あさか野の四季

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南天(ナンテン)

2013年01月20日 | 庭に咲く花

今日は大寒。厳しい寒さの中、ひときわ鮮やかである。
発音が「難転」に通ずることから、正月の飾りや福寿草との組み合わせ(災い転じて福に)など、縁起ものとして使われることが多い。また、赤飯などに添えられる葉は、彩りと共に防腐効果もはたすという。日本人の知恵である。

和名の南天は、漢名の南天燭や南天竹を略したものとされる。中国原産で古く渡来したものが野生化し、山口県萩市川上の「ユズおよびナンテンの自生地」は、国の天然記念物として有名である。

ナンテンの葉は「南天葉」という生薬として使われ、健胃、解熱、咳鎮などに効果がある。実の方も薬用にされるようであるが有毒なアルカロイドを含むため注意が必要だという。それを知ってか、この時期に実を求めてくるヒヨドリも、よく観察すると一度にそう多くは啄まないようである。

ナンテンは、葉も実も長持するため生け花でも重宝がられている。ただ、ある地方では、この長持ちすること、つまり他の花木が枯れても最後まで残っていることからの連想で、酒席に最後まで残ってなかなか腰を上げない人達を「ナンテン組」と言うのだとか。面白い喩えである。
(写真:郡山市の自宅庭にて)


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