下顎が腫れて抗生物質で治療中だったサブちゃん、弱っているのに、サカリのせいか夜になるとこんなふうに半狂乱で吠え、一晩中暴れ続ける。穏やかな「愛されキャラ」は一体どこへ?
そして、弱っているところをお散歩中に他の動物に襲われてしまいました。身体がボロボロになっていも、根性で我が家へ帰って来てくれたサブちゃん。瀕死状態だけど、できることは全部してあげるから、私にまかせて。
夜間救急病院へ電話、9時から診察開始とのことですぐに車を走らせる。私のつたない運転で40分ぐらいかかった。入り口前には受付スタッフの方が待っていて下さった。深刻な状態で、治療中もずっと付き添いが許された。「弱って治療中なのに、お外へ出たんですか?」と言われ、本当にサブちゃんにすまない気がした。
採血の結果は、やはり貧血と肝臓、白血球数に異常があった。レントゲン後、診察台で気絶しかけるサブちゃんを見て、先生が「もともと弱っているので、今回の襲撃がそれに追い打ちをかけています。今晩亡くなるかもしれません。入院より最期はお家の方がよいのでは?」
「はい、家で見ます」、即決だった。
傷口をバリカンで刈る。咬まれた傷が何ヵ所もむき出しになった。注射器からチューブで直接咬み口に薬を注入すると、他の咬み口からその薬剤がジュルリと出てきた。左手は咬まれ過ぎて、何ヵ所も貫通している。ばい菌が入り、ボールのようにパンパンな左肩。保護用の包帯を巻く。身体が熱い。眼球のひっかき傷と思われたのは角膜炎で、半透明に濁っている。下顎が大きく腫れすぎて割れ、中から赤黄色い不気味な腫瘍が出現。アゴは真っ黒に変色した。最後に残っていた犬歯もなくなっていた。
「今は命を助けることを最優先して、アゴはその後考えましょう」
背中に点滴で強い薬を入れる。ここで意識をとり戻したサブちゃんは逃げようと、渾身の力を振り絞って激しくもがく。先生、私、看護師さんの三人がかりで押さえるが、私は引っ掻かれて血が出た。先生も血を出しながら、点滴の針は決して背中から離さなかった。先生、本当にありがとうございます。この時薬が入ってなければ危なかったと思う。帰宅後も飲み薬に塗り薬をつづけ、ケガの治療に通院した。
そしてしばらくの間、孤独の間に死ぬことがないよう、夜は玄関のサブちゃんの隣で寝た。
サブちゃん、大好きやからね!がんばって踏みとどまるんやで!