「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

河合塾研修講座

2009-03-24 02:38:31 | 研修
先週末は福岡で行われた河合塾による教員向け研修会へ。同校の人気講師によるセンター、文法、英作文、読解指導の講座四本立て。ここの予備校さんはこれまで教員向け研修会はあまりされてないということで、今回の企画には大いに興味が湧いた。

もともと河合塾には「(良いにしろ悪いにしろ)堅い」というイメージを個人的に持っており、その背景について知りたいという思いもあった。講義の後に情報交換会も行われ、その「堅さ」の源のようなものも感じられたのは収穫であった。

簡単に言えば、「組織」としての結束力が強いということ。各講師の説明内容が共同歩調でかなり揃えられている。おそらく、反論や異論が投げかけられたときの対処の仕方も決まった手順のようなものが存在するのだろう。

実は、昨日も県の企画で講師のお一人をお呼びして県立高校の高校生向けに特別講座を実施していただく機会があり、これにも参加した。このときも英語の教員と情報交換があり、さらに深く予備校の様子がうかがえて良かった。

中でも印象に残ったのは、以下の二つ。

模試の採点基準は沢山の採点者の基準を揃えるため綿密に協議している。その結果、どうしてもあまり好ましくない答案に良い点を与えてしまったり、本質は突いているのに基準をクリアできないために点が与えられないケースが出てきてしまう。

授業中に生徒を指名することはできない。予定通り授業を消化しなければならないという時間的な制約と、他の生徒の前で「恥」をかかせることのマイナスを考慮するためだ。指名して追いつめると場合によっては保護者から抗議があることもある。

なるほど文化が違うわけだ。

講座の中でもっとも興味を引いたのは英作文。素材の和文の中でわざわざ訳し出すべきでない日本語独特の言い回しを「虚字」と呼んでカットさせたり、逆に英語に置き換えるときに補足すべきポイントを明示したりする指導は参考になった。

また、生徒の板書した答案を添削して授業を進めるという方法でなく、指導者の方から考え方を説明しながら英作を実演していくという方法も悪くないと感じたのもよかった。あらかじめ生徒の答案を集めて見ておき、気になる間違いを指摘しながら説明すれば受け身の指導にならずに済むはずだ。

講義は90分の予定だったが、どの講師も10分から15分延長して授業をされた。いくらしゃべり方や説明のもっていき方が参考になるとは言っても、既知の内容をこのボリュームで4本立ては結構きついものがある。そういう意味でも生徒の気持ちが理解できて勉強になりました。


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