広島戦は守備時4-4-2、攻撃時は右サイドバックの浅山選手が右肩上がりになる3-4-3または3-5-2でした。最終節なので疲れも溜まっていただろうし、暑い中にも関わらず選手はよく頑張りました。広島の観客も「セレッソの13番(百濃選手)のドリブルは注意が必要」「ワンタッチでボールを繋ぐのがうまい」「14番(高和選手)はよく走ってるし、ボールを奪ってる」「18番(宮本選手)はいい場所に顔を出してる。暑いのに最後まで足が止まらなくてすごい」と褒めていました。
その一方で今日は日向はものすごく暑かったにも関わらず交代は2枚で交代枠を使い切りませんでした。
また相変わらずクロスに対する守備時のロックができていない、サイドバックがサイドに張って嵌められる立ち位置をとる、がむしゃらに前からボールを奪いに行って中央を空けてしまう(プレスが組織的ではない)、といった課題は解消されないままでした。
これは監督コーチの責任なのか、それも違う気がしました。。
エディオンピースウイング広島はハード面はとても素晴らしいスタジアムですが、それだけでなく運営がセレッソよりもお金がかかってることがわかりました。6,300人の来場があるからだと思いますが、売店はたくさん開いていました。選手紹介、チャンス時、ゴール時のビジョンの映像ももセレッソよりもはるかに上でした。プロクラブとして運営が素晴らしかったです。
この日もセレッソの選手は1対1で負けるシーンが多かったのですが、広島の選手の人件費はリーグ上位。つまりセレッソと広島の差はお金を使っているかどうかにつきるのではないかと思わざるをえませんでした。
今シーズンの目標をはるかに下回った結果を受けて、来シーズンはもっと資金を投入して本気で上位を目指すことに転換するのか(例えば力の違う外国人選手を複数補強する、日本代表クラスの経験のある選手を補強する等)、このまま育成出身の選手のみで経費をかけずに、選手の成長を待ち、当面はWEリーグに留まることを目標とするのか、問われます。
来シーズンのクラブとしての方針がどうなるのか、シーズンオフの動向が気になります。
最後に、エディオンピースウイング広島は素晴らしいスタジアムでした。行きは広島電鉄原爆ドーム前から、帰りはアストラムライン県庁前駅から帰りましたが、ほどほどの距離ですのでアクセスが素晴らしいです。
またスタジアムの通路は1周できる設計、モニター、トイレ、売店も充実してました。
チケットの販売も好調なのですが(男子はすぐに完売するようです)、広島の人々の悲願、想いが長い年月をかけて形になったスタジアムだと感じました。負けましたが、いいスタジアムに行けてよかったです。
2023-24、.WEリーグセレッソ大阪ヤンマーレディースのホーム最終戦は仙台とヨドコウ桜スタジアムで対戦。1-2で敗戦となり、勝利で飾れませんでした。
立ち上がりセレッソは仙台に圧をかけて、ゴールチャンスを次々に作ります。そして3分に右サイド脇阪選手のクロスを百濃選手が体で押し込んで先制、百濃選手はWEリーグ初ゴールとなりました。
しかし、その後は仙台も前線から圧をかけてきたので、セレッソはビルドアップに苦しみます。また仙台はセレッソのウイングバックの裏のスペースにボールを蹴って前進する形を徹底してきました。この仙台のやり方が同点ゴールにつながったと思います。
後半セレッソは選手交代によって守備を修正し、左ウイングバックの百濃選手のドリブルなどから勝ち越しのチャンスも作りましたが、最後はCKから仙台に押し込まれて逆転負けを喫しました。シーズンを通してクロスボールからの守備の課題は残っているという印象です。
試合終了後は、今シーズンのホーム最終戦の挨拶、今シーズン限りで現役を引退する古澤選手の引退セレモニーが行われました。セレッソのWEリーグ参入後の初のシーズン、そしてれディース1期生の古澤選手の現役生活が終わるのだなあという、雰囲気でした。涙だけでなく、セレッソらしく楽しむシーンもありました。
セレッソ大阪ヤンマーレディースはアウェイで長野に勝利、今シーズン初の連勝となりました。
長野にはホームで対戦時に、アディッショナルタイムの失点で敗れたので、そのリベンジを果たせてよかったです。試合としてはセレッソ大阪ヤンマーレディースのほうがボールを動かして、やりたいサッカーができたと思います。3バックになってからは一人一人の役割が整理されてよくなっています。後半途中から長野はパワープレー気味にクロスを放り込まれましたが、1失点でしのぐことができました。選手では2得点の矢形選手はさすがFWという決定力でした。
残りは2節。次節はホーム最終戦です。ホームでいい試合を観れることを期待してます。
WEリーグ第16節、セレッソはベレーザをホームに迎えて1-1の引き分けに持ち込みました。これで順位を一つ上げました。
WEリーグ第15節、セレッソ大阪ヤンマーレディースはアウェイで千葉に勝利、2024年初勝利を飾りました。
試合後の選手の表情がよかったように、今日は内容と結果の両方が伴った勝利でした。前線からのプレス、ビルドアップ、4バックの守備等々、どれもうまくいきました。この勝利で少し自信を取り戻して、少しでも順位が上に行くように願っています。
WEリーグ第14節、セレッソ大阪ヤンマーレディースは埼玉を平和堂HATOスタジアムに迎えました。平和堂HATOスタジアムは2025年の国民スポーツ大会のために彦根市に新設された陸上競技場です。セレッソ大阪ヤンマーレディースのプラチナパートナーのヤンマーが滋賀県とご縁が深いためホームゲームが開催されました。
平和堂HATOスタジアムは彦根駅から徒歩25分くらいかかります。しかし、彦根城のそばにあるスタジアムですので、彦根駅から徒歩で彦根城を観光したあと、彦根城からスタジアムまでつながる通路があるので便利です。季節がいい時期であれば平和堂HATOスタジアムに行く前に彦根城に観光に行くことをお勧めします。
平和堂HATOスタジアムは屋根付きのスタジアムで、導線がわかりやすく、トイレもきれいですのでとても快適なスタジアムでした。陸上トラックがあるため、球技専用スタジアムに比べると選手が遠く見えますが、とても観戦がしやすいと感じました。ゴール裏は芝生ですが、現状では国民スポーツ大会以外はメインスタンドですべて収容できるイベントだと思いますので芝生でいいのではないかと思います。バックスタンドが工事の途中みたいな感じなのが気になりますが、将来的に滋賀県にJリーグのクラブができて、メインスタンドだけでは収容できない状況になれば、追加の工事ができるのか気になります。
さてセレッソ大阪ヤンマーレディースですが0-1で敗れました。両チームには数回の決定機がありましたが、決定機決めたチームが勝ったという結果になりました。今日はセレッソ大阪ヤンマーレディースにほうがボールを支配していただけにしょっぱい試合となってしまいました。連敗脱出は次節に期待することにしましょう。
INAC神戸をホームに迎えたセレッソは善戦しましたが、あと一歩及ばず敗れました。
浦和戦、広島戦に比べるといい試合はできました。立ち上がりはINACの3バックに対して、2人のFWでプレッシャーをかけましたが、1人少ないので簡単にビルドアップを許しました。守備がハマらないうちに個人技で突破されてあっさりと先制点を許しました。セレッソはINACの3バックのサイドにできるスペースにロングフィードを出すプランでしたが、それはうまくいきませんでした。しかし、前半の途中から守備がハマりだして、脇阪選手のところでボールを奪って、ショートカウンターというシーンを数多く作ることができて、セレッソの時間も作れました。しかも同点に追いつくこともできました。
後半立ち上がりに勝ち越しゴールを許したことは痛かったですが、その後もボールを回しながら、相手の矢印と逆の方向にドリブルしたり、パスを回しながら、フリーの立ち位置にいる選手にパスをして攻撃に転じる場面が多く、今日のサッカーは観るべきものはありました。決定機は少なかったですが、ポケットまでボールは運べた回数もこれまでよりは多かったので、前線の個の力がもう少しあれば・・・という感じでした。選手の個の強さや選手層については、監督・コーチではなく編成の仕事なので、来シーズン以降の課題かと思います。
失点シーンについては、1失点目は個の力を見せつけられました。2失点目はINACの選手のハンドがあり、そこでセレッソの選手の足が一瞬止まったすきを突かれて、右サイドからクロスを上げられてヘッドで決められました。不運な面もありましたが、クロスに対する守備が良ければ防げたと思います。神戸のクロスが上がった瞬間、ペナルティエリアにいるセレッソの選手は人数が足りていました。しかし、みんなボールを見ていてゴール前にいる相手の選手を見ていませんでした。「クロスに対してへそを向ける」「ボールと選手の両方を視野に入れる」ということができていなかったことが原因です。日常的にどのようなトレーニングをしているのか、原則を教えているが徹底できていないのか、わかりません。セレッソには課題が多いですが、失点をしなければ勝ち点1は取れるので、同じような失点を繰り返さないようにすることが大事かなと思います。
WEリーグ第11節、セレッソは広島をホームに迎えましたが完敗に終わりました。これでウインターブレイク再開後、未勝利が続き順位も下位に低迷となっています。
セレッソは広島と同じ4-4-2でしたが、完成度やフィジカルの強さで下回りました。
セレッソの攻撃時に、広島はセレッソの2センターバックに2FWを当てて守備をするため、セレッソはセンターバックからのビルドアップがままならない状態でした。サイドバックにパスを出しても、サイドバックが外に張っているため、広島のサイドハーフに詰められてボールをロスト、前線にボールを出してもボールは収まらずロストするためボールは広島が握る展開となります。
一方、セレッソは守備時に前線からプレスをしますが、広島はセレッソの2FWよりも多い枚数で余裕をもってボールを回したり、GKを使って1人余らせるなど、どうやってビルドアップをするのか仕込んでいました。また困ったときはセンターFWにボールを当てると必ずキープをしてくれるためセレッソのプレスをやすやすと回避することができました。このため余裕をもってゲームを支配しました。
広島の攻撃はセンターFWのポストプレーから左右にボールを回しながら、最終的に左サイドMFのなでしこジャパンの中嶋がセレッソのサイドバックと1対1になるシチュエーションを作って、中嶋選手が左サイドを突破してクロスを入れて得点を決める型で攻撃していました。セレッソの2失点はいずれもこのパターンでした。広島は選手全員が一致して動いているのでチームとしてはるかに上でした。
鳥居塚監督はセレッソの選手の判断が遅いことをコメントで述べていますが、広島のような攻撃パターンがないため、選手の判断が遅れるのだということをまざまざと見せつけられました。現状ではヨーロッパやオーストラリアの代表クラスの大型センターFWを獲得しないと難しいでしょう。
セレッソは77分からシステムを3-3-2-2に変更しました。システム変更により一人一人の役割がはっきりしたこともありボールを握って攻撃を続け、局面を打開することができました。広島が面食らったということもあったのでしょうが、3バックのほうがセンターバックの選手も落ち着いてビルドアップができていました。選手の頑張りを生かす意味でも今後は3-4-2-1(守備時は5バック)のほうがいいかなと思います。
ウインターブレイク明けのWEリーグ最初のホームゲームは浦和に完敗しました。
セレッソはDF3名がAFCU20女子アジアカップに召集されており、メンバーが苦しい状況。それに加えてパリオリンピックのアジア最終予選の日本代表選手3名を擁する浦和は選手の質(強さ、上手さ、速さ)が圧倒的に上でした。今日の結果は悔しいですが妥当なものでした。
家に帰ってからAFCU20女子アジアカップをDAZNで観戦しました。日本は北朝鮮に敗けましたが、セレッソとは違いビルドアップに工夫をしていました。サイドバックは外ではなく内側にポジションを取っていましたし、ボランチの選手が1枚DFラインに落ちて3バックでビルドアップしたりしていました。セレッソはそのような工夫があまり見られず、サイドバックが外のレーンで嵌められたり、サイドバックが縦にボールを出せずに横に出したところをカットされてショートカウンターを受けたりするシーンが多すぎました。
U20日本代表選手がチームを離れているため、選手の質が低い状況あれば3バック(5バック)にしたほうが、立ち位置や一人一人の役割がはっきりするので良かったかなと感じました。なでしこリーグの時であれば「育成」がキーワードだったので4-4-2を続けることはいいのでしょうが、WEリーグはプロリーグなので工夫が必要かなと思います。ただし、選手のコンディションの関係でできなかったのかもしれません。
このまま下位に落ちるのか、盛り返すのか、大事な時期になっているような気がします。