不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

L'Aquila e il futuro

2009-08-06 20:02:08 | 日記・エッセイ・コラム

L'Aquila訪問は実は後半もあったのです。
すっかり書きそびれていたけど、
メールマガジンで震災後の住居問題も取り上げたので
ラクイラ訪問の後半部分も書き上げようと思いまして。

避難所生活の実態の一部を見たあと
ラクイラの街中へ向かいました。
街の入り口は頑固な足場が組まれて
道の両サイドの建物が
これ以上崩壊しないように支えていて
なんとも痛々しい感じがします。

入り口からドゥオーモ広場までのほんの一部だけが
現在立ち入り可能となっています。

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何もなかったころには
平和に営業していたと思われる自転車レンタル。
今となっては平和な商売だからこそ
なおさら悲劇的だったりします。

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広場に面した一等地の店舗には
こんな風に店主の叫びが
あちこちに張り出されています。

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街中に入ることができるようになって
まず様子を見に行って
こうして再開できるかどうかわからない商売の先行きと
街の未来を憂いているのでしょう。
G8で訪れた首脳たちは
こうした張り紙をどんな思いで見たのでしょうね。

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崩壊した教会も修復が進められています。

そういえば
CollemaggioのBasilica di Santa Mariaには
教皇Celestino Vの遺骨が祀られていて
震災後に現教皇がまずそこを訪れたのは
Celestino Vの遺骨が気になって仕方なかったからだと
心無い報道がされたりもしました。
半分は瓦礫に埋まっていたようですが
ちゃんと回収されています。

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広場に立つクレーンが虚しいくらいの
いつも通りの青空。

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ここから先は立ち入り禁止Zona Rossa。
なんか初めてポンペイを訪れたときに
受けた衝撃と同じような感覚に陥りました。

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この広場周辺の被害は
少ないほうなのだとか。
それでもかなりのダメージです。

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アクセスできるところからちょっと脇道を覗くと
こんなふうに瓦礫の山がそのまま。

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応急処置もされていますが、
さすがにこの状態では
ここでの生活を再開するのは無理だろうという気がします。

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思ったよりも道路の損害は少ないような気がしますが
完全復興までには
長い歳月と莫大な費用が必要なのは明らかです。

私ごときでも何かできることがあればと
思いはするのですが
この状況を実際肌で感じてしまったら
なんだか気軽に「ラクイラ援助」などと
口にするのもおこがましいような気がしてきました。

成り行きを見つめ
そして復興の未来を祈ろうと思います。