2月も終わりに近づき、もうすぐ雛祭りですね。
ここ数年出さなかったお雛様が押し入れの中で泣いているかもしれないので、
あと数日しかないけれど飾ってあげました。
と言ってもお内裏様だけです。
大きな箱を引っ張り出すのは面倒でしたが、飾り終えるとやっぱり嬉しい。
お雛様は相変わらず穏やかで優しいお顔をしています。
見ていると心が和みます。
実家には、今では博物館にあるような古いお雛様もあったのですが、
いつの間にか処分されてしまいました。
私は小ぶりの段飾りを買って貰って、長年飾っていましたが、
結婚するとき実家に置いて来ました。
男の子が生まれたとき五月人形を買って貰いましたが、
私の段飾りは飾る場所がありません。
母に「お内裏様だけ送って」と頼んだら、何と新しいものを買って
送ってくれました。
段飾りのでは小さすぎると思ったのでしょう。親とは有り難いものです。
それからもう30年以上経ったでしょうか。
この頃ちょっと飾るのをさぼっていましたが、心を入れ替えて、
来年も飾りましょう。
仏壇のある部屋に飾ったので、亡き母も見ているでしょうか。
これは父が描いた絵を掛け軸にしたものです。
単純なお雛様ですが、気に入っています。
母がまだ私の家に居て訪問介護を受けていた時、来てくれた看護婦さんが
これをじーっと見て、「私、これが欲しいです!」
「一つしかないから上げられませんよ。」冗談やめて!と笑い合いました。
父は手先が器用で、絵を描いたり、プラモデルの帆船を作ったりしていました。
いまうちの床の間に大きな帆船が2箱あって、かさばって困ります。
親戚に随分貰って貰いましたが、一つは息子が欲しいというのでとってあります。
話がそれました。
雪洞に明かりを点けて、床の間のライトも点けると、
薄明かりの中でお雛様が変わらぬ微笑を浮かべています。