思議ですね。
時間によって光が違うし、それによって吊るされている白い風船とか小さな鈴が白い壁に揺れる淡い影を落とす…
人工の光や区切られた空間に慣れた身が、一瞬解き放たれるような感覚になりました。
いつかまた豊島美術館に行きたいなあ…
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