
表情を伺いながら冗談を言っても今日は泣き笑いとなる
ぼくは短歌教室を持っている。
毎月第三土曜日杉並区で開催する。
知る人ぞ知る田島邦彦という歌人から引き継いだものだ。
メンバーは10名程度で男性が4名。
ぼくは工場経営があるのでここ数年は
講師二名体制だったが片割れが辞めてしまった。
詠草を事前に集め無記名のプリントにして
返送するのだがそこに講師が辞めた旨を書いた。
今日が一人体制に戻って第一回目。
仕事が長引いてしまいギリギリに到着。
みな不安そうな淋しそうな顔をしている。
そりゃそうだ。信頼していた講師が
特にもっぱら対会員の窓口になっていた片割れが
突然いなくなったのだから。
ご高齢者ばかりだが短歌を生き甲斐としているのを
思い知った一日だった。
S川さんはショックで詠草集を見られなかったという。
ぼくはまた胸が熱くなり言葉に詰まる。
皆さんにもっと言葉をかけたかったが無理だった。
歌会は3時間弱どうにかこなすことができた。
O室さんは12月にでも男性だけで一杯やろうという。
そんな気遣いは初めてだった。
みんないい人。
ぼくも実は教室の維持は難しいかと思っていたが
みんないい人だから
みんなが辞めると言うまで続けたいと思った。