晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

イノセント The Innocent

2016年08月24日 | 
イノセント The Innocent 島本理生 著

そういえば、初めて読む作家さんでした。まだ若い~そんなに期待しないで読み始めましたが、
すぐにのめりこみました。きれいな文章と飽きさせない展開に一気読みでした~

物語は・・

幼い息子と二人きりで生きる女性・比紗也は、会社経営者・真田とカソリック神父・如月という対照的な二人の男と出会う。
複雑な過去を抱えた彼女を、二人はそれぞれの想いから救おうとする。 儚さと自堕落さ、大人の恋愛小説です。

丁寧な心理描写や上手い文章は小池真理子風?そして、若者らしいちょっとチープなでエロイ暗さ?は桜木紫乃風かしら?
と、単純に思いましたが、物語は単純にはいかない。
それぞれが抱える複雑な事情は、社会のバックグラウンドを映し、興味をひくものです。
DVだったり、震災だったり、母子家庭の貧困、そして、「信仰」と「愛」。

ひょっとしたら、著者はクリスチャン、なの?
神父の如月が報われない愛で気の毒な気がするけれど、神に仕えるものとしては最大級の愛を与えている。

シングルマザーの比紗也には最後まで共感できなかったけれど、
真田君は憎めないです~
もてる男の代表選手みたいですからね(^_-)-☆

ラストは明るくハッピーエンドでよかったです。

フォルトゥナの瞳

2016年08月10日 | 
フォルトゥナの瞳   百田尚樹 著

この本を手に取った瞬間にあなたの「運命」が変わるかもしれません~
と、まぁ著者自身からドキっとするキャッチコピーです。

物語は・・

その若者には、見たくないものが視えた。他人の「死」が。「運命」が――。 幼い頃に両親と妹を亡くした木山慎一郎には、友人も恋人もいない。一日中働き夜寝るだけの日々。夢も自信も持てない孤独な人生だった。その日までは――。「愛」と「死」と「選択」を巡る、人間の「運命」の物語。大切な人の「死」が見えたとき、あなたなら、どうしますか?

読書メーターをコピペしました~

透明人間の話!?主人公の慎一郎には死が迫った人間をみると体が透けて見えてしまうのです。
ある日突然備わった超能力ですが、、その不幸な生い立ちから過去にも体験していたのです。

予知能力・・東野圭吾がテーマにした小説にもちょっと似ていたけれど、これは全く理由も根拠もない。
信じられないけれど、人間の決められた「運命」を彼が意図的に変えてしまうと、その分彼の命が削られていくのです。

電車の中で、ふとつり革持つ人をの手が透けてみえたり、袖や洋服が宙ぶらりんで歩く人に遭遇したら、さぞかし怖いでしょう~
慎一郎の細かい心理描写がくどいくらいでしたが、百田さんの文章は上手い。

純朴で孤独な青年にだんだんと味方したい気持ちで読み進めましたが・・最後はあっけなかった。

心残りで疑問なのは、
せっかく恋人になった「葵」は何故、彼に打ち明けなかったのだろうか?・・同じものが私の目にも見えるのよ!って
きっと、慎一郎の生き方も変わったかもしれないのに。

慎一郎がかわいそうで、がっかりしました。

しかしながら、過去、現在、未来とつながる人の「運命」などいろいろと考えさせられました。