月下樹のおと

樹月けい、オタク母のブログ。アニメ・漫画。お絵かき展示等。義母の介護終わり、義父のご飯お手伝い中。

2/27『清水宏のひとり大河ドラマ 仁義なき水戦争~高松死闘編』

2018-02-28 21:38:02 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等


2/27
『清水宏のひとり大河ドラマ
仁義なき水戦争~高松死闘編』へ!
高松砂漠、昭和の渇水。
人々の心に刻まれた記憶と思いがコメディに!?
息をもつかせぬ笑いの中に、
人々の本音が垣間見える。
フィクションだけど
実際に聞いた話を元にしたもの。

昭和48年の夏と現在を行き来しながら、
5家族13人を一人で演じる!
前後の映像の他は、音響も照明も特になし。
しゃべりだけで繰り広げられる
ひとり大河というか映画のような(笑)。

当時を経験した人の話を、
舞台で取り上げている以外にも数多く取材。
具体的には触れなくても、そんな人たちの
思いは伝わってくるようだった。

高松にやって来た清水さんが
取材から始めて3週間で作ったそうだ。
その奮闘ぶりも面白く、
会場は笑いで盛り上がった。

……………………………

アフタートークには山の手事情社の安田さん。
清水さんが昔所属していた劇団の主宰。
こんな二人のトークが聞けるなんて
貴重な機会だ!

アーティスト・イン・レジデンス、
アーティストが滞在して作品を作ることの
良さについての話があった。

病院には医師、学校には教師がいるように、
海外では、高松くらいの規模の都市なら
劇場には作品を作って演じる人が
常にいるそうだ。

日本の現状は、まだまだなので
そんなアーティスト・イン・レジデンスが
増えていくのはいいことだと。

そもそも、なぜ劇場や演劇が必要なのか。
病院でも学校でも扱えないものがある。
それを劇場で演劇が扱うことができる。
根本的な解決はできないけれど、
心の救いにはなる。

確かに、現実では
正しい答えや結果が求められがち。
でも、いくら望んでも
そこへ届かないことは多い。

劇場は、そんなひとつの価値観を
ひっくり返してくれる場所でもある。
どんな受け止め方をしても自由。
人と同じでなくていい。
それでいて、人の反応を肌で感じ
思いを共にすることもできる。
ちょっと矛盾するかもしれないけれど
そんな不思議なことが出来てしまうのは
いいなと思うところ。

行き詰まる時代、生き辛い時こそ
そんな突破口のような場所が要るのかも。
そう思うと、何だかちょっと泣けた。

清水さんの舞台を観るのは3回目。
毎回、毒舌マシンガンに圧倒されるのだが、
いくぶん毒気が和らいで感じたのは
今回は高松市主催の事業だからか(笑)。
それでも、
清水さんは建前は面白くないと言っていた。
この作品を作る取材でのこと。
愚痴や妬み、負のようなものでも
本音が聞きたいと。むしろそっちが好物(笑)。

安田さんが言っていた、変態でいい(笑)という
話にも通じるかもしれない。
そんな、前向きじゃない、
理想的とされない姿を
否定しないのが演劇かな…と思った。
あえて受け止めてしまうところから
始まるものもある。

負のエネルギーも笑いに変えてしまう
清水さんは凄いと思う。
普段の生活で一緒にいるのは
大変そうな人だけど(笑・ごめんなさい)。

普通じゃないところから日常を捉えて
また違った角度から見ることができるなら
劇場や清水さんのような存在は大きい。

何でもありの世界なら
どんな人も、どんな自分も存在していい、
そんなことを考えられた舞台だった。

行けて良かった。
肩を揺らして腹に響くほど笑ったし。
それだけでも私にとって
とても意味のある時間だったと思う。
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