戦争末期、苦悶の日本史（４） 銃後も武装せよ

●８割が軍事費、むちゃくちゃ国の財政
国家総予算２４３億円、臨時軍事費１８０億円。大蔵省「敵が兜を脱ぐ日まで、２３０億貯蓄に邁進」のビラ。国民一人あたり１９円。当時の低所得層の月刊生活費１００円。５人家族。８割以上貯蓄に回せということ。

●２３０億円の強制貯蓄
　産業兵士諸君へのビラ「忠勇なるわが将兵諸志がロンドン入場の日をワシントン城下の盟（ちかい）の日を最後の目標として、戦っている時、我ら国民は２３０億貯蓄の完遂を生活目標として戦い抜かねばならぬ。・・・・最高命令が我ら国民に下ったのである。我らの零細な貯金がこれほどはれて皇国のお役に立つ光栄の日がまたとあろうか？」

●戦争の様子
　昭和１９年度より、朝鮮に徴兵制度実施。兵力不足を補う目的で。弾よけの役割も。
２／１５シンガポール占領。
２／１８日本軍１８－５０才の男子を虐殺。中国系住民の虐殺続く。
５月。三光作戦。北坦村の毒ガスで住民１２２７人の内１１００人殺害、強姦多数。
６月ミッドウエイ海戦で空母４隻喪失。連合艦隊大打撃。
８月。ガタルカナル戦闘、ニューギニア、ポートモレスビー作戦。１９万の兵力を無謀な行軍。

海軍特別年少兵制度創設。国民学校高等科卒業生徒を特別教育。訓育、軍事学を教える。
少年兵の戦死数、５７％２０００名〔一期生〕、３９％１２００名（二期生）
死亡時年齢は１５，６才。

●国民生活
１／２１商工省週報。衣料切符制についてのメッセージ。豪州（羊毛）、インド（綿）に政治的、経済的な実力を発揮する日までは、戦時下の厳粛な最低生活を送るべし。両国占領するまで待て」
２／１衣料切符制度有効（衣料購入権利保証券）。商工大臣は岸信介。
６月。備荒動植物の調査概要、雑草は１０００種、動物は１００種。ゲンゴロウの天ぷら、トンボの佃煮、イナゴのコロッケ他。
１０／１乗用車のガソリン使用禁止。

●軍事教育
　文部省「臣民の道」（６年生の児童宛） 我らの生活はすべて天皇に帰一奉り、国家に奉仕することによって真実の生活となる」
１月。３婦人会を統合。大日本婦人会となる。
婦人たちの竹槍部隊創設。

●マスコミ
３／７朝日新聞「一億はすべて武装せよ。今日の決戦は要求する。前線の将兵のみに戦いを任せて安閑としている時ではない。銃後も武装せよ。一億国民は一人残らず討ちてし止まむ、突撃に参加しなければならぬ。子らも立て、女も武装せよ、父を夫を戦場へ職場へ送った後、家庭は郷土は婦女の手によって護られる」
１１月。「欲シガリマセン、カツマデハ」大政翼賛会、読売新聞社、東京日々新聞社、朝日新聞社共催標語。