陋巷にさまよう (野を拓く 第2部)

プアなわが道とこの世を嗤笑するブログ

モーターサイクルダイアリーズ

2009-02-15 17:23:29 | Weblog
映画、「モーターサイクルダイアリーズ」(2004年 英/米)を観た。
テレビ放映の録画。
余り期待しておらず、参考程度にと、
「ゲバラの若き日の映画」だよと言って録画を頼んでおいたが、
タイトルを知らない家内は、新聞の番組表で見つけられず、途中からの録画になってしまった。
その途中からの分を観た。

一言でいうと、
今、封切られている2部作「チェ/28歳の革命」、「チェ/39歳別れの手紙」よりも、はるかによくできている。

これは、原作「チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記」(チェ・ゲバラ著)を映画化したもの。
医学生である若きゲバラが、年上の友人アルベルト・グラナードとバイクに乗り、
ブエノスアイレス(アルゼンチン)からアンデスを越え、
ベネズエラのグラビア半島までの旅を描いている。
行く先々で出会う人々を通じて、スペインなどの征服後の圧政の歴史と、
その後の資本主義の荒波に飲み込まれた人々の生活と社会を目にし、
ゲバラが「チェ・ゲバラ」となる萌芽と必然性が、グラナードとのコンビの中でよく描かれている。
(今の2部作は、その視点が薄い。)
貧困、格差、差別-これらをどう解決するか、
ゲバラの人間に対する愛情が、結局、武装闘争しかないとの結論に至らしめる、若き日の貧乏旅。

ラストシーンの、
旅を終えたゲバラとグラナードとの別れの場面-ゲバラが飛行機で去る映像と、
今、再び、ゲバラが新たな闘いに出るための飛行機をオーバーラップさせ、
それを見送る老人の顔と表情が、印象深い。
82歳(映画制作当時)になったグラナードが、この映画に協力した様だが、
そのグラナードの皺深い顔が何ともいえない余韻をかもし出している。
(映画では、その老人が誰かは何も語っていない。)

今の2部作は、正直なところ(映画の出来ばえとしては)今一つだが、
この「モーターサイクルダイアリーズ」は、想像以上に良い作品だった。

●オフィシャル・サイトがあった。 ⇒ The Motercycle Diaries
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