晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

嫌老社会を超えて

2015年10月22日 | 
嫌老社会を超えて   五木寛之 著

先日、某TVで珍しく五木寛之さんが出演なさっていて、「嫌老社会」が到来する!
と心配、危惧をされていました。御年なんと83歳におなりになったとか、、
温和な表情で理路整然とご自分の見解を述べる姿に感心。さっそく読みました。

人口ピラミッドがさかさまになり、日本人の四人に一人は、65歳を超えるという超高齢化社会。
おまけに人口減少の問題です。
高齢者のその「命と健康」をつなぐための高額な医療費が、国家財政の大きな負担ともなり
それをになう若者世代はますます困窮にあえぐのです。
「どうして俺たちがそんなもの払わなくちゃならないのだ~」という気持ちも無理はないでしょう。

そして漠然とひろがる「不安」しかし、心配していては身がもたないから問題は棚上げにして
「心配停止」!心肺停止にもじっては思わず笑ってしまった。

日本の歴史、の経済問題やら、社会の変貌など、とてもわかりやすく述べられています。
最終章の社会学者の古市憲寿さんとの対談は、ユーモアたっぷりと忌憚なく述べられていて面白かった!

確かに、「敬老」という道徳の言葉はそのうち通用しなくなるかもしれません。
高齢者が真に幸せな人生を送るためにも
自立して、社会貢献できるように(最後まで)努力と心構えが必要ということなんでしょう。

高齢者と呼ばれるにはもう少し先の私には、まぁ・・長生きもしんどいことやなぁ・・

嫌老、いたしかたないとしても、、醜老、をさらけ出す前にポックリ逝きたいものです~


秋ですね・・

2015年10月19日 | 日記
時間に追われ、過密?なスケジュールをこなし、気が付けば金木犀も終わりコスモスが満開の
秋になっていました。

すっかりblogを更新するのが忘れていたのではなく、できなかったのですよ。

本もいくつか読みましたが、UPできるほど面白い作品はなく・・
乱読で終わってしまいました。

今は
 ヤモリ、カエル、シジミチョウ  江国香織 著
 嫌老社会を超えて  五木寛之 著
 すかたん  朝井まかて 著
 
をいつもの悪い癖で同時に?!読書中。。。
ヤモリ・・は新聞記事で賞をとったとかで、江国さんだし、、でも意外とつまらないし読みにくく苦戦。
嫌老社会・・日本の高齢化社会の中高年の私たち必見!の話題作。
すかたん・・大阪言葉がおもしろい、と友人のおすすめ本。

今日はOFFの日。朝から洗濯してそうじして、プールに行って、、それからゆっくり本をめくりましょう。

HulaFes の舞台もなんとか無事終わり。ほっと一息。昨日は習志野文化ホールで「命のつどい」骨髄バンクのチャリティー
コンサートで出演、参加させてもらいました。
大きな舞台で緊張しましたが、ワイワイと仲間と楽しく盛り上がりましたよ~

さてさて、、また年末に向けて自分の目標をもたなければ・・


それを愛とは呼ばず

2015年10月05日 | 
それを愛とは呼ばず   桜木紫乃 著

久々の桜木さんの新刊読みました。
う~ぅん・・これはちょっと難しい。なんとなく暗い雰囲気は彼女らしい作風だけど、意味深な
愛の形は理解するのにちょっと時間がかかりました。

あらすじは・・

「いざわコーポレーション」の社長であり、10歳年上の妻である章子が、64歳の誕生日の夜、交通事故にあった。意識不明のまま眠り続ける妻の他、社内に人脈を持たぬ亮介は、会社から、そして新潟から追われる。新たな職を得た記念に訪れた銀座のグランドキャバレーで、席についた紗希もまた、その日、19歳で上京してから10年目、タレント事務所からクビを宣告されたのだった。寄る辺ない心を抱えながら出会った二人は、微かに互いを意識しながら別れる。ひと夏に6戸の販売目標を与えられた北海道のリゾートマンションで亮介が目にしたのは、廃墟同然の新古物件だった。絶望感にかられる亮介を追って、東京から紗希がやってくるーー。実に1年半ぶり、直木賞受賞後初の長編は、まさに桜木ワールドの真骨頂!・・・・、最高傑作!

とまぁ・・絶賛のあらすじですが、、

まず・・主人公は亮介だとばかり思っていたのが・・違った。
ラストをあかしてしまうと、この本の面白さが半減するのでやめときますが・・そこでやっと紗希だったんだ!とわかるのです。
ずっと女優を夢見て、演技の勉強をして、そのために規則正しい生活をし、男に媚びることも頑なにこばみ10年もがんばって生きてきたのです。
その美貌を持つが故、家族や周囲からも期待されて。しかし、うまくいかない。
切ないくらいの悲しさを身にまといながら美しさが際立つ。恋はしたのかなぁ・・いや、恋人と呼べる男がいたら彼女は救われていたと思う。

屈折した愛情は相手の気持ちを慮るばかりに生まれてきたのかもしれません。
確かに、誰も悪くはないのに幸福感から遠のいてしまうような、せつなさややりきれなさを感じる。
ラストは一気に、狂気をはらんだサスペンスのような終わり方で、ちょっと驚いてしまった。

どんよりとした、暗い雲に覆われた新潟の風景描写が印象的でした。