「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

学力向上のためのクラス経営(など)アイディア⑤

2010-02-25 06:12:23 | その他
学習時間調査は学習時間を調査する目的で行うのではない。調査した学習時間は生徒の感覚に頼った自己申告であり正確なものではない。それでは意味がないじゃないかと言われるがそんなことはない。申告された学習時間は生徒の思いを反映しているからだ。

例えば、成績が上がり学習時間が多い生徒は、努力の成果が出たと感じている場合が多い。このような生徒にはその頑張りを承認するタイミングの良いフィードバックが必要だ。それがモチベーションの維持、育成につながる。

ただし、前回も触れたように、成績が上がっても自分の頑張りに報いるほどの結果ではないと自己評価している場合もありうる。だから、いきなり誉めるのは避けるわけだ。

もっと重要なのは、学習時間が多く成績が下がった生徒である。このような生徒は傷ついて辛い思いをしているケースが多い。なるべく早く話を聞き不安を取り除いてやる必要がある。学習方法に問題がありそうだとか、結果が伴うまでにもう少し時間がかかりそうだといった判断もできるだろう。

生徒の気持は細かい数字に表れるので、学習時間は小数第1位までで申告させるのが望ましい。例えば、1時間半なら1.5、1時間弱なら0.8とか0.9といった具合だ。「毎日2時間くらい勉強した」と思う場合でも、本人が学習状況を肯定的に捉えているなら、その分だけ少数の部分にプラスとして表れるだろうし、逆に否定的に捉えるなら、その分だけ引かれた数字として表れるだろうからだ。

つまり、学習時間に表れる数字は学習時間というよりは、学習状況に対する自己評価なのである。

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