ロマンチックなタイトルに改題されて、文庫化されたこの本は、
辻 仁成の「今この瞬間 愛しているということ」2003年に刊行されました。
辻 仁成、といえば詩人、ミュージシャン、映画監督、と幅広い分野で活躍している芥川作家です。「冷静と情熱のあいだ」で私も彼の本を読むようになりました。
ちなみに、奥様は女優の中山美穂さん。・・(その前は南果歩さん)
今はフランスを拠点に活躍されています。この小説は
フランス料理界を舞台にした、悲しい恋の物語です。・・いえ、壮絶な愛の軌跡といったほうがぴったりです。スケールが大きくて、単純な恋愛小説にとどまりません。
フランスは芸術の都とよく称されますね。
美術館、建築物、音楽、街全体はすっぽり文化遺産で覆いつくされているらしいです。(行ったことがないもんで、うまく言えませんが)
料理の王様、と言われる「フランス料理」こちらも歴史は古く、料理の発祥となったくらいですから・・フランス料理も「芸術」のひとつ、です。
さて・・本題にはいります!?
三ツ星レストランのシェフを目指して、フランスで修行、レストランで働く、女の子「ハナ」とそのレストランの総料理長の「ジェローム」との愛のお話・・
単身、若い女の子が、日本の料理学校だけにとどまらず、フランスまでいって、修行するんですから、ハナは強い心を持った女性です。日本人女性という差別もあったでしょうに、レストランの特別な環境の中で、一人、明るく元気でまるで太陽のような存在で、周囲の人たちを明るくする、ハナ。孤独な将軍、とされるシェフ、ジェロームの心に火がともるのも無理はないです。
三ツ星レストランとは・・フランスでは権威ある、フランス料理の情報誌「ミシュラン」が一年間、厳正なる調査をして審査、与えられる、星です。
フランス全土のレストランの数は十五万軒、一つ星レストランの数は四百、二つ星レストランの数は七十、そして三つ星は僅かに二十数件です。そのうちパリにある三つ星は十件にも満たないのです。いかに三つ星を採るのが軌跡にちかいくらい困難なことがわかります
すごいですね~知らない世界とはいえ、三ツ星レストランってそんなに権威のある
ことだったんですね
同じ目標に向かって、二人の幸せな暮らしは長く続きません。ハナが「seds」という難病にかかってしまうのです。この病気は絶望病ともいわれ、人間のもつすべての感覚、感情が失われてゆき、最後にはロボットのような無感動な人間になってしまう、恐ろしい病気です。未だ原因は不明です。
味覚が初期段階で一番に失われるのです。ハナには致命的でした
献身的なジェーロームの看病、介護がはじまります。
感動的です。フランスの男性はかくもやさしくなれるのでしょうか・・?
筆舌に耐え難いような、闘病生活は読んでいてもつらくなるくらいです。かわいそうすぎます。
「これ以上、彼に迷惑をかけられない・・」と黙って一人で帰国するのですが、
悲しいくらいに切ない、再会。二人で強く生きていこう!結婚しよう!との約束もむなしく、ハナは海の中の白い波と光に飲み込まれて帰らぬ人となります。
翌年、ジェロームは見事、三ツ星を獲得。しかし、すぐにレストランを辞め、海辺に近い故郷に帰ります。そこで小さなレストラン『Hana』を出店します。
「ハナはずっと、私と一緒です。ずっとここにいます・・」
最後のページの解説には、この小説のモデルとなった実在のシェフがいる、との記述がありました。ちょっと驚きでした。
しかし、さすがグルメな著者ならではの作品。登場する、料理評論家は彼自身に違いないです。
・・・・読後の感無量に浸りきっていた日曜の午後。
「ご飯まだ~?」
の息子の声に、やっとフランスの地から我に返りました~
辻 仁成の「今この瞬間 愛しているということ」2003年に刊行されました。
辻 仁成、といえば詩人、ミュージシャン、映画監督、と幅広い分野で活躍している芥川作家です。「冷静と情熱のあいだ」で私も彼の本を読むようになりました。
ちなみに、奥様は女優の中山美穂さん。・・(その前は南果歩さん)
今はフランスを拠点に活躍されています。この小説は
フランス料理界を舞台にした、悲しい恋の物語です。・・いえ、壮絶な愛の軌跡といったほうがぴったりです。スケールが大きくて、単純な恋愛小説にとどまりません。
フランスは芸術の都とよく称されますね。
美術館、建築物、音楽、街全体はすっぽり文化遺産で覆いつくされているらしいです。(行ったことがないもんで、うまく言えませんが)
料理の王様、と言われる「フランス料理」こちらも歴史は古く、料理の発祥となったくらいですから・・フランス料理も「芸術」のひとつ、です。
さて・・本題にはいります!?
三ツ星レストランのシェフを目指して、フランスで修行、レストランで働く、女の子「ハナ」とそのレストランの総料理長の「ジェローム」との愛のお話・・
単身、若い女の子が、日本の料理学校だけにとどまらず、フランスまでいって、修行するんですから、ハナは強い心を持った女性です。日本人女性という差別もあったでしょうに、レストランの特別な環境の中で、一人、明るく元気でまるで太陽のような存在で、周囲の人たちを明るくする、ハナ。孤独な将軍、とされるシェフ、ジェロームの心に火がともるのも無理はないです。
三ツ星レストランとは・・フランスでは権威ある、フランス料理の情報誌「ミシュラン」が一年間、厳正なる調査をして審査、与えられる、星です。
フランス全土のレストランの数は十五万軒、一つ星レストランの数は四百、二つ星レストランの数は七十、そして三つ星は僅かに二十数件です。そのうちパリにある三つ星は十件にも満たないのです。いかに三つ星を採るのが軌跡にちかいくらい困難なことがわかります
すごいですね~知らない世界とはいえ、三ツ星レストランってそんなに権威のある
ことだったんですね
同じ目標に向かって、二人の幸せな暮らしは長く続きません。ハナが「seds」という難病にかかってしまうのです。この病気は絶望病ともいわれ、人間のもつすべての感覚、感情が失われてゆき、最後にはロボットのような無感動な人間になってしまう、恐ろしい病気です。未だ原因は不明です。
味覚が初期段階で一番に失われるのです。ハナには致命的でした
献身的なジェーロームの看病、介護がはじまります。
感動的です。フランスの男性はかくもやさしくなれるのでしょうか・・?
筆舌に耐え難いような、闘病生活は読んでいてもつらくなるくらいです。かわいそうすぎます。
「これ以上、彼に迷惑をかけられない・・」と黙って一人で帰国するのですが、
悲しいくらいに切ない、再会。二人で強く生きていこう!結婚しよう!との約束もむなしく、ハナは海の中の白い波と光に飲み込まれて帰らぬ人となります。
翌年、ジェロームは見事、三ツ星を獲得。しかし、すぐにレストランを辞め、海辺に近い故郷に帰ります。そこで小さなレストラン『Hana』を出店します。
「ハナはずっと、私と一緒です。ずっとここにいます・・」
最後のページの解説には、この小説のモデルとなった実在のシェフがいる、との記述がありました。ちょっと驚きでした。
しかし、さすがグルメな著者ならではの作品。登場する、料理評論家は彼自身に違いないです。
・・・・読後の感無量に浸りきっていた日曜の午後。
「ご飯まだ~?」
の息子の声に、やっとフランスの地から我に返りました~