詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。
海やまが湖沼が風が鳥がわらうぼくを笑いが彩っていた
パソコンを軽くするために画像を削除している
熱心に写真を撮り始めたのは去年の秋からだ
毎週のように海、山、湖、沼に繰り出して
写真を撮った
雨の日も風の日もなにかに追われるように
写真を撮った
深山幽谷なる風景すらも実感できたように思う
画像を削除する作業は根気と根性が要る
写し取った瞬間のその背景までが蘇る
短歌とよく似ているそれを
捨ててゆくのだ
しかし
記憶まで捨てるのは容易ではない
*では!数日間入院してまいります!
ささやかなわが人生を物語る捨てるほかなき名刺の束よ
ぼくは楽観的ではない。
電池や洗剤などいっぱい在庫してしまう。
たとえば名刺。
ついつい多めに作ってしまう。
所属や肩書、居所が変わる心配より
渡したいときに渡せない不安が先立つ。よって
もう使えるはずもない名刺が増えることとなる。
すぐに捨てればいいのだが変に愛着があったりして。
多めに刷ったはずなのにしまってある場所を忘れて
またもや多めに作ったりを繰り返すバカなのだ。
初めての名刺は学生時代の体育会のもの。
以前の職場のもの。いまの会社のもの。
肩書の違うもの。短歌の世界で使うものは
何種類作っただろうか。
作り直さない一番のコツは名前と居所だけの
名刺にすることだろう。
でも
それじゃぼくがナニモノかわからないか。