【主張】産業スパイ厳罰化 次は国家機密守る立法を 2009.5.6 03:29
軍事転用可能な技術や機密情報の海外流出防止と産業スパイの取り締まり強化を目的にした改正外為法と改正不正競争防止法が成立した。
産業機密情報の漏洩(ろうえい)にあまりに無防備で「スパイ天国」とさえいわれてきた日本にとって一歩前進といえる。施行は来年中というが前倒しすべきだ。加えて重要な国家の防衛、外交機密についても外国のスパイから守る法の整備が必要で、長年の懸案である国家秘密法(スパイ防止法)の制定が急がれる。
今回の法改正は3年前に発覚した光学機器メーカー、ニコンの研究者がロシアに軍事転用可能な機密部品を渡した事件や、一昨年の自動車部品メーカー、デンソーの中国人従業員による図面データの大量不正持ち出し事件などがきっかけとなった。研究者は窃盗罪、従業員は横領罪に問われたが、結局は起訴されず、両社とも泣き寝入りする結果に終わっている。
(中略)
しかし法整備はこれでも十分とはいえない。日本では情報の不正持ち出しが窃盗罪の対象にはならない。スパイ行為を包括的に取り締まる法律もない。日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法や自衛隊法、原子炉等規制法などに部分的な取り締まり規定はあるが、抑止力は不十分だ。日本を舞台にしたスパイ活動が分かっても、外国人登録法や出入国管理法違反などの軽い処罰にしかならない。
個別法による対応は、すでに限界にきている。ほとんどの国ではスパイ防止法を制定し、国家機密の保護を当然の責務としている。日本も情報漏洩で国益が損なわれる事態をいたずらに見過ごすことは許されない。 (MSN産経)
先日、中国が外国企業に「IT製品情報強制開示制度」を、というニュースが流れてましたが、日本も世界も猛反発、実施は一年延期になったそうです(こちら)。 猶予期間ができたものの、これは大変なことです。 北朝鮮ミサイルや、中国のIT製品情報強制開示制度など、東アジア周辺の動きも本当にあわただしく、経済危機もあり、世界中が何やら動き始めたような気配があります 。 いろんな意味で、日本は、これまでのやり方ではもう限界。 早急にいろいろな体制を立て直さなければならない重大な時期であることをひしひしと感じます。
先月、日本の頭上を通過していった北朝鮮のミサイルは、「日本の技術を転用か」というニュースもあり(こちら)、そんな中で早速、「軍事転用可能な技術や機密情報の海外流出防止と産業スパイの取り締まり強化を目的にした改正外為法と改正不正競争防止法が成立」したのは評価されるべきことです。 しかし、この法律の施行を一年待っている余裕が日本にあるのでしょうか、前倒しするべきではないでしょうか。 また、否応なく、中国や朝鮮半島との関係の影響が大きい現状で、これだけではまだ不足で、早急にスパイ防止法や、それに外国人政策についてもしっかり運用できるような法整備が必要です。 それにしても、この時期、日本の首相が麻生首相で本当によかったと思います。