「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

Contagious

2010-02-08 05:25:21 | 研修
先週末は二つの研究会をハシゴ。ひとつは県の研修所による恒例の年度発表会。もう一つは近隣の小学校での外国語活動に関するもの。前者はともかく、後者は前教科調査官の菅先生が指導者ということで、とても楽しみにしていたものだ。

というわけで、県の企画の方はとりあえず置いておき、外国語活動の話。45分の研究授業に、研究協議、菅先生の講演という流れ。当初のお目当てはもちろん菅先生のご講演。政権交代後、文科省退官後に小学英語についてどんな話が出てくるかしらと興味津々。

しかしながら、凄かったのは研究授業。地元大学付属中の先生がALTさんとティームティーチングをされたのだが、その内容の濃さに圧倒された。

いわゆるオールイングリッシュベースであるのはもちろんのこと、ICT、ことばへの気づき、文化の多様性への気づき、伝統、ノンバーバルコミュニケーション、自己表現と、およそ小学英語で話題に上る(うちで私が知っている)ものはすべて要素として組み込まれている。しかも、それらが流れの中の必然として入っているので取って付けたような感じが全くない。

さすがに、ペアワークやグループワークは日本語になってしまうからできないだろうと思っていたら、地元の有名なものを説明するのにどうしたらいいか知恵を出し合おうという活動でいとも簡単にこの難題を突破。降参です。

研究協議の際に、授業のフレームワークを作る時に何を意識したかという質問をすると、自分のこと、自分の文化を説明できることの重要性を感じて欲しいと思ったというご説明。納得、素晴らしいです。

さて、菅先生の方は聴衆を引き込む名調子でいつも通りの愉しいご講演。裏話やワークショップも加えつつ小学英語の意義を伝えられた。印象に残ったことは伝えたいという意欲や工夫を大切に育んで欲しいというメッセージ。簡単に言えば、斉藤栄二先生が言われる、"Osaka is takoyaki."も小学校ではOKだということだろうか。

格差拡大という負の面への想いは今回は胸に秘めたままで、研究会は和やかな雰囲気のうちに終了。「英語指導という無理難題をつきつけられた」と感じている小学校の先生方も(もしいらっしゃるなら)おそらく菅先生の魔法にかかって元気を受け取られたのではないでしょうか。


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