となりのトトロが
ジブリ映画のなかでいまだに一番好きです。
この映画に描かれている田舎の風景は
わたしの夏の風景そのものなんです。
おばあちゃんの家が
福島の三春町にあり、
小学校のときは毎年夏休み
そこへ家族で遊びに行っておりました。
平屋のそれでも立派なつくりの日本家屋。
物置があって、
広い庭があって、
アズマヤと呼んでいた庭でお茶を飲む傘つきのベンチ?があって
山があった。
近くには川が流れていて
セミやトンボ
とかげや蛇を見たり捕まえたりした。
圧倒的な木々や深く濃い日陰
花や草のむせるような匂い。
夕立。
トトロを見ると、夏を思い出すのです。
で、あともうひとつ。
カンタのおばあちゃん。
あのひとが、
祖母の家のお世話をしていた「マッチャン」という
おばあさんにそっくりなのです。
そのひとがどうしてあの家にいたのか
詳しいところはまったく知らない謎の人物なのですが。
あのカンタのおばあちゃんの話し方や
格好や
のんびりした包み込むような空気が
優しかったマッチャンを思い起こさせて
涙が出そうになる。
だから、トトロが一番好きなの。
娘が眠い目をこすりながら一生懸命見ている横で
これを書いています。
「ビデオに録っといて」
そう言い残して、いま、娘は去って行きました。