不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Casa Rodolfo Siviero

2009-11-17 11:03:40 | アート・文化

ヴェッキオ橋の上流、
アルノ川脇に佇むネオ・ルネッサンス様式の邸宅。
1870年代フィレンツェに
イタリアの首都がおかれていた時代に建てられたもので、
当初ユダヤ系のCastelfranco Forti家が暮らしていました。
Giorgio Castelfrancoは当事著名な芸術愛好家で
まだ無名だったDe Chiricoの作品をこよなく愛し保護していました。
1930年代になるとCastelfranco家は
ユダヤ系であるということで迫害を受けるようになり
数多く抱えていた芸術作品も
この時期に生活費捻出のために売りに出され、
De Chiricoの作品も3点を残してすべて売却されています。
第二次世界大戦後、Rodolfo Sivieroが
残されていたわずかな芸術作品や調度品も含めてこの邸宅を買収。
Sivieroは1983年に他界したときに、
遺言ですべてのコレクションと調度品、そして邸宅を
美術館として一般公開することを条件にトスカーナ州に委譲。
主に彼の居室として使われていた1階部分が
美術館として公開されています。

この邸宅の半地下は
当事の使用人たちの居住区となっていましたが、現在は非公開。
また上階部分にはRodolfoの両親や妹がかつて暮らしており
1983年の時点で存命だった妹のために上階部はそのまま残し
彼女が亡くなったら上階部も美術館とするように
遺言が残されています。
1999年に最後の身内も他界していますが、
未だ修復が完了していないため
上階部分は非公開となっています。

Rodolfo自身は1911年にピサの郊外で生まれ
フィレンツェ大学文学部に学び、
その後ベルリンに渡って美術史を専攻。
戦時中にイタリア国家の秘密諜報部員となり、
1943年9月8日ドイツとの同盟解消後は
フィレンツェでナチ軍による
芸術作品の無断持ち出しを阻止する活動を展開。
この活動の基幹となっていた組織は
第二次世界大戦後
イタリアの外務省付けの特別委任組織となり
Rodolfoは組織のトップに立って
本格的に芸術作品の007としての活動を始め、
この世を去るまで組織の責任者として活躍し
世界各地に散った数多くの芸術作品の返還に貢献しています。

彼の貢献によりイタリアに戻された作品には
Tiziano「Danae」(ナポリ・カポディモンテ収蔵)
「ポンペイのApollo」(ナポリ・国立博物館収蔵)
「Discobolo」(ローマ・国立古代ローマ博物館)
他にもPollaiolo、Parmigianino、
Rubens、Raffaeloなどの作品も
彼の情報収集力と地道な努力によって
イタリアに返還されています。
また戦後もさまざまな理由で
世界各地に持ち去られた作品を探し出しては、
交渉して取り戻すという活動を続けてきました。

現在公開されている作品は
こうした返還作品とはまったく関係なく
彼が個人的に蒐集したマイノリティー・アートですが
古代ローマ彫刻、中世の木像や祭壇画から
De ChiricoやManzuといった近代芸術家の作品まで
非常に幅広く、センスのよいコレクションとなっています。

1900年代のイタリア・ブルジョア階級の暮らしと
芸術作品の007として名を馳せた
Sivieroのプライベートコレクションを見ることができます。

Casa Rodolfo Siviero
Lungarno Sorristori 1/3
50125Firenze
開館時間:日曜日・月曜日10:00-13:00
       土曜日10:00-18:00(9月から6月)
           10:00-14:00,15:00-19:00(7月、8月)
入場料:無料
*入場料無料ですが、
修復と上階早期公開のためのフリー寄付を募っています。

見学可能な彼の書斎には
彼が関わった作品を集めた展覧会の
カタログなども展示されていて
かなぁりマニアックに楽しいです。


La serata di Polenta

2009-11-17 00:49:07 | Mobile Posted

La serata di Polenta
友人宅でのポレンタの集い。

北イタリアではよく食べるポレンタも
フィレンツェではなかなか美味しいものに出会わないので、
普段は食べないけれど、友人はヴェネト出身。
彼女のお母さんの手料理で、
何年ぶりかに美味しいポレンタをいただきました。

ポレンタにはサルシッチャ、キノコ、
ストラッキーノチーズを合わせて、たらふく食べました。

これでしばらくはポレンタいらないかもしれない。