降り積もる光の粒 角田光代 著
角田さんの旅エッセイです。
前にも旅の本で彼女がバックパッカーだというのを読んだことがあった。外国での一人旅の珍道中
は驚きであった。
今回も彼女の人となりを思わせる楽しい読み物です。
方向音痴、運転免許なし、お金なし・・だから国外旅行なのだ・・
これは、いつもありきたりのリゾートや温泉しかいけない私にはちょっと理解しがたい。
なぜか?
私も方向音痴だし、外国なんかで運転なんてしたくないし、臆病者だからである。
しかし彼女は違う。
行先も宿も決めないで、言葉も通じないような外国、それも人が踏み入ったことがないような第三国
へ行く。。
信じられない、というか・・驚きである。
まぁ・・大半は取材旅行でスタッフと同行の旅が多いということで、納得。
第四章のアフリカ、インド、パキスタン での人権運動啓発・・のような声なきメッセージは感動した。
プラン・ジャパンというNGO団体からの依頼。発展途上国での子供や女性の生活支援をしているプラン・ジャパンでは
「Because I am a Girl」 というキャンペーンを行っている。
発展途上国では貧しさの犠牲になること
が多い女の子が人身売買の危険にさらされたりレイプの被害にあったり、教育もうけさせてもらえなかったり。
このキャンペーン中に実際に女性たちを取材し、彼女たちが置かれている状況やプランがどんな活動をしているのかのレポートです。
彼女がこの仕事を引き受けた理由が単にボランティア精神のようなきれいごとではなく、むしろ懐疑的なものだった、いうのも
なるほど~と、思った。私もいつも赤十字や社会福祉団体からの寄付を乞われることがあるが
はたして、このお金は本当に恵まれない子たちに届くのか?なのである。
アフリカのリマでは、今でも女性性器切除の風習がある、というのは知らなかっただけに衝撃をうけた。
貧困、男尊女卑・・ここまでひどいと絶句してしまう。
パキスタンでの女性差別。ひどすぎ。しかし・・日本も男尊女卑であった時代がついこの間?まであった。
女は家にいるものだ。。なんとなくわかる。
おりしもノーベル賞平和賞を受賞した「マラら」さんのニュースが世界を巡っただけに
ジャストタイミングでした。
それにしても・・
この広い地球では悲惨な生活を余儀なくされている女性や子供たちの多いことよ。
無知で平和に暮らしている私は、何の役にも立ってないのです・・