東京タウンウォッチング ヨコハマ開港博Y150「赤い靴はいてた~女の子」像
赤い靴はいてた女の子…異人さんに連れられていっちゃった
野口雨情の童謡に出てくる波止場に因んで、山下公園にある「赤い靴の女の子像」。
こころなしか、どこかもの悲しげな風情。それも、数奇な運命に翻弄された悲しくも幼い一生だったからだろうか。色々な説があるが、静岡で生まれ、北海道留辺蘂で母と過ごした後、宣教師夫婦の養女として育てられる。母と3才で別れ、宣教師に連れられてヨコハマから帰米しようとするが、既に結核に冒されてこの体では無理と考えた宣教師が、麻布十番の孤児院に預ける。この時6才。ここで孤独な死を迎えるのが9才。名は「岩崎きみ」といった。
野口雨情との関わりは、母の夫が北海道で小さな新聞社に勤めた頃、同僚の雨情にきみちゃんの話しを良く聞かせたため詩情が膨らんだらしい。
歌は“異国”へ行ったことになっているが、実際は日本に残り孤児院で亡くなった。最も有名なのは、このヨコハマの「赤い靴はいてた女の子」像。風雨に打たれ、年輪を重ねたブロンズ像が作品としても良いですねえ。
麻布十番の「きみちゃん」像の他、母子像が生地静岡の日本平、母と過ごした北海道留辺蘂、更に小樽にもあるとのこと。
そんな物語を聞くと、港を往く船を眺め遠く異国の養父母を想うかのような女の子像が、泪をそそるようですね……。