晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

求めない

2007年07月27日 | 
とても、不思議で、奇妙で、・・かわいい本に出会いました
求めない

著者は、「伊那谷の老子」の加島祥造です。

求めないー
すると
簡素な暮らしになる

求めないー
すると
いまじゅうぶんに持っていると気づく

求めないー
すると
今持っているものが
いきいきとしてくる

求めないー
すると
改めて 人間は求めるものと
知る
・・・・
というふうに、
求めないーで始まる、語群からなる、詩集のような本です

「老子」の思想に傾倒がふかく、自らも、信州の伊那谷で都会をはなれ、家族からも離れ、一人暮らしを送っています。

老子の思想である「足るを知ることは富なり・・」がベースになっていますね。

ある日突然、降ってきた、?体のなかから沸き起こるようにして、言葉がつぎとぎと「求めないー・・」のことばが生まれたそうです。

なんと、80歳にして、いよいよ伊那谷の老子は仙人になったのかしら・?

「欲を捨てなさい!」と、説教じみた、経典を想像しそうですが、そうではありません。
著者はちゃんと、「どうしても人間は、求める存在、なんだ。」と、人間の五欲を肯定した上で、「求めないー」といってます。

簡素なことばで、子供に語りかけるようなやさしさです。

でも・・
やはり奥が深いです・・

あとがきで、著者が「・・その元になったのは、私の学問ではなくて、生きてきた経験と体験です。」・・と。



とても印象に残りました








いつか、一緒にパリに行こう

2007年07月17日 | 
いつか、一緒にパリに行こう

素敵なタイトルに思わず手にとってしまいました
辻 仁成 さんの雑誌に連載されたエッセイ(25ans アシェット婦人画報社刊)
文庫化されて今月の新刊で入ってきました。

当地に暮らす著者が、フランス、パリを案内してくれます
パリ・ライフ・ブック・・
こんな情報誌、ガイドブックはおそらくどこにも売ってないでしょう!
いつもの小説とは一味違った、彼のくだけた文章と盛りだくさんのイラストが軽快でとてもおしゃれ

レストランの情報や地下鉄の乗り方なら「るるぶ」にもいっぱいあるよ~
いいえ!違うんです
辻仁成の作家の視点で鋭くフランスを分析してるんです。そう、パリを描きながら、そこに暮らす人々を書いているんですね・・

「パリが世界中の人々を魅了する一番の理由は、彼らの自由というものに対する考え方の豊かさだと思う」
人権宣言を発明したこの国で自分の人生を重ね思う存分楽しんで生きている人たち・・
やはり、文化の違い~と一言で言ってもそこに暮らしてみてはじめて、肌身に感じるんでしょうかね。

シャンゼリゼ通りで人目をはばかることなくキスをする恋人たちの姿に微笑みを浮かべてさりげなく通過するだけ・・

絵になるんでしょうね・・そこはパリなんですもん

フランスへ活動拠点を移されて・・はや4年くらいですか。
赤ちゃんまで生まれて、子育てもして・・普通の一般人の私達にはちょっと、想像できない仁成?いや人生を送っている彼は、もはや普通の日本人じゃないみたい。

でも、よかった!フランスに帰化するつもりはないそうですよ。

「いつか、一緒にパリに行こう!」
・・いわれてみたいなぁ・・


地下鉄(メトロ)に乗って

2007年07月08日 | 映画
昨日、「地下鉄に乗って」浅田次郎原作映画
のDVDをみました。

劇場で見れなかったので、期待しながら、おせんべい片手に楽しみましたよ

見おわって・・
「原作のほうがよかったな・・」が第一印象でした。
原作を知らない人にはきっと、難しいと思う。

いきなり、地下鉄の階段を上がると、タイムスリップするところは映像の面白さでうまくできていたかな・・

父親に憎悪を抱く息子の心の「闇」を解き明かす旅が「地下鉄に乗って」なのですが、恋人「みちこ」の存在がミステリーです。実在しないはずの彼女の謎が解き明かされたときがクライマックスですね。まるでファンタジーの世界。浅田ワールドです

父親役の「大沢たかお」さんがとても好演でした~

DVDを提供して下さった、Hさんに感謝します


風林火山

2007年07月06日 | 
NHKの大河「風林火山」は
私の一番のお気に入りで楽しみにしているドラマです

原作は井上靖風林火山」・・
ずっと、前に読みました。ドラマのほうは脚本は誰でしたか・・若干違っていますが、それはそれで、楽しくみています。

以前にも大河で中井喜一さんが信玄役で、ありましたよね~
今回はもちろん、山本勘助が主人公。内野聖陽さんが好演してます

原作では、「異相」でこわもての中年武士のはずですが、なぜかかっこいい!

突然流星のごとく現れた、歌舞伎界のわかきホープ、市川亀治郎さんの「晴信(信玄)」も、なかなか貫禄が出てきて、いいですよ。さすが、所作が美しいし、声もいいです~ほめてばっかりですね・・

なんと言っても、風林火山に花を添える、あの、ぜっせいの美女、「由布姫」は、柴本幸さん。今回が女優デヴューとなった彼女は、柴俊夫、真野響子夫妻の娘さんだそうです
気品ある美しさは由布姫にぴったりかもしれません・・

原作でも由布姫の美しさは、随所にでてきて、その美しさを褒めちぎるように讃えてました・・

・・・由布姫は二年足らずの間に、すっかり少女の稚さを消して、成人した一人の女性に成長していた。天来の美貌はいよいよ輝きを増し、それに気品と落ち着きが加わっていた。・・抜ける程白い肌、豊かな頬、そしてつぶらな瞳、取り分け高く整った鼻梁は今は亡き名家諏訪氏代々の当主が持っていたものであった・・

これは、姫が稚児様を産んだ後ですから、18歳ですかね~
晴信は27歳のころですから、現代から思えば、なんと若い大将、おやかた様です

勘助が愛してやまなかった、晴信と由布姫、これからますます波乱に満ちた人生を歩むことになります。

そして、いよいよ、あの越後のウルトラマン!?長尾影虎(上杉謙信)との合戦へとドラマは進んでいきますが・・ガクト!が謙信なの~?ガクットきた方もいるかもしれませんが・・

いやはや・・なかなかお美しい・・
毘沙門天の生まれ変わりの妖艶?な香りも漂ってるかな~

日曜日の夜が楽しみです