求めない
2007年07月27日 | 本


「求めない」
著者は、「伊那谷の老子」の加島祥造です。
求めないー
すると
簡素な暮らしになる
求めないー
すると
いまじゅうぶんに持っていると気づく
求めないー
すると
今持っているものが
いきいきとしてくる
求めないー
すると
改めて 人間は求めるものと
知る
・・・・
というふうに、
求めないーで始まる、語群からなる、詩集のような本です
「老子」の思想に傾倒がふかく、自らも、信州の伊那谷で都会をはなれ、家族からも離れ、一人暮らしを送っています。
老子の思想である「足るを知ることは富なり・・」がベースになっていますね。
ある日突然、降ってきた、?体のなかから沸き起こるようにして、言葉がつぎとぎと「求めないー・・」のことばが生まれたそうです。
なんと、80歳にして、いよいよ伊那谷の老子は仙人になったのかしら・?
「欲を捨てなさい!」と、説教じみた、経典を想像しそうですが、そうではありません。
著者はちゃんと、「どうしても人間は、求める存在、なんだ。」と、人間の五欲を肯定した上で、「求めないー」といってます。
簡素なことばで、子供に語りかけるようなやさしさです。
でも・・
やはり奥が深いです・・

あとがきで、著者が「・・その元になったのは、私の学問ではなくて、生きてきた経験と体験です。」・・と。



とても印象に残りました
