童話や幼年向けの小説、小人達の国の話「ガリバー旅行記」を、よくご存知であろう。
作者は、“ジョナサン・スウィフト”という英国の作家である。
原本は、以下の4編で構成され、18c初頭に発行された。
第一部:小人国渡航記、
第二部:大人国渡航記、
第三部;空飛ぶ島渡航記、
第四部;馬の国渡航記
「あなたの知らない ガリバー旅行記」 阿刀田 高 著、新潮社発行を偶然見つけて読んでみた。
なんと「ガリバー」とは、「愚か者」という意味なのだそうである。
原本は、風刺とブラックユーモア溢れる作品で、18c頃のイギリス社会に対する、辛辣な風刺が書かれているというのである。
小人国の宮廷内の勢力争いは、そのまま英宮廷内の争いのパロディ、又とるに足らないことで対立しているイギリス国内の宗教対立を揶揄、・・・。
この本を読み進んでいると、宮廷内の争いや宗教対立など、その当時のイギリスの社会実態を知らないと共感を持つことが結構難しい。
また対象が不潔なものとかあまり公開するには適切でないものもあり、列記するのは難しいものも多いのである。
風刺・パロディは嫌いな方ではないが、阿刀田氏が紹介する内容では、原本を読もうという気にはなれなかった。
人情と誠実さに救われるような気持ちになれる藤沢周平氏の小説の方が、小生には良く合っており楽しめるのである。