不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La Sindrome di Penelope

2004-04-21 05:02:08 | 日記・エッセイ・コラム
kanaさんのblogより
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『一人では生きていけない』



ペネロペ・シンドロームなんて言葉は日本語にあるのだろうか?

ここでいうペネロペは
もちろんトム・クルーズとどうにかなっちゃっている
女優ペネロペ・クルズではなく
ギリシャ神話の英雄オデュッセウス
(ローマ名ではUlisse:ウリッセ)の妻で、
二十年もの間、なんだかんだと理由をつけては再婚の話を断り
夫・オデュッセウスの生還を信じて待ち続けた貞淑な女性。

イタリア人男性のマザコン度の高さは世によく知られています。
女性の側でも男性の世話を焼き、包容し、
手を貸し、そして待つという傾向が強いので
男性は「永遠の息子」の役を心置きなく演じることができるらしい。
(演じているかどうかはともかく・・・)

相手がたとえ母親であろうと、恋人であろうと、
妻であろうと、愛人であろうと、
「私は彼にとってなくてはならない存在なのよね。重要なのよね。」
と感じさせることができる男性こそが
女性を魅了する術を知っている男性なのだそうだ。
(とイタリアでは少なくとも評価されている気がするんだけど。)

しかし、母親の役割を演じる女性と比べれば
そんな男性などは足元にも及ばない。
ママの掌でもてあそばれているだけなのね。
つまり母性本能に満ち満ちた女性というのは
なにものよりも強いということなのだろうね。

そして女性は
この母性本能全快にして
辛抱強く待ち続け、ひっきりなしに手助けすることによって
男性から「成長して学習する」というチャンスを
奪ってしまっているのだそうだ。


で、なぜペネロペ・シンドロームなのかというと
英雄であり、最強の軍人であったオデュッセウスでさえ
あらゆる手を打って、自分を待ち続けてくれた
妻・ペネロペの存在なくしては
厳しい闘いを戦い抜いて
故郷に帰ってくることができなかっただろうと。
そういうことらしいんですけどね。
そう、女がでんと構えていればこそ
男はふらふらして狩に出かけられるってことらしいですよ。

この「待ち続ける」というのが女性の特徴の一つで
このあたりからペネロペ・シンドロームなんて言葉も生まれたみたい。
(って世界的に使っているのか知りません。
イタリアでも滅多に聞かないけど。)

ふーむ。

だからなにかというと。
つまりは
女性は「待つ」のを控えめにし、何もかも受け入れてやったりせず
そこそこに手をかけてやるくらいでとどめておけと。
男性が物事をうまく処理できないといって文句を言わず
その根本から叩きなおしてやろうなどと熱くならず
この際助けてあげようなんて考えは捨ててしまえと。
そして好きなように試させてみて
少し放っておけばいいのだということです。

それで男性が成長するならそれは一つの収穫だし、
もしそうでなくても
相手ではなく自分自身の心の声を聞くことで
物事がもっとすっきり収まるようになるんだそうです。