晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

お客様

2006年11月30日 | 日記
11月も終わりの日。朝からあわただしい書店の一日です
雑誌の棚出し、書籍の補充、在庫のチェック、注文・・配達先の(美容室、診療所など)月締めの請求書の整理・・などなど、大忙しです。

毎日いろんな人が本を買いにやってきます。立ち読みだけの人もいますが・・
雑誌などの定期購読のお客様は固定客として、ありがたい、お得意様です
顔なじみになって、こちらもサービスを提供しやすいですね
そんな中で、いつも素敵だな~って思う年配のA様。年のころは70前後、哲学や宗教に傾倒されていて、難しい本を注文してくださいます。お帽子にジャケット、きちんとした身なりから、老紳士を絵に描いたようです。いつも穏やかな表情で、店員の私にも言葉使いは丁寧です。相当の人格者のようにお見受けします

もう一方・・こちらも年配のK様。
囲碁の雑誌と奥様のNHKテキスト「今日の料理」を定期購読。ベレー帽がよくお似合いの手塚治画伯っといった感じです。
ユーモア、たっぷりで「こんにちは!いつもの雑誌と、「今日の料理」ね。昨日の料理にならないうちに!」なんて、言って私たちを笑わせてくれます。奥様もとてもやさしく仲むつまじいご夫婦です。
勤務中の緊張感を解かすように、楽しくて心地よい風が店内に吹きます

しかし、こんな素敵なお客様ばかりではありません・・

今日も、いきなりレジにきて、
「昨日たのんだ、あの本、来てるだろう?早く出してくれ!ほら代金だ!」
とまくし立て、こちらも何の本だかよくわからないので探していると、
「早くしろ!車を待たせているんだ~!」と怒鳴りまくる始末です

やっとのことで(ちゃんと書名も言わないんですから分かるわけない!)、本が見つかり(450円の雑誌!?)、おつりを渡しても「もっと身を入れて仕事しろ~」と捨て台詞。
私たちスタッフも一同、顔見合わせ唖然~でした

心無い人のことば、と割り切っても、やはり皆イヤな気分になりますね





月下の恋人

2006年11月19日 | 
10月の新刊「月下の恋人」浅田次郎~読みました

こちらは、「小説宝石」で、掲載された短編小説を一冊の本にまとめたものです
11編の物語・・どれも面白かったです

ほのぼのとする家族愛を描いたものから、若者らしい恋愛もの、ちょっとスリリングなミステリー・・やくざやサンが出てきたり、と、さすが!浅田次郎のオンパレードって感じでした

特に印象に残ったのは、
「あなたに会いたい」と、表題の「月下の恋人」でした

「あなたに会いたい」は、カーナビが主人公?いえ、・・なんというか、不思議なカーナビなんですよ。「どちらまで行きますか?」という、お姉さんの音声のあと、選ぶヒントがあって、その中に「あなたに会いたい」という、項目があるんです。好奇心からそれを選んだ、主人公の中年男がカーナビに案内されて連れて行かれた場所は・・??なんと、昔の恋人と逢瀬を重ねた思い出の場所、ラブホ!!
彼女の面影もほのかに感じられるこのシーン。?・・「地下鉄に乗って」とおんなじ不思議な雰囲気です!
さて、あなたに会いたい・と、望んでいたのは「彼女」なのかな?

「月下の恋人」は・・
ちょっと、ぞっとする心中話。いえ、奇跡の物語です
海に入って死のうとする二人の前に、先に身を投げた二人の頭が海面から見え隠れするのを発見します・・そして「死」を思いとどまるのですが、後で考えると二人がみた男女は自分たちの姿だった・・?!

ちょっと寂しい夜に、ぴったりの珠玉の作品集でした

気になる一冊・・

2006年11月10日 | 
11月も中盤になり、年末商戦展開で忙しい毎日です
カレンダー、日記帳、手帳、家計簿、などの雑貨が大事な陳列棚を占領して、苦々しく思うときがあります(それでなくても当店は小さい店なのに・・)
しかし、侮れない!?わけがあります
ご近所のお年寄りたちがこぞってうちのカレンダーや暦を買いにきてくださるからです「お宅で毎年買っているのよ~」などと言って、3つも4つも買って下さいます・・なぜ、お年寄りはカレンダーを飾るのが好きなのか?
・・未だに不思議な謎です

さて、先月の新刊の文庫で、ちょっと気になる本があります。少数しか入ってこなかったので、案の定すぐに売り切れてしまいました。
朽ちていった命
~被爆治療83日間の記録~
命が朽ちる・・!なんとも衝撃的なタイトルのこちらは、1999年に茨城県東海村で起きた臨界事故で、大量の放射線を浴びた患者さんの命を救うべき壮絶な闘いの記録です

生命の設計図である、染色体までも壊されてしまい、細胞は再生をやめてしまう?
あらすじをちらりと読んだだけで、身の毛もよだつような記録です
実際に起こった事故だけにリアルに衝撃の旋律がはしる感じですね・・

放射線の恐ろしさを物語る、真実の一冊ってところでしょうか。

残念ながら本日最後の一冊が売れて、在庫なしです・・

箱根・・星の王子さまの旅

2006年11月05日 | 日記
連休を利用して、久々に箱根へ一泊旅行のドライブをしてきました

強羅から仙石原あたりは、箱根の観光スポット、美術館がたくさんあります。
今回、「星の王子様、ミュージアム」に行ってきましたよ
生誕100年を記念して建てられたそうで、私も初めてで、とても楽しみにしていました

南フランスの町並みを再現された中、サン=テグジュペリの生涯と、作品郡を貴重な写真や記録、映像などで紹介されています。そして幻想的な「星の王子様」
の世界・・

いつのまにか、童心にかえりサン=テグジュペリと、プロヴァンスの世界に
魅せられて夢のようでした~