晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

天使の卵

2005年11月29日 | 
天使の卵・・読みましたよ^^

やはり、「天使の梯子」の前に読んでおけばよかったです
「・・卵」小説すばるで新人賞を受賞した作品でした。
19歳の予備校生、歩太。27歳、精神科医である春妃と情熱的な恋に落ちます。
愛する人の「死」という、重いテーマがこの小説にはバックグラウンドにありますが、二人の純な恋愛にいささかの暗さも感じられないくらいでした。
やはり、若い人の恋はいいですね^^
いつも「小池真理子さん」の小説では中年女性のそれがほとんどですから・・
でも・・読み始めてすぐに私の脳裏に大きなスクリーンが現れ、歩太と春妃がさわやかな春風のごとく駆け抜けるようすが見えました

最後は悲しい結末でしたが・・「天使の梯子」を読んだ後でしたから、涙はほんのちょっぴりで済みました

天使の梯子(はしご)

2005年11月23日 | 
村山由佳さんの「天使の梯子
を読みました。
天使の梯子・・って何のことだと思います?
「太陽や月が雲に隠れて、雲間からさす光のこと」 だそうです。
ヨーロッパのほうで聖書の逸話がもとになった呼び名らしいです。本の中では、明け方、西に傾いた満月が雲に隠れてそのあたりはずいぶん暗くなり、青いスポットライトのような光の束だけがくっきり鮮やかに浮かび上がっている・・そんな光景を夜をあかした二人が窓越しに語り合う・・ロマンチックなシーンでした

彼女の作品を読むのは初めてです。2年前に「星ほしの舟」で直木賞を受賞された時から気になっていた作家さんです。
若い人に人気なんですね。恋する若者達の心情がみずみずしいタッチで表現されていてさわやかな気持ちがあとに残りました
「天使の卵」が前作だったんですね・・知らなかったです。早速、前後しますが
昨日から読み始めました!

うなぎの寝床

2005年11月14日 | 
今日はOFFの日。
チョッと足を伸ばして、隣町の大きなデパートに行きました。
そこで、見つけたのが駅前の小さな書店。私の職場のそれより小さい感じです。

すぐさま、リサーチ!とばかしに覗いてみみましたヨ
間口が一間ほどのドアーを入ると、細長~い店内に雑誌、書籍、学参・・と、ところ狭しにたくさんの本が両側の壁を埋めるように並んでいました。きょろきょろしながら歩き進むと、奥は文房具などが置かれていて、なんと出口があります。そこの扉の向こうには反対側の路地につながっていました。振り返ると、全長・・20メートル・・?くらいに思えました。「長い!」

両側の出入り口にまるで、監視カメラのようなまなざしで座っていた、店員らしきオバサン。店内がなんとなく暗い雰囲気がするのは、彼女たちのせいばかりとはいえませんが・・。
新刊本も結構な量で配本されて並べられているのに、乱雑なかんじがするのがチョッと残念でした。

次に新しく出来た、デパート内にある大型チェーン店の書店に行ってみました。
目が回りそうなくらいの多くの書籍、関連商品が、美しく整然と、レイアウトされています。ため息が出そうなくらいの華やかさです。
「あっ!この新刊本、うちの書店にはまだ入ってこないのに・・」
思わず買って帰りたくなりましたよ・・トホホ・・

うなぎの寝床のような不思議な本屋さんも、頑張っているんですね~




小説に魔法をかけて 2

2005年11月13日 | 
「本の中から生身の肉体が・・とても面白いと思いました!」

そうなんです!Hanasakukwさん!コメントありがとうございます^^

私もこの記事を読んで、すぐに想像したものがあります。
昔、子供のころに読んで、映画でもあった、アラジンと魔法のランプで、ランプをこすると中から、
魔神がふわ~と、現れる!
そう!そんな感じです。本に魔法をかけて、まるで噴出しのように登場人物の俳優さん達が出現するのです。

本当に想像するだけで楽しくなりますね
「スクリーンの俳優たちが演技するのをみながら、あぁ・・ここには肉体がある、
と嬉しく思った」
と、最後に小池氏は述べていましたヨ

小説に魔法をかけて・・

2005年11月11日 | 
いつも私が仕事もかねて読んでいる「波」という雑誌があります。
出版社の新刊案内や作家ノインタビュー、書評、コラムなどが主な内容です
今月11月号で、小池真理子さんの面白い記事があったので、紹介します

以前もふれましたが、今月公開予定の映画「欲望」がテーマでした。

小説を書き始めて20年以上の彼女。自作の長編小説が単独で初の映画化となり、感慨深い!と述べていました。・・以下、本文より~

「ロケ現場を訪ねてみて、実際にその製作現場に居合わせるとなんとも照れくさく、不思議な感覚にとらわれるものだ。私が頭の中で生み出した人物が、俳優たちの肉体を借りて命を吹きこまれていく。私が作品の中で彼らに語らせたセリフが、実際の音声となって耳に届いてくる。
 私が与えた登場人物たちの名前を俳優たちが名乗り、その名前の役柄になりきって、しゃべったり、歩いたり、笑ったりしているのである。小説に魔法がかけられて、本の中から生身の肉体を持つ人々が飛び出してきたとしか思えない。」

作者ならでは、の思い入れでしょうね・・うなずけます!それに不思議な感覚って、読者のほうでも思い描いた、登場人物や物語のイメージがありますから、映画をみたら、きっと違った意味での印象を受けるでしょうね。

11月19日、東京アミューズCQN 他、で上映予定です。
ちなみに、この映画、「R-18」だそうです
本は、18禁ではないのになぁ・・?やっぱりね^^
一人でこっそり見に行こうかな


地下鉄に乗って

2005年11月07日 | 
浅田次郎さんの「地下鉄(メトロ)に乗って」をやっと読みました。
たいした厚さの本ではないのでいつでも読める、と思い、ずっと棚の上におきっぱなしにしていたのです。昨日の雨が幸いし、一気に読むことができました^^

読み始めてすぐに30年前にタイムスリップ!
これは、ひょっとしたら・・ミステリーか、ホラー?・・バックチューざーヒュウーチャー??何やら怪しげなストーリーなんですが、中盤から、どんどんパズルをはめこむように過去と現在をつないでいくのです。

東京を網の目のように張り巡らされた「地下鉄」・・私はふだんあまり利用しないので「銀座線」だの「永田町駅」だのと、路線図や駅名に明るくありません。理解するのに若干時間がかかりますが、地下鉄の持つ暗い雰囲気や重くて生暖かい空気、電車の金属音など、完璧な描写ですぐに頭に浮かび上がってきてゾクッ!とするものを感じました。
ストーリーは読んだ方はご存知でしょうから省きます。とにかく・・読み終えての感想は、人間模様・・誰もが逃れられない、過去を背負っていく人のせつなさや、でもまた希望を抱かせるような、人情を感じました。作者の家族への思いがこめられているのかな?・・東京メトロの歴史の古さ(昭和2年開業)も知りました。
地下鉄は何十年もの間、ずっと変わらずに人々の生き様も乗せてきたんですね^^

ポッポや」「椿山課長の7日間」・・ファンタジーでした。浅田次郎さんのすばらしさはジャンルが多岐にわたっていることに尽きると思います。
プリズンホテル」のような極道小説も茶目っ気たっぷりコミカルで笑いがとまらないし、かと思えば、壮大なスケールの歴史小説もたくさんありますね。
読み終えて・・「もっと読みたい!」
と、思わせる魅力が「浅田次郎さん」・・なんでしょうね