日なたでよいしょ、木陰で一服

花が大好き、野の花も好き。
農家の主婦が、日々のあれこれを綴ります。

1円の思い出

2012-03-06 21:35:45 | その他
むかしむかし、リンが小学5年生の時です。

昭和30年代半ばの頃です。

日本はまだまだ貧しかった頃です。

学校の鉄棒で遊んでいて、手首の骨にひびが入りました。

今のように整形外科の医院が近くになく、和歌山市のS整形外科へ担任の先生に連れて行ってもらいました。

その頃はギブスがなく副木だったので、しばらくは祖母の妹さんの家(和歌山市内にある)から、S医院へ毎日通いました。

その後は、時々(どの位の間隔かは覚えていない)通院し、今で言うリハビリをしました。

父母が忙しい時は、高校生だった9歳年上の兄が、自転車で学校まで迎えに来てくれ、今たま駅長で有名な貴志駅から電車に乗り連れて行ってくれました。

ある日、定期購読していた雑誌の発売日だったので、帰りに買ってもらうのを楽しみにしていました。

S医院から和歌山駅(当時は東和歌山駅)までの途中に本屋さんがあったので、買いに行きました。

ところが、電車賃を引くと、本代が2,3円足りないのです。

仕方がなく、しょんぼりして歩きだしました。

しばらくすると、お店の方が追いかけて来てくれ、お金が足りなくてもいいからと本を売ってくれました。

リンはその頃から本が大好きだったので、飛び上るほどうれしかったのです。

だから、もう50年以上も前の事なのに、よく覚えているのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする