2010年12月某日、「長男」の家庭菜園に、ついに不動産屋の
手によってりっぱな立て看板が立てられていた。
家族に聞くと、いつ立てられたのか、誰も知らないとのこと。
「売れれば終わり」。
その覚悟で始めた宅地での菜園とは言え、こうしてその現実を
突きつけられると、やはり悲しい。
たとえその対象が、感情を持たない土地であろうが、長い間、
愛着を持って接して来た対象を失うことは、本当につらいこと
である。
それでも、実際に土地が売れ新築工事が始まるまでは、
隣の空き地に、精一杯、粘着し、最後のその時まで、野菜を
しっかり育てていきたいと思っている。
悲しい現実ではあるが、今、不思議と「長男」の心は、この空き地に
対する感謝の気持ちで溢れている。
これからも一生、この空き地と過ごした時間を忘れることは決して
ないだろうし、大切な思い出として心に持ち続けていくことだろう。
※撮影は富士フィルムのコンデジ
(終わり)
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